街場の五輪論 (文庫)

  • 朝日新聞出版 (2016年7月7日発売)
3.40
  • (2)
  • (1)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 71
感想 : 5
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784022618641

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学評論随筆その他】東京五輪招致成功から3年。アベノミクスが失敗と言われるなか、成長戦略としての五輪開催は破綻している。新競技場建設、膨れ上がる費用など問題山積のまま。開催万歳の同調圧力に屈しない痛快座談会に、最新語り下ろし鼎談を加えての文庫化。

みんなの感想まとめ

テーマは、東京五輪の開催に対する疑問とその背景にある言論状況の問題提起です。鼎談形式で展開されるこの作品は、オリンピック開催を支持する声が圧倒的な中で、反対意見をしっかりと提示します。著者たちの意見に...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2020年のオリンピックが東京で開催されることが決定されて以降、反対意見がほとんど聞かれなくなったという言論状況そのものについて問題提起をおこなった鼎談です。

    元来近い立場にある三人の座談会なので、おたがいの意見を戦わせるような場面もなく、緊張感に欠けるのはいたしかたないのかもしれませんが、語られている内容そのものには賛同できることが多く、著者たちの発言に膝を打ちながら読みました。

    もっとも、いくつか違和感をおぼえるところがあったのも事実です。私自身は、内田がさまざまな著作で展開している身体論や、『日本辺境論』(新潮選書)で語られているこの国についての言説には、すこし危ういところがあるのではないかと以前から感じていたので、やや過敏になっていることは自覚しているのですが、「自己アピールが下手」な日本人というイメージや、「健さん的無口さ」を日本人は美徳としてきたといった発言には、なにか引っかかるものを感じてしまいます。

  • 人から借りた本。自分では絶対に選ばない本なので、たまにはこういうのを読んでみるのもいい。びっくりするような発見があった。
    左翼おじさん3人がアンチ・オリンピックの立場に立つ。なんというか、昔はこういう文句ばっかりの座談ってよく見た気がするけど、最近はとんと見なくなったので逆に新鮮だった。しかし、わたしはオリンピックそのものの存在に疑問を呈している言論人も知っているので、なんというか「この人たちの世界、びっくりするくらい狭いな…」という印象。保守やネトウヨの人たちのふるまいを否定するが、自分たちも自分と意見の違うものを切り捨てているのではないか。わたしは、この「自分たちの思考こそがまったく正しい」という世界に対するおそれのない態度が苦手で、こういう人たちの本から随分遠ざかったのだった。特に九条のくだりは本当に驚いたな。
    なにしろ、自分では選ばない本を読むというのはいい。本の内容、テキストそのものに感銘を受けるか受けないかは置いておいて、世界は広がっていく。

  • 久しぶりの内田本(といっても対談集)。結果的に、誰も予想し得なかった形で五輪はポシャッた(あ、まだ延期か)訳だけど、このタイミングだからこそ読みたい一冊。皆がいったん、五輪どころではなくなり、そっちの方面に関しては冷静になれている今だからこそ、本当に、どうしてもやる価値があるものなのかどうか、改めて見つめ直すべきではないか。もう、あらかたの設備投資金は積み上がりきってしまっているのかもしれないけど、それを更に積み増して、来年開催という博打に打って出るのが正しい判断なのか。昨今のこれだけ大きな有事に及んでなお、きな臭さが漂いまくる現政権が、一部の熱狂を背景に推し進めてきた事業、という側面を忘れてはならない。

  • 2014年に単行本として出されたときに
    読んでいて、
    そりゃあ そうだ
    と 何度も賛同しながら
    読んでいた

    そして
    それから五年経った
    今、
    本書で予測されていたことが
    そのまんま
    いたるところで噴き出していることに
    納得するよりも
    ますます唖然としてしまう

    いくら考えても
    やはり
    東京五輪は
    いらない!

  • 農民と武士の西南戦争の話。つい、150年前は日本人はそういう状態だったんですね。
    そう考えると織田信長の長篠の戦いはすごいですよね。本題とは関係ないですが…

全5件中 1 - 5件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1950年東京都生まれ。神戸女学院大学名誉教授、神戸市で武道と哲学研究のための学塾凱風館を主催、合気道凱風館師範(合気道七段)。東京大学文学部仏文科卒、東京都立大学人文科学研究科博士課程中退。専門は20世紀フランス文学・哲学、武道論、教育論。 主著に『ためらいの倫理学』、『レヴィナスと愛の現象学』、『寝ながら学べる構造主義』、『先生はえらい』など。第六回小林秀雄賞(『私家版・ユダヤ文化論』)、2010年度新書大賞(『日本辺境論』)、第三回伊丹十三賞を受賞。近著に『日本型コミューン主義の擁護と顕彰──権藤成卿の人と思想』、『沈む祖国を救うには』、『知性について』など。

「2025年 『新版 映画の構造分析』 で使われていた紹介文から引用しています。」

内田樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×