作家の口福 おかわり (朝日文庫)

  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 307
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022618771

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学評論随筆その他】するめやあごの出汁、トナカイの乳のミルクティー、土筆の卵とじに具なし茶碗蒸し……。人気作家が「食」で競演! 大好物、調理における発見、食の結ぶ人との縁まで、読むだけで様々な「美味」が味わえる極上のアンソロジーエッセイ集最新作。

感想・レビュー・書評

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  • いつも素晴らしい文を書く作家さんたちの食べ物への愛情がいかんなく発揮された一冊。
    短くて単純なテーマなのに、皆さん読ませる読ませる。一度でやめるのが惜しくて、三回くらい読み直しました。

    まず、冒頭の朝井リョウさんから、本にぐっとのめり込ませる。
    ファミレスのモーニングビュッフェでトーストにスクランブルエッグ載せるのやってみたいわー。
    北村薫さんのは、さすがミステリー作家だけあってエッセイもミステリアス。結局北村さんが見た数々の食べ物たちはなんだったの…?!
    辻村深月さんの、卵焼きでコーティングしたおにぎりは子供が好きそう。今度家で作ってみます。
    平野啓一郎さん。一度高いものを経験してしまうとランク落ちに耐えられなくなるという理屈を、ステレオと食べ物で例えていて納得。
    穂村弘さん。一般の人が送ってきた短歌を上げていたんですが、カップラーメンという一つの食べ物を巡り、一方は「人がダメになる食べ物」と歌い、もう一方で「出来るのを待つ三分間に愛する人を思う」と歌っている。この差が面白かった。
    森見登美彦さん。森見さんに限らずなんですけど、作家さんて本の中に出てきた食べ物を「なり切って食べる」方が多い印象。私もよくやる。
    最近アニメなどとのコラボカフェが流行っているけど、この「なり切って食べる」流れだよね、たぶん。
    柚木麻子さん。「ランチのアッコちゃん」や「あまからカルテット」で食べ物描写を堪能したので、てっきり手作りとか家庭料理とか、それでなくても家で作れそうなもので来ると思ったら、まさかの全編回転ずしチェーンレビューでたまげた。
    回転ずしのワクワク感。女性一人でふらりと入ってみたい。

  • おいしいものを書くことをできる作家にはずれはない! おいしいエッセイを書ける作家も同じ(^^♪
    万城目さんや朝井さん、森見さんとそうそうたるメンバー。たかが食、されど食。

    今日も私たちは命を食べて生きている!

  • 朝井さんの文が読みたくて借りてきた。

  • 朝井リョウさんの作品一覧からたどりついた本。
    なるほど、いろんな作家さんが食について書かれてるんですね。
    さらっと読めておもしろかったです。
    1番印象に残ったのは、平野啓一郎さんの
    「ウマい」という感覚の遅さ
    そうですよねぇと共感して読みました。
    他にも懐かしさを感じる作品が多く、食というものは人を結びつけるとても大切なものなのだと感じました。

  • この本は料理の世界から図書館に来た。旬の作家20名の食物絡みのエッセイで、表紙の浅井リョウほかというのが目についた。中に北村薫さんの名前もあった。

    食べるのも作るのも好きで、子供のころから母と台所にいたからか、家事の中でも調理はあまり苦にならない。だからこういった作家の食べることについてのあれこれが面白かった。
    ただ食に限っていても作風の違いに含蓄がある、日常の食をはみ出して自由に楽しんで書いていたり、素材にこだわりがあったり、思い出話だったり、面白かった。
    そんな食べ物とのかかわりが文章になっていると、やはり人柄も偲ばれるものだ。いいなぁと共感した話は、短いプロフィールで紹介されているこの方の代表作をすぐ読んでみたくなる。

    どこがどうだったか忘れないために書いておこう。

    * 沖方丁さん、今は肉食万歳だそうだが、子供のころ暮らしたネパールの風習のせいで肉がしばらく食べられなかったそうだ。エッセイでも端正な文章は独特のSF作品や歴史絡みの作品からのイメージ通りだと感じた。土いじりから野菜の生存競争(生きていく知恵)を実感した話には、今年狭い庭でうまく玉ねぎを作れなかった私は大いに共感した。「え!玉ねぎは苗を土につっこんでおくと勝手に丸くなるのに」と菜園ベテランの友がいった。くっ敵もさるものそうはいくまい。

    * 川上弘美さん
    この方の作品は大好きなのね。だから、お鍋が苦手というのもいっしょいっしょと喜ぶ。
    なんだかまわりの人に気を使いながら、おじやまでのコースを耐えなくてはならない。具の形も崩れてくるとあんた何者?しっかりしろと味どころでなくなる。親睦鍋には水を差せない、なんだか微妙な気持ちも邪魔をする。

    そういえば、「今夜何食べようか」と聞くと、」必ず「鍋がいいなあ」と答える男の人とつきあったことがある。
    すぐさま、別れた。
    たぶん、人として自分には何か欠陥があるのだ。
    都会の孤独。
    人に心を開けない寒々しさ。
    ひずみの多い現代人。

    わかるのねぇ、そんなに人が苦手でもないし潔癖症でもないけれど食は自由に楽しみたい。
    同じ鍋をつつく間柄というのは気が置けなくて痛みを分かち合える家族だけ、と大きく出てみた。

    * 北村薫さんの思い出の話。
    北村さんは「クオレ」で読んだ焼きリンゴに感激した、でもそれは後年読み返した岩波になかったそうだ。薄荷菓子の話も懐かしい。
    そうだ私も中学にもなって焼きリンゴを食べたことがなかった。一方的に友人にされて連れていかれた家でほかほかの焼きリンゴが出た、珍しくておいしかった。味よりもリンゴの変形具合に驚いた。riリンゴは皮があってもなくてもかわいらしい形が好きだった。クリームもシロップもリンゴ味に溶け込んで違った世界から来たもののように異様に見えた。
    昔、紅玉は牛の餌にするという東北の農家で余るほど貰って作ってみた、おいしかった。ふじなどでは紅玉のように酸味がないのでおいしくないと思いつつ、このごろあまり店先で見なくなったので作らなくなった。

    * 葉室麟さんは、食べ物の話も時代小説のような落ち着いた香りがした。
    「つくしの卵とじ」しばらく前まで近くの里山にたくさん生えていた。下草を刈らなくなって、いつもの場所でもう見かけなくなった。早春の一日は摘んできて袴をとって下茹でをしておく、春の行事だった。卵とじや巻寿司の具にもした。
    葉室さんの熟成肉の話も面白かった。ニューヨークで海外産の肉の味に驚いて味に目覚めたのだそうだ。そうか話題の熟成肉。

    * 平野啓一郎さんの「昼食は、ほとんど毎日カプレーゼ」
    読んですぐ私もそうだそうだと、お昼のカプレーゼのために買い物に行った。お昼一人の献立は残り物がないときは何にしようかなと思う。モッツァレラチーズ、バジルはある。トマトもでっかいのを三つ買ってきて。三日は食べようと思った、あのモチモチジュワットくるチーズ味は,チンしないで食べたことがない。やっぱり、一回でお腹いっぱいになった。平野さん5年も食べているそうな。うちのチーズオタクでも感心しきり。

    * 平野洋子さん「ハッシュドポテト」の来歴。
    1976年、伊丹十三さん訳の「ポテト・ブック」を読んで作り始めたとか。おいしいですハッシュドポテト。
    残念ながら最近糖質にこだわり根菜類を気にしている私。いつも新じゃがなどはを茹でて皮をむき冷凍していたのにもうない。ジャガバタやフライドポテトやコロッケを出すと、ドイツの主食だから夕食は米なしでいいよ、と喜ぶのに。ドイツは主食なのかなと、同じせりふで同じように首を傾げる日本的な私。
    「何も入れないすっぴん茶碗蒸し」好き好き。

    * 穂村弘さん
    カップラーメンの歌

    海老らしき物体やはり海老らしいカップ麵には四匹と半 岩間啓二

    「半」おーなんか実感。
    でも 夕食の後すぐにカップ麺食べると許さん、礼儀に反する息子よ。遠慮してせめて一時間くらい後にしろと私は怒るのだ。

    * 堀江敏幸さん
    「響きのない鐘を撞く」
    山から掘ってきた自然薯をすり鉢でこすっておろす。痒い手をこすりながら私の仕事だった。おいしかった。
    ゴリゴリがなくなるまで、響きが聞こえなくなるまで。
    やっぱりうちでもだし汁で伸ばして食べるけど。
    今日はにしんそばにとろろかけもいいな。

    * 万城目学さん
    「鰻」好きなのだが、だんだん舌が進化していく様子がなんとも、あるあるです。
    たまぁに「極上の物など」頂いたりすると「もういつものものが食べにくくなくなった」と家族が言う。それが柔らかくジューシー且つ皮の柔らかいぽってりしたプルーンなどでも。
    食通なんかではなくても、万城目さんの言うローヤルミルクティーであっても。

    ⋆ 湊かなえさんは淡路島だよりを書いている。
    「はも」
    夏の柔らかいはもを骨ぎりして湯引きで食べる。同級生が魚市場に勤めていて、何かの集まりに獲れたてを差し入れてくれた。これよりおいしい鱧を食べたことがない、それで今も懲りずに「はも、はも」と探しているけれど。

    * 森見登美彦さん
    料理は苦手だけれどお父さんの手料理がおいしかった思い出。
    孤島で生き延びる話と文章の組み合わせの話。
    やはり料理苦手ということで食のエッセイは、少し精彩にかけていたが、面白かった。

    ⋆ 柚木麻子さん
    回転ずし巡りだけれど、あまり面白くなかったな。
    でも地元のお寿司屋さんって、変わったものまで回っているのね。旅に出たら本屋さんと道の駅とお寿司屋さんにも行こう。

  • 20人の作家が「食」をテーマに競演。大好物から、調理における発見、思い出の味、食の結んだ縁まで、様々な「美味」が味わえる極上のアンソロジーエッセイ集。『朝日新聞』土曜別刷り「be」掲載を書籍化。

    いろんな切り口があって楽しかった。

  • 朝日新聞土曜版beのコラム「作家の口福」から編んだ本。
    すごい方々の食にまつわるエッセイ集です。

  • 浅井リョウの名前に惹かれて手に取りました。やっぱり浅井リョウおもろい!特にエッセイはクスッとポイントをくすぐられます。

    何人かの作品をよんだことがありますが、エッセイだと作風から感じない作家さんのプライベートが見えるのはなんだか得した感じがします。

  • 有名作家20人による食にまつわるショートエッセイ第二弾。やはり男性陣の作品の方が個性があって印象に残る。偏った内容で書き続けた穂村氏柚木氏のは笑えてきて必見。

  • 図書館の本 読了

    内容(「BOOK」データベースより)

    和田竜の口福るめの出汁、トナカイの乳のミルクティー、ビーカーコーヒー、土筆の卵とじに素っぴん茶碗蒸し…。20人の作家が「食」をテーマに競演!大好物、調理における発見、思い出の味、食の結んだ縁まで、様々な「美味」が味わえる極上のアンソロジーエッセイ集、待望の最新作。
    朝井リョウの口福
    上橋菜穂子の口福
    冲方丁の口福
    川上弘美の口福
    北村薫の口福
    桐野夏生の口福
    辻村深月の口福
    中村航の口福
    葉室麟の口福
    平野啓一郎の口福
    平松洋子の口福
    穂村弘の口福
    堀江敏幸の口福
    万城目学の口福
    湊かなえの口福
    本谷有希子の口福
    森見登美彦の口福
    柚木麻子の口福
    吉本ばななの口福
    和田竜の口福

    トナカイの乳のミルクティーは飲んで見たいなぁ

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著者プロフィール

一九八九年岐阜県生まれ。『何者』で直木賞、『世界地図の下書き』で坪田譲治文学賞受賞。著書に『スペードの3』『武道館』『ままならないから私とあなた』『何様』、エッセイ集『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』などでも人気を集めている。

「2019年 『死にがいを求めて生きているの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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