- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022618993
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学評論随筆その他】乳がん治療の果てに、突然あたしは何もない部屋に住みたくなった──。生活道具や家具、長年蒐集してきたお宝本、ついには配偶者まで!! 40年の人生で溜め込んだすべてのものを切り捨てまくる、捨て暮らしエッセイ。《解説・酒井順子》
感想・レビュー・書評
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内澤旬子さん、本の雑誌その他のエッセイ読んだり、高野秀行さんがらみでいろいろ知っていたけれども、一冊読むのははじめて。おもしろかった。
とにかくすべて捨てまくりたくなって捨てる、とか、豚を飼うために借りた家の恐ろしいゴミを捨てる、とか、トイレットペーパーを使うのをやめる、とかとか、行動そのものもぶっとんでいておもしろいんだけど、文章もおもしろい。威勢のいいところが好きだ。建前的な感じとか、きれいごと的なこととか、ほのぼのっぽいところとか全然ない、本音全開な感じが好きだ。
人としてのタイプはまったく違うので、ありえないなと思うエピソードいろいろあってなんなんだけど、なんだか、いろいろ生きづらそうな感じに共感するようなところもあって。
でも、うじうじした性格のわたしとしては、集めたものを捨てまくったあとに鬱になった、っていう話をもっとききたかった。そのあと、またいろいろ集めはじめて結局、移住した、ってことなのかな。移住のエッセイも読まなくては。その前に「身体のいいなり」も読みたいんだけど、なかなか本屋で見つからず。。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
女も四十を越えると、病を得たり、体力の衰えを感じたり。
そんなこんなで自分のこれまで、これからの暮らしに嫌でも向き合わなければならなくなる。
今の私がそうであるように。
子どもがいないせいか、生前整理とかいうことが、同世代より早く気になって仕方がない。
乳がんから生還した内澤さん。
離婚も重なって、住み替えたりしたことを機に、断捨離モードが入ってしまう。
執筆のための資料、製本の参考にと世界各国で買い集めた本、材料はもちろん、これまでに手掛けた原画も、思い切りよく処分。
断捨離ハイとでもいうような状態なのだろう。
所有物にはこれまでの人生が反映する。
だから、ガシガシ捨てながら、自分の人生を否応なく顧みることになり・・・。
捨てられる物を捨てきって、虚しさを感じるというのも、何か考えさせられる。
これはきっと、私の数年後の状態なのかも? -
連載中はなんとなく楽しく読んでいたけど、なんだか読み返したくなって購入。
改めて読んでみれば、この人が捨てたものを考えると、単に身の回りにあるものを処分したというだけではなく、心のうちにあった何かを解き放ったということなのだろうな、と思ったりして。 -
断捨離の本はいくつか読んだけれど、ここまで人間臭く赤裸々に心の内を書いている本はないのではないだろうか。予想外の展開で面白かった。若干シモな話が多いので、ちょっと中盤(旭市のあたり)は嫌になったが…。
それはさておき、著者の本は『カヨと私』を初めて読んでから、こちらの本を読んだので、テンションの違いにびっくりした。。こちらは躁状態(一部は鬱状態)で、カヨと私は鬱状態(ただし、どちらかといえば心の健康を取り戻してそう)で書かれているな…と思った。
内澤さんに幸あれ、と思う一冊。 -
f
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捨てる!捨てる!捨てる!!読んだらなんだかスッキリした。「捨てる」を疑似体験。
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内澤さんの生き方が面白い!