恋の法廷式 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022619105

作品紹介・あらすじ

前科2犯の女に法廷で求婚する元夫。出会い系で会った男たちから、次々と金を騙し取る超地味な女。ひと目惚れすると、スカートに手が伸びる痴漢男。フラれた相手に定期的に脅迫状を送り続ける派遣社員の女。愛のカタチは十人十色。恋愛裁判だけを集めた異色の裁判傍聴記。

感想・レビュー・書評

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  • ‹内容紹介より›
    前科2犯の女に法廷で求婚する元夫。出会い系で会った男たちから、次々と金を騙し取る超地味な女。ひと目惚れすると、スカートに手が伸びる痴漢男。フラれた相手に定期的に脅迫状を送り続ける派遣社員の女。愛のカタチは十人十色。恋愛裁判だけを集めた異色の裁判傍聴記。
    ~純粋な愛、ドロ沼の恋……。愛のカタチはひとそれぞれ。十人十色の恋愛裁判傍聴記~

    ーーーー
    嫉妬や未練、暴走する片思いなど、その動機や行動は様々。
    傍聴していて被告人に共感できることもあれば、そのぶっ飛んだ思考回路に「???」となることも。
    往々にして、「自分が大好き」で、相手に傷つけられたちっぽけな自身のプライドを満足させるために犯行におおよんでいるケースが少なくないように感じました。
    著者も述べていますが、報道されるような「大きな事件」よりも、報道されないような(9割がたの事件がそうですが)小さな事件にこそ、社会の「今」が投影されているように感じました。
    人間の日々の生活から、些細なきっかけではずれてしまった人々の「ありのまま」が描かれています。

    ぶっ飛んだ人々の思考回路には、思わず失笑してしまう部分もありますし、「エンタメ」として楽しむこともできるのではないでしょうか。
    著者の目の付け所も面白いです。

  • 恋愛絡みの事件は身近な感じがするものもあるけど、理解の範疇を超えているものもあって、その思考の飛躍っぷりに驚かされる。

    印象的だったのは「骨を守る人」。事件そのものもびっくりだけど、著者の主観や想像が多少入っているとしても、こんな芯の強い人いるのか。
    骨はともかく自分に置き換えてみて、何とも言えない気持ちになった。

  • 法廷ノンフィクションなんていうと重々しすぎるし、恋愛事件簿、って言うとちょっと思わせぶりで、これは、映画にもなった『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』の原作者・北尾トロ氏が、いたってフツーな目線で裁判を見つめている、肩の凝らない裁判傍聴ものです。
    この本に描かれるのは、傍聴席を求めて行列に並ぶ必要などない、小さな事件ばかり。それもどこかしらに男女の恋愛だったり、夫婦の情愛模様が織り込まれています。

    「好き」という感情が暴走して罪を犯してしまうのか。あるいは、説明できない衝動的な行動を説明するのに「好きだから」という言葉を使ってしまうのか。

    とはいえ、トロさんの目線は普通のおじさんにしてはピュアというか、色恋や不倫のドロドロを覗きたいわけでもなく、痴漢や強制わいせつなどで道を誤った人たちを蔑むわけでもないところが好感持てます。

  • ★3.5くらい
    トロさんの傍聴記が読めるのは嬉しい

  • 背ラベル:327.6-キ

  • 普通の人が感情を大きく揺り動かされた(揺り動かした)ことで、事件にまで発展してしまうことがある。東京だけでも毎日たくさんの裁判が行われていて、その多くは報道されない世の中的には小さな事件。でも、犯罪を犯してしまうのには、その人が感じる大きな理由があるわけで。その理由は結局のところ周りの人には分からないのかもしれないけど、その感情の一端でも知るだけでも他人を理解できる幅が広がるのかなと感じました。

  • やることに迷いがなさすぎて、背徳感ってものが微塵も感じられないね。 被告人は同情するそぶりで生徒の気を惹き、思うままに操って欲望を満たしただけだった。 肉体を蝕む覚醒剤と違って、大麻は政治的、或いは経済的(タバコ農家や製造業者の利権を守る)理由から禁じられている面がありそうなのだ。 信じる気持ちが反転して憎悪となったのだ 滾るような恋の炎など最初から存在しかった。被告人が誰より愛しているのは自分自身なのだ。郷里に戻ったって、この男はやるね。怒りをぶつける相手は不甲斐ない自分であるべきだったと気づかない限り、きっとまた。 恋とか愛は何かしでかした時の免罪符になっている気がしてくる こうのとりのゆりかご 歯切れの良すぎる口調に底知れない冷たさを感じる 子育て能力がないと自覚していながら避妊も中絶もしない 何も考えず行動する夫と、思考停止の妻。 何かの事情で帰る家を失った人が、生まれた途端にホームレスにさせられた赤ん坊を助けたのだ。 この事件の罪状は強制猥褻だが、訴え出た動機としてはパワハラの部分が大きいのだ。 ジェラシーが憎悪と直結する犯罪者としての素質の高さが滲み出ている 性行為の強要などのDVが日常茶飯事になっていったという 平身低頭の構え 要旨を纏めてみる 足繁く拘置所に通ったのだ 装い 施され

  • 平凡な言い方だけど、まさに「事実は小説より奇なり」。
    犯罪行為にいたるまでのプロセスも人それぞれ。
    大なり小なりみんな自己中ではあるけれど、同情したくなるような事件もあれば、全くプロセスが理解できない事件もあり。

    個人的には『爆』業界の女性3人には幸せになってほしいな、と素直に思いました。

  • おもしろかった。恋愛感情が完全犯罪と遠いという理論は頷けて興味深かった。下手な挿絵と読めない字も合っている。中にはサイコパスな被疑者もいた。参考になるとは言えないが、なんというか、人間の本性、愚かな部分がよくわかる、普段は出会えない貴重な話が聴けた、と感じられる本だ。

  • anybody knows nobodys perfect love and peace

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著者プロフィール

本名、伊藤秀樹。1958年、福岡市生まれ。
小学生の頃は父の仕事の都合で九州各地を転々。東京都立日野高校、法政大学卒。 個人事務所(株)ランブリン代表。NPO法人西荻コム理事長。西荻ブックマークスタッフ。季刊ノンフィクション雑誌「レポ」編集・発行人。

「2011年 『【電子書籍版】昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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