天才はあきらめた (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 1643
レビュー : 220
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022619365

作品紹介・あらすじ

蒼井優さんとのご結婚おめでとうございます!
2019年6月6日、Amazon総合ランキングで1位に!

***

「自分は天才にはなれない」。そう悟った日から、地獄のような努力がはじまった。

嫉妬の化け物・南海キャンディーズ山里は、どんなに悔しいことがあっても、それをガソリンにして今日も爆走する。
コンビ不仲という暗黒時代を乗り越え再挑戦したM-1グランプリ。そして単独ライブ。
その舞台でようやく見つけた景色とは――。

2006年に発売された『天才になりたい』を本人が全ページにわたり徹底的に大改稿、新しいエピソードを加筆して、まさかの文庫化!
格好悪いこと、情けないことも全て書いた、芸人の魂の記録。
《解説・オードリー若林正恭》

感想・レビュー・書評

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  • 南海キャンディーズ・山里亮太さんの自叙伝。

    「天才はあきらめた。だけどその瞬間、醜い感情は一気に自分の味方になった。」(はじめに)

    山里さんは、嫉妬や復讐心をエネルギーにしたり、叱咤をバネにしたりできるタイプ。尊敬します。
    最近は「褒めて育ててください」なんて自分から言い出す新入社員もいるとか。
    山里さんの思考を学んでみるのもいいかもしれないですね。

    自分は凡才だと自覚したら、天才に近づくためにどう努力しなければならないか。
    たとえば南海キャンディーズが爆発的に売れ出す前のこんなエピソード。
    劇場でネタを見せていたころ、劇場の支配人が交代することになり、システムも変わることになった。
    劇場では各芸人がランク分けされていたが、評価のシステムが変われば、今まで評価されにくかった南海キャンディーズも上に行ける。これからは「1軍」に行けるな!と思えた。
    が、ふたを開けてみれば与えられたポジションは、下の「2軍」。
    以下、長めに引用。
    「恥ずかしかった。頭の中は、そこにいる1軍の芸人の悪いところをひねり出して分析して、なんだかんだ難癖付けて、自分は彼らに負けているわけではない……と無理やり自分を肯定するという最悪モード。
    ここで、『あぁいつものクズ山ちゃんが出てきた』と一言自分に言い聞かせた。そして、もうそのことは考えるのをやめる。そして、『これで無駄に時間使わなくて済んだ、俺って偉い』と褒めてから、このクズ山ちゃんが持ってきた気持ちの有効利用を考えることにした。
    1軍の人たちのウィニングランの会話や行動をじっくり見る。そして嫉妬の炎にガンガン薪をくべる。一番調子乗ってることを言ってる奴らをぶっ倒すためには、どの努力をしなくちゃいけないかを考える。イライラを使って、とりあえずムカついてるときにやることをたくさん決める。そしてそれをメモに取る。」(第4章 有頂天、そしてどん底)

    オードリー・若林正恭さんが解説で、山ちゃんを見ておれは悔しかった、と述べているように人並み外れた「怨念のパワー」がすごい。これは才能ですね。
    山里さんの仕事哲学が読めて、若林さんの解説も面白く、いい本でした。

  • オードリー若林君の帯文がすごく良かったです。面白い。
    山ちゃんのネガティブからのポジティブさというのか、不思議なパワーの生み出し方が彼の経験をもとに書かれていました。
    自らのクズ部分をうまいこと手懐けて、次に向かうパワーに変える力はかなり独特ですがすごいと思いました。
    ややこじらせている山ちゃん独自のやり方なので万人に受けるとは思いませんが、自分に言い訳しがちな人は一読の価値があるのではないかなと思いました。私には響きました。
    TVで山ちゃんがポロッと発言する面白い一言も何気なく言ったように聞こえるけれど実は鍛え抜かれたワードなんだなと思って感心しました。
    仕事の鬼ですね!!

  • 爽快だった。
    笑えて泣けた。
    ダメな自分を鼓舞し退路を断って徹底的に自分を目的に向かわせる。
    それをここまでやり続けるなんて。
    こんなにも自分を律して必死で努力して
    この世界に食らいついてきたのかと恐ろしくなる。
    自分がした酷いことも正直に隠さず書いて。
    (それがなかったら今は無い程の傷を山ちゃんも負っている)

    山ちゃんは証明した。
    サボらずに正しい努力を積み重ね続けた凡人は、
    持って生まれた才能など蹴散らして、
    いつしかなれるはずもなかった「天才」に手が届くと。
    自分が成りうる最強の自分に向かって
    山ちゃんは今日も爆進し続ける。

  • 書店の店頭で目に付いたファンキーなイラストの表紙。
    手にとってよかった。

    この本との出会いに感謝。

    そして山ちゃんに感謝。

    これまで好きでも嫌いでもなかったけど、一気に山ちゃんのファンになった。

    基本的に自虐的になったり他人をディスったりして「オレって最低な人間」を演じてるけど、キチンとした芯があって一貫している。めちゃくちゃ努力家。

    これ読む前は山ちゃんと同じく、仕事やプライベートで自分の思い通りにならないことを周りのせいにしてた。

  • 天才つながりで、今度はこの本を。山里さんのこれまでをご自身で振り返って書かれたものでした。山里さんはTVで見たことはありますが、あんまり深く知らない人。これを読んで、とてもエネルギッシュ、常に前に進んでいこうとする人なんだなと。熱い情熱とか気分の切り替え、驚くほど。テレビで世間に晒されるシビアな世界に生きるのも大変でしょうが、そして他の芸人さんと努力の比較ができませんが、力強さ、情熱、努力することでの天才であることを感じ、読んでいると自分は甘いか思ってしまう。努力努力努力で、多少なりとも影響を受けました。努力の部分だけでなく、ダークな面も書いていて、人間味も感じました。
    間違った方向でやってもダメだし、正しい方向を定めで、絶え間なく努力して成功を収めるのは才能ありだと思います。山里さんを見る目が変わりました。

  • 山里亮太。
    南海キャンディーズの山ちゃん。

    2006年に発刊された『天才になりたい』を改題して文庫化。
    2018年にはタイトルが『天才はあきらめた』に。

    ブクログでの評判が良かったので、読んでみた。

    文庫の帯はオードリーの若林君。
    「あの実力があって慕われていないとなると、よっぽど人望がないのだろう」

    笑ってしまう。
    でも、私の山ちゃんのイメージがまさにこれ。

    私が山ちゃんを知ったのは”M1グランプリ 2004”
    それまで全く知らなかった。
    そして、南海キャンディーズの漫才が面白いと思えなかった…

    ただ、当時珍しかった男女コンビで、しずちゃんのキャラが記憶に残ったこと。
    審査員の(誰だったか覚えていないのだが…)が、”山ちゃんの相方の女性への紳士的な対応が良い”というようなことを言われていたのが心に残っている。
    男女コンビではこういうタイプはあまりいなかったと思うから。

    南海キャンディーズは人気者となり、テレビで良く見るようになった。
    その後は、しずちゃんの女優、ボクシングでのオリンピック挑戦、コンビの不仲等々。
    漫才そのもので記憶に残っていない。

    この本を読んでみて…
    山ちゃん、ひどいよ~!
    南海キャンディーズ結成までの二人の相方。
    彼らへの山ちゃんの態度は、正直引いてしまった。

    山ちゃん自身、努力の人で、限界まで自分を追い込んでいた。
    でも、その追い込まれた心が、相方の心をボロボロにしてしまって…
    このエピソードを書きながら、山ちゃんはきっと自分自身と格闘しているだろう。

    普通なら隠しておきたい黒歴史を包み隠さず書いているところは脱帽!
    だから、引き込まれて読んだのだと思う。

  • ”なぜか自信があった毎日だった。それはきっと、自分の目指す道の詳しい状況がわかってなかったからだったと思う。夢という漠然としたものが、本当に踏み込む前に見せてくれる甘い部分”という部分が妙に印象に残った。見た目からのイメージで申し訳ないが、プライドがすごく高そうな山ちゃんなのに、ここまで赤裸々に過去を晒すのかという驚きだった。しずちゃんと組む前に、実は2回解散を経験していたことを本書ではじめて知った。氏も自ら猛省しているが、相方への対応がほんとに酷い。読んでいてすごく暗い気分になるし、氏に対して怒りや憎しみの感情まで湧いてきそうになる。変に言い訳せずにありのままを告白しているからこそ持った感情だろうけども。

  • オードリー若林のあとがきまで含めてよかった。自分の弱さを認めて、いかにして自分がサボらないように、努力し続けるようにいられるかを考え、全力で実行する。なんどもなんどもやり方を間違え、色んな人を傷つけ、自分も傷ついてそれでも「何者かになりたい」自分をあきらめない。あきらめないための努力もする。新卒1年目に読ませても面白いかもしれない。

  • 自分とは全く違う世界に生きる人の人生を追体験できるということも読書の醍醐味ですね。お笑いという一見生まれもっての才能が大きいように思える分野でも、ここまで徹底的な努力が背景にあるのかと驚きました。山ちゃん、ものすごい完璧主義ですね。

    心理状態の分析とその描写が秀逸で、気がつけば山ちゃんにシンクロしてしまっている自分がいました。山ちゃんは大学で心理学を専攻していたようですが、それも関係あるのかな?

    負の感情に押しつぶされることなく、それをガソリンにして努力を続けることができる山ちゃん…
    これを世間では天才と言うのでは?

    オードリー若林の解説も必読です!

  • 山里さんの凄い所は、きちんと自分を客観視できるという事
    誰でもダメな所はある
    自分本位の言動をしちゃったりする事だってあると思う
    でも、その時にいかに自分自身を客観視できるか。
    自分は周りからどう思わられるか
    周りに合わせるのではない
    でも、この世界は自分一人でできているわけじゃないから
    周りの人がいるおかげで自分がいるという事を忘れてはいけない
    自分の意見を伝える、その後にしっかりと相手の事も受け入れる。相手の意見も聞く。
    それが出来ないといつのまにか自分の周りから人はいなくなる。
    その時に自分を客観視できなければ、自分が悪いとは思わず更に周りを苦しめる。悪循環。

    山里さんはそれでも、それをエネルギーに変換している。
    悪循環の行動をしている人から受けたイライラをそうやって変換できれば、悪循環の連鎖はとまる。

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著者プロフィール

芸人。1977年生まれ、千葉県出身。漫才コンビ「南海キャンディーズ」のツッコミ担当。通称、山ちゃん。関西大学文学部卒。在学中に吉本興業のタレント養成学校NSC22期生になる。2003年に「しずちゃん」こと山崎静代と南海キャンディーズを結成。2004年にABCお笑い新人グランプリ優秀新人賞、M‐1グランプリ2004準優勝。2018年コンビとして初の単独ライブ「他力本願」を開催。著書に『ニュースがもっとよくわかる本』(池上彰と共著、海竜社)、『天才はあきらめた』(朝日文庫)など。

「2019年 『生! 池上彰×山里亮太 深読みニュース道場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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