文庫 安倍三代 (文庫)

  • 朝日新聞出版 (2019年4月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784022619617

みんなの感想まとめ

政治家の家系を辿ることで、安倍晋三とその父、祖父の歩みを深く掘り下げた一冊です。著者は、安倍家三代の政治的背景や影響を描き出しながら、特に安倍晋三に対する批判的な視点を持っています。先代たちの甘さが、...

感想・レビュー・書評

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  • 2025.09.26
    石破総裁の後任を決める総裁選の最中に読了。安倍晋三とその父、祖父のルポ。正直、朝日新聞の色が濃すぎてルポというより、弾劾の書。逆説的な言い方になるが、祖父、父の甘さ故に政界において登り詰めることができなかったことを3代目は体感していたから、総裁、総理になることができたとも読める一冊。2019年発行だが、安倍晋三の時代が遠くに感じるほど、政界の「劣化」はとめどもない。本書でも指摘されるが、政治の劣化は有権者の責に帰すべきでもあるはず。
    参政党の存在は安倍晋三と比較することがバカバカしくなるほど、ウルトラ右翼だが、国会で一定の議席を得るに至っている。

  • 三代ということから、母方の祖父、岸信介のことも書いてあるかと思いきや、がっつり父方三代でした。
    先々代の安倍寛、先代の晋太郎のことはよく書かれています。
    ただ、晋三のことはボロクソに書かれています。
    政治家も三代目までいくと祖父、父を超えたいという私情が前面に出てしまうことが起こり得るんだなということが、ある意味で恐怖でした。
    安倍総理の最後を考えると無念でしかありませんが、政治家としての安倍総理を尊敬できるかと聞かれれば、首を傾げてしまうかもしれません。

  • 晋太郎→晋三親子、晋太郎の義父が岸信介であることはよく知られているが、晋太郎の実父寛については全く知らなかった。とても興味深い人物ではあるが、晋三が触れなかった理由もわからないでもない。
    AERA連載の書籍化であり、安倍晋三に対して批判的に書かれているので内容的にバイアスもあるが、その辺に留意しつつ歴史解釈は捨象して事実関係だけを追いかけるだけでも面白い内容となっている。

  • わたしはリベラルを自負しており、当然安倍晋三という人物のことは嫌いであった。もちろんテロリズムを肯定するつもりはいっさいないが、その感情は亡くなった現在も変わらない。さて、ではその安倍晋三が長期にわたって内閣を率いることができたのはなぜなのか。その原動力はどこにあったのか。安倍晋三という人物をいくら毛嫌いしていても、歴史に残る長期政権を築いたことは事実なので、その人物像についてちゃんと学んでおく必要があるのではないか。そんな思いもあって、今回本作を手に取ってみた。本作はタイトルのとおり、晋三からみて父方の祖父にあたる安倍寛、実父である安倍晋太郎、そして晋三の3代にわたる政治家について、その人物像に迫ったノンフィクションである。個人的に印象に残ったのはまず寛。安倍晋三はいうまでもなくその右翼的な政策で知られているが、寛はそれとは正反対で、翼賛選挙にも抵抗するようなリベラルな気質で大層驚いた。あの晋三の政治姿勢とは似ても似つかない。ついで、晋太郎についても負けず劣らず印象的であった。晋太郎は大臣などを歴任し、首相目前とまで言われながら病に斃れたというのは知識として知ってはいたが、同時代ではないのであまり馴染がなく、今回学ぶことができてよかった。なかでも特筆すべきエピソードは、在日朝鮮人との交流である。生前の晋太郎は、在日朝鮮人と親しく接し、そのコミュニティからも支持されていたという。このエピソードもまた、ともすると排外主義的でさえあった晋三からは想像のできないことで衝撃的であった。さてそれでは肝腎の晋三はというと、これがなかなか印象に残らない。とにかく凡庸である。「凡庸で印象に残らない」ということがむしろ印象に残るような人物である。なぜあの祖父、父からあのような人物が生まれたかということが結局わからなかった。また、地元民の多くから語られる、祖父や父と比較して晋三を腐すような言葉も衝撃的。てっきり地元では熱く支持されているのかと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。こういったエピソードの数数を踏まえると、やはり安倍晋三という人物は一国の首相にふさわしいとは思えないし、そのような人物がじっさいに長きに渡ってトップの座にいたら、世の中は当然よくなるわけがないと思った。本作を読んで、わたしは安倍晋三のことがますます嫌いになった。

  • 世襲政治への疑義を軸に、安倍三代の系譜を追ったルポ。庶民目線を持ち、戦時中に反戦を唱えた祖父・寛やリベラル保守としてバランス感覚を持ち続けた父・晋太郎。2人の来歴を知ると、安倍晋三の言葉がなぜ自分に刺さらなったのか、その理由が分かりました。

  • めちゃくちゃ面白い。

  • ルポとして時代がたっても参照価値の続く名著だと思う。

  • 安倍晋三→岸信介の孫 はよく知られているが、安倍晋太郎の息子という印象は少ない。さらにその父 祖父に当たる安倍寛の名前は、ごく少数の人しか知らないのではないか?
    51で早逝したにせよ、三木武夫と親交を深めた政治家であれば、周囲はともかく血筋の政治家であればもっと口にしてもいいはず。
    3代目で身上潰すというが政治家にとっての財産は、地元との絆 思想 政治家としての知識経験ということになるだろう。
    政治学を学ばず、先達が残した遺産を尊重せず、憲法の解釈を浅はかな知識と表層的短絡的な思考で解釈を歪める負の遺産を残した我が国最長の政権を維持した政治家の評価は、後代、高まることはないだろう。

  •  

  • 世襲政治家の是非を問う本作。読む前までは、世襲について特に否定的な印象でもなかったが、読後は世襲議員やら比例議員で構成されている国会の現状に日本の将来が心配になった。
    戦時中に反戦を主張して翼賛選挙を非推薦で勝ち抜いた反骨精神溢れる祖父の安倍寛は、さぞや素晴らしい人格者だったのだろう。彼のような政治家が、またこの日本に生まれて欲しいと思う。

  • 安倍晋三に対して感じていた薄っぺらさを実証したルポルタージュ。父の安倍晋太郎が、「晋三は情が無いから政治家には向かない」といったというが、本文にはその件に関する直接な記載はないものの、安倍晋三の第三部いや全編を通して記載されている。

  • 著者は安倍総理の凡庸を嘆く以上に、世襲政治家達への反発が強いのだろう。

    世襲政治家達も極めて優れた立法・行政能力を持って入れば問題ないと思うのだが、そうではない為に問題となる。
    選ぶ方も選ばれる方も政治家は使い捨て、という感覚を持っておいた方がいいのではないか。
    選ばれた方は賞味期限が切れたら退いて別の生き方をする(その為には本業を持つ人が政治家になるべきであり、政治屋はいらない)、選ぶ方も賞味期限をかぎ分ける嗅覚を常に磨いておかなければいけない。

    安倍総理の地元でも少なくない人が実名で意見を述べている所に良心を感じた。

    祖父・寛の翼賛選挙を勝ち抜いた姿、父・晋太郎の異父弟の存在(知らなかった)、総理の兄のインタビュー等、読みごたえが多かった。

    紀伊国屋書店天王寺ミオ店にて購入。

  • 青木理をワイドショーで見て、「ジャーナリストとか言ってるけど、しょせんテレビコメンテーターでしょ」と舐めている人も多いかもしれない。かくいう自分が、つい最近までそうだった。見直すきっかけになったのは、死刑問題を扱ったノンフィクション「絞首刑」と鳥取連続殺人事件がテーマの「誘蛾灯」を読んだこと。「なめててごめんなさい」と謝りたくなるくらいおもしろかった。特に「絞首刑」はずーんと重い読後感があり、自分はこの本がきっかけで死刑廃止論者になったくらい。両作品とも、作品のテーマとなった事件に青木理自身が巻き込まれていくのが興味深い。取材対象と人間としての付き合いをしているから、そうなるんだろうなあと思ったりした。古き良き時代のノンフィクション作家の生き残りって感じ。

    さて、今作。第1部は、安倍総理の祖父・安倍寛の「反骨の志士」ぶりが、めちゃかっこいい。第2部の安倍晋太郎も味があっていい。安倍寛を誇る気持ちと、義父・岸信介への複雑な感情。二世議員としての屈託。実は地元下関の地盤は自分で開拓し、その中で在日朝鮮人と接点をもったこと。いい意味で昭和の政治家らしい懐の深さが目立つ。1部も2部も、青木理が取材対象に思い入れをもって書いているのがよくわかる。それが第3部の安倍晋三になったとたん、薄味になる。青木も文中で書いているが、取材を進めていくなかで取材対象に興味がなくったのがよくわかる。まあ、気持ちはわからんでもない。安倍総理が退任した後にでも、追補版をださないかな。

    山口で昔から安倍家を支持している人たちの証言が、興味深かった。みな口を揃えたように、「安倍晋三の政策は安倍寛・晋太郎と相容れないし、彼らと違って地元と接点がないから、思い入れもない」と言う。それなのに彼らの多くは、安倍晋三をいまでも支持しているようなのだ。たぶん土地に根ざすってこういうことだし、政治って政策じゃないんだよなあとあらためて思った。

  • 安倍の芯のない右であることの怖さを感じた。三代目のお粗末さは安部だけではないでしょ。政治となると怖いよね‼️

  • 寛と晋太郎の政治への意思の堅さと、自分自身の中の現状に対する脱力感が客観的に整理される良書であった。

  • 現在の安部晋三を作った経緯が分かり易く理解できた。祖父、父とそれぞれが歩んできた道や思想が違い、政治に対しての思いの温度差も感じられる。私も世襲を一方的に批判する訳ではないが、このまま階級が固定されるような社会に不安は覚える。才能や知識があっても、それをうまく表現するように立ち回らないと埋もれてしまうし、これは政治だけの話ではない。分かってはいるんだけど。。。

  • この国の総理大臣が憲法学の権威の教授も知らない、なんの理念も学生時代や社会人時代に醸成してこなかった薄っぺらい人だということがよく理解できた。そして、民主党政権の失敗で運良く総理になれてしまったことがよく理解できた。

  • 戦時中に反戦を唱えた祖父・寛。その志を継ぎ、リベラル保守の政治家として外務大臣を務めた父・晋太郎。学生時代の同級生、先生等誰に尋ねても、「凡庸ないい子」としか言われない現総理・晋三。何故、安倍晋三氏は安倍寛でなく、岸信介に寄って行ったのか?

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著者プロフィール

ジャーナリスト、ノンフィクション作家。1966年、長野県生まれ。慶応大卒業後、1990年に共同通信入社。大阪社会部、成田支局などを経て社会部記者。警視庁の警備・公安担当などを務める。その後、外信部勤務を経てソウル特派員。
2006年に独立し、フリーランスに。コメンテーターなどとしても活動。主な著作は『日本の公安警察』(講談社現代新書)、『国策捜査 暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』(角川文庫)、『ルポ 拉致と人々 救う会、公安警察、朝鮮総聯』(岩波書店)、『安倍三代』(朝日文庫)、『日本会議の正体』(平凡社新書)、『ルポ 国家権力』(トランスビュー)など。

「2024年 『ヤジと公安警察』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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