12万円で世界を歩くリターンズ [赤道・ヒマラヤ・アメリカ・バングラデシュ編] (朝日文庫)
- 朝日新聞出版 (2019年7月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022619761
感想・レビュー・書評
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一言に旅と言っても色んな形があるのだと思えた。自然が好きな自分にとってはお金と時間に加えて、元気な身体も旅に大切な1つの要素だと気づかされた。
いつかいつかになりがちだから予定を立てようと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
30年前に行った12万円の外国旅行を再現するという企画だが、プロローグに週刊朝日のデキゴトロジーというコラムのことが書かれていて驚いた。実は結構好きだった。そうなると、当時、「12万円で世界を歩く」もリアルタイムで読んでいたのかもしれない。覚えていないが。
30年の間のインフレにも関わらず、LCCの登場で、当時よりも安く早く旅ができてしまうというのは驚きだ。他方、当時と同じコースをたどろうとすると、定期バス路線の衰退などでかえって難しいというのもまた驚きだ。
本書では、赤道編、ヒマラヤ編、アメリカ編の後に、バングラデシュに住んでみるというちょっと毛色の変わった企画が載っているが、これが一番面白かった。ひたすら目標に向けて歩みを進めるという旅と違って、現地の人との交流があったりして落ち着く。また、ヒマラヤ編も興味をそそられた。この目でアンナプルナを見てみたい。 -
バングラディッシュが思ってたのと大分違う面白さ。
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日本がバブル経済最盛期の1990年に出版された同著者による「12万円で世界を歩く」で実施した旅を30年もの年月を経て再現した一冊です。格安旅行とか貧乏旅行とかで括られるバックパックスタイルの旅行(バックパッカー旅)では格安バス(できれば夜行)を乗り継いで予算内で目的地に向かうのをイメージしますが、LCCの普及で旅の地図が見事に書き換えられたと本書を読んで痛感しました。とくにアメリカ編ではグレイハウンドのアメリパスがなくなった旅の難しさを感じました。60歳を越えても変わらぬスタイルも旅を続ける著者の姿勢には感銘せざるを得ません。
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バスの衰退が寂しい。
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最初に下川さんを知ったのは黒田センセイの著書で『タイ語でタイ化』がおもしろいと言っていたから。
それからずいぶん下川さんの旅行本を読んできたけど最近はちょっと(ご自分でも言っているように)老いが感じられる。 -
ちょっと『脱出老人』に近いところもあるかな。
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バックパッカーのバイブルとして、12万円という予算で、世界各地を旅する様を描いた「12万円で世界を歩く」(1990年に出版)の著者が、約30年後の今、同じルートを旅した経緯をまとめたルポ。
本書では、東南アジア、ヒマラヤ、アメリカ合衆国、バングラディシュという4か国を対象に、この30年間で何が変わったのかが明確に示される点が面白い。東南アジアでは、LCCの台頭によって、12万円という予算を使い切ることなく、同じ旅をすることができたのに対して、アメリカでは物価の高騰もあれど、30年前に格安で利用できた民間バス会社の値上げによって、9万近い予算オーバーとなってしまったりする。
30年前の「12万円で世界を歩く」を知っている人は、リターンズとしての本書は非常に楽しめるだろうし、私のように知らなくても限られた予算でどこまでいけるのか、という点を楽しめる一冊。 -
数十年前と今とでは、世界各地の旅行事情はどう変わったのか、という比較は興味深いが、著者の高齢もあってかやや中途半端な企画になっている。LCCが一般化した今日、インターネット種々の利用も相まって、基本的に旅行費用は下がっており、"12万円リターンズ"の意味的にはその再確認に留まっているようにも感じた。最終章の現地暮らし体験がもっともユニークで、その路線で上肢した方が良かったかも。
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2019/08/11