おひとりさまの最期 (朝日文庫)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022619945

感想・レビュー・書評

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  • 死に対する心構えや在宅医療制度、介護保険のしくみなど現場の声を拾い上げた良著。
    助産師があるなら「助死師」があってもいいのでは、という意見に言い得て妙。
    家族がいるから施設に入れられてしまう、身寄りがない方が在宅支援しやすいなど現場でしかわからないことも指摘。
    家族次第で死に方が変えられてしまう、在宅看取りをしたくない、覚悟ができない家族が少なくない。
    尊厳死と安楽死の違い
    後見人は生きている間の支援で、死去後の始末、葬儀、遺言の執行などはしてもらえないという。
    終活の重要性を認識。

  • おひとりさまでなくても読んだ方がいいかも。で、「こういう死に方をしたい」とその時考えても、いざとなったらじたばたするのでも良いと作者は言っています。

  • 上野千鶴子さんが講演会やその他ご自身の著書で言われていることの総まとめ?

    講演会で紹介されていたで三国浩晃氏の「おひとりさまで逝こう」
    の方が読みやすかったかも

  • ・おひとりさまで在宅ひとり死はできるかという本
    ・介護される側がメインの本だが、介護する側の人にも為になる本だった。
    ・今は病院で長期入院できないので病院で死ねない、施設にも入れないので、政府は在宅死に誘導。高齢者も家で死にたい人が多いから好都合。
    ・おひとりさまは在宅で死ねるのか?→本人の強い意思、地域に訪問医療、在宅介護の環境があること、最後に介護保険限度額以上の負担をするお金(300万円位)があること、で可能。
    ・家族がいると家族が施設に入れたりするので、かえって家族がいない方が在宅死しやすくなってきた。
    ・本人のどこで死にたいかを折りに触れて確認することが大切だな、家族の生活も犠牲にしない程度で本人の意思を尊重したいなと思った。

  • 女性でも男性でも、今結婚していてもパートナーがいても、関係ない。明日は我が身。備えあれば、というが、どう備えていくか。きっかけとして大切なことを提示してくれている。
    家族が介護すればいい、という社会からはどんどん離れていっていることを認識して政策変わるべし。

  • 貯金も資産もない生活保護受給者であれば、一人で死ぬことに心配はない。
    むしろきちんと計画的に老後の資産を構成した「おひとりさま」は、かなりのお金がないと安らかに死ぬことは難しそうだと感じました。
    特に女性でおひとりさまの人は分布が極端に分かれていそうだから、生活保護レベルじゃないのであればガッチリ貯蓄していないとダメっぽそう…。

    ただ、この本が書かれた時代から社会制度はまた変わってきている。武蔵野市福祉公社が最初に導入したから「武蔵野方式」と呼ばれたリバースモーゲージ(不動産担保融資)も今はかなりメジャーになってきた。
    今後はいわゆる「弱者」ばかりを優遇するのではなく、この社会を支えている中間層も安心して老後を迎えられる社会になるといいなぁ…。

  • 自分の最期について急に不安になった。結婚はしているが夫は8歳年上。子どもはいない。夫は一人っ子。実の妹も結婚はしているが子どもはいない。頼ることができる次世代の身内はいないということ。
    不安がっていても仕方がないので対策をするための参考にと思い、この本を読むことにした。

    今回は興味がある章の抜粋読み。読み終えて。
    ・迷いつつ生きる
    『…なぜなら生き死にに正解はないと思うから。そして生まれるときや生まれ方を選べなかったように、死にどきや死に方も選べない、それを選べると思うのは、人間業を超えた傲慢、だと思うからです』
    →私自身は最善を尽くして生きていくだけ、以上。

    人生の先輩方がご自身の人生をかけていろいろな体験を残してくださっている。それらを元に現在の状況は自分たちで変えていくことができるし、社会や制度も変わっていく。だから、それほど悲観する必要はない気がした。

  • いろいろ調査したこととその考察はあるが全体を通しての有るべき流れが少し読み取りづらいかな。
    解説は良かった。

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著者プロフィール

上野千鶴子(うえの・ちづこ)東京大学名誉教授、WAN理事長。社会学。

「2021年 『学問の自由が危ない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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