イタリアの引き出し (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 85
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022620200

作品紹介・あらすじ

近所の高校生たち、海辺の風景、贈り物のベゴニア、特製薄焼きパン……ミラノやヴェネツィアの街角で、バールで、散歩の途中で著者が出合った鮮やかな一瞬一瞬を季節の彩りと共にスケッチした随筆60編。端的な文章で描かれた、多様な色と音の詰まった宝箱。

感想・レビュー・書評

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  • イタリアの生活の中での穏やかな日常を語るエッセイ、60編。
    単行本では写真が掲載されたそうですが、文庫版は無し。寂しい。
    1~5ページの短いエッセイには、様々な出会いがあふれています。
    ミラノ、ヴェネツィア、ニース・・・街角で、市場で、訪問して、
    出会ったのは、四季の折々の風景、食、多くの人々。
    ほんの日常の中、生活の一瞬にある優しさや穏やかさ、
    ちょっとした気遣いの情景に、心癒される感じになります。
    老若男女問わず、多くの結びつきが生まれていくのが、羨ましい。
    異国という場所で、著者の人柄もあるけど、女子学生との交流、
    いつもの席に案内してくれる給仕がいるレストランがあるのは
    素敵だなぁと思いました。
    でも待てよ?日本のうちの近所だって、挨拶を交わせる人がいる。
    行きつけの店では店主さんと情報交換したり、季節の移ろいを
    感じることも出来る。SNSでの出会いで繋がりも増えた。
    それらを大切にというメッセージもあるのかしらと、深読み。

  • 内田洋子さんのエッセイを読む度、その人脈に広さと深さに感嘆する。深く立ち入らないけれどその場限りではない、息の長い付き合いを多くの人と出来ているように思う。自分の生まれ育った場所ではない異国で、これだけの人間関係を築けるのは並大抵ではない。これはもちろん内田さんのお人柄、魅力によるのだろうが、やはり内田さんのイタリアへの熱い思いも大きく働いているように思う。今回は、日々の暮らしや食べ物、人々に関するエッセイを挿絵のような写真と共に収めている。文章だけでもその場の情景、息づかいを手に取るように感じられるが、小さな写真によって更に彩り美しい作品になっていた。イタリアに根ざした文化を季節の変遷と共に堪能できる素敵な一冊!

  • 本から良い匂いが漂ってくる
    鼻孔をつくほどの

  • 住んでいないと分からないことはたくさんあって、その中に文化の本質はある。
    イタリアの普通の生活では見落とし勝ちで当たり前なことを知ることは好奇心を呼び起こさせてくれるなあ。

  • イタリアの日常が切り取られたエッセイ。何でもない風景のはずなのに、なんか素敵だよね、イタリアって。

  • p.2020/9/25

  • 『世界の車窓から』『音のソノリティ』といった5分ほどのブリッジ番組が好きだ。ワンテーマをコンパクトに見せる裏側に、何日にも亘るリサーチや撮影の手間があったことを感じさせる。
    いつも短いエッセイが見事な内田洋子さんが、ミラノの四季をもっと短く、ひとときごとに切り取ったのが本書。「犬と散歩する速度」で見る、歳時記、風景、人。ときに見開きで終わっちゃうほど短い1篇1篇が、長くこの街で暮らし仔細に観察してきた人ならではの視点が感じられ、まさにあれらのミニ番組のようや豊かさ。
    「ずっとファンです」と著者にご挨拶して、どの本が好きかと問われたときに、すぐ答えられなかったことが悔やまれる。口だけと思われたかなあ。だって本当に、全部好きなんです。

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著者プロフィール

1959年神戸市生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒。通信社ウーノ・アソシエイツ代表。2011年『ジーノの家 イタリア10景』(文春文庫)で日本エッセイスト・クラブ賞、講談社エッセイ賞をダブル受賞。著書に『ミラノの太陽、シチリアの月』(小学館文庫)、『皿の中に、イタリア』(講談社文庫)、 『イタリア発イタリア着』(朝日文庫)、『十二章のイタリア』(東京創元社)、『対岸のヴェネツィア』(集英社文庫)、 『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』、『もうひとつのモンテレッジォの物語』(方丈社)、『サルデーニャの蜜蜂』(小学館)。翻訳書に 『パパの電話を待ちながら』(ジャンニ・ロダーリ著 講談社文庫)など。最新刊は『イタリアの引き出し』(朝日文庫)。2019年度ウンベルト・アニエッリ財団の<最優秀ジャーナリスト賞>受賞。2020年度ブックシティ財団、イタリア書店員連盟、本の行商人連盟の<金の籠賞>受賞。

「2020年 『デカメロン2020』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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