できない脳ほど自信過剰 パテカトルの万脳薬 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 88
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022620484

作品紹介・あらすじ

たいしてできもしないのに自信満々な人や、人よりできると思っている上司をよく見かける。実は、脳はうぬぼれやすいのだという。毎朝100~200本の学術論文に目を通す人気脳研究者が脳と科学の最新知見をつづる。占い師しいたけ.さんとの対談も収録。

感想・レビュー・書評

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  • ダニング=クルーガー効果(①能力の低い人は、能力が低いが故に、自分が如何に能力が低いかを理解できない。②能力の低い人は他人のスキルも正しく評価できない。③だから、能力の低い人は自分を過大評価する傾向がある。) 革新性と保守性は背反するベクトルではなく、別々の因子として共存できるのです。 「自分の思考について、その参照元を示せるのが一流。二流は借用であることを忘れている」 下劣な優越感が下地にある 自分の内面に宿った醜怪な自尊心に 結局のところ、プラセボ効果は、宗教と科学の境界線に位置する浮島だといってよいでしょう。 作るのも人、使うのも人_。心理性生物であるヒトが干渉しあう以上は、双方の丁々発止は今後も続くのでしょう。 退行実験とは時間を遡行させる誘導術のことです 過去の自分を現在の自分で味付けして未来の自分に託す 骨髄の栄養価は肉をはるかに上回ります ヒトという生物はメビウスの輪の快と不快を往来する性的倒錯(パラフィリア)なのです しょ緒に就いた 情動が枯渇していないことを「悲しい音楽に同情できる自分」の姿を通じて確認しているというわけです 未熟な心は孤独を好まない 「気が合う」とは、相手の意図を「言葉が発せられる前に理解する」ことだと言えそうです。 リズムこそが音楽の核です 人工甘味料がらいさん礼讃される陰で、無根拠に忌避されがちな砂糖が気の毒です。 このように第二の自分が出現する夢を「明晰夢」と呼びます。 死に逝く脳にみられる鮮烈なガンマ活動は、もしかしたら、脳からの人生最期のプレゼントなのかもしれません。 試験管培養した「脳」を生塵に捨てたら殺人罪に相当するのでしょうか 遺伝的原子人は低性能で使い物にならん 「人生が短いのではない。時間の大半を無駄にしているだけだ」 

  • 相変わらず面白い。日常で使えそうな知識もあった。
    学生のとき隣のクラスのメンバーが無個性で平凡な集団のように感じる錯覚に外集団同質性バイアスという名前が付いているのを知って興味深かった。
    最後の人工知能の話については、産業革命で古い職に就いていた人々が新しい職に移ったのと同じ構造だから悲観することはないという(他の本などでもよく見る)ロジックだが、あまり納得できなかった。確かに構造は類似しているが、本書にある通り今回機械(人工知能)が獲得しようとしているものはこれまで人間らしさの源と思われていた創造性や直感などだ。そうなった後で人間が人工知能よりも上手くできる仕事がなんなのかは未だよく分かっていない。産業革命のとき、例えば車の登場で仕事を失った馬の御者などは(自分がその職に就くか否かは置いておいて)当時の機械にはできない仕事というのは即答できたのではないだろうか。これまでに感じていたよりも、本書を読んだ後に悲観的な気持ちになった。ただ結論は本書と同じで、結局どのような変化にも対応できるようにニュートラルで柔軟な状態に自分を置いておくしかないのだろう。

  • 週刊朝日に連載していたエッセイの書籍化したものの文庫版。精神医学から脳科学や生物学など、様々なヒトの行動に関わる最新研究論文を紹介。結局は人間の性格や気分は自分の臓器の状態にかなりの比率で左右されるのだなあ、と改めて思うなど。やはり腸内環境は脳の活動や精神状態にとっても重要、と再認識。

  • おもしろ話題満載。ツイッターで見聞きしてきた内容も多いがそれらが一堂に会している。バイオフィードバックの発想はおもしろそう。血圧も常にモニターしていることで、自由に上げ下げが可能になる。脳波だって何とかなるらしい。スマホは細菌の温床である。それはそうだろう。いちいち消毒している人とかいるのだろうか。手は洗ってもスマホは洗えない。寝る前にも必ず触る。目覚ましだし。でもそれでいい。それで常在菌が私の身体を守ってくれる。100兆個の大腸菌のはたらきでも私の身体は守られている。個性は遺伝子だけで決まるのではなく、自分と共生している細菌のはたらきにもよる。いっしょに暮らして、同じものを食べている人とは他人であっても次第に似てくるものなのだろう。スマートドラッグとはいったい何なんだ。そんなものを使ってどうなるのか。楽して身に付けた知識はすぐ忘れる。「苦労を通じて身につけた知識こそが真に有益な知性に孵化するはず。」脳の活動を衰えさせないためにも水の補給は重要。ただし、お茶では利尿作用のためかえって水分不足になるので注意が必要。勉強の内容に興味を持つというより、興味のわいているときに勉強すると効果的。そして、夢や目標はいらない。好きに理由はいらない。好きこそものの上手なれだ。

  • 2021年3月8日購入。

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著者プロフィール

池谷 裕二(いけがや・ゆうじ)
1970年、静岡県藤枝市生まれ。薬学博士。現在、東京大学薬学部教授。脳研究者。海馬の研究を通じ、脳の健康や老化について探求を続ける。日本薬理学会学術奨励賞、日本神経科学学会奨励賞、日本薬学会奨励賞、文部科学大臣表彰(若手科学者賞)、日本学術振興会賞、日本学士院学術奨励賞、塚原仲晃記念賞などを受賞。現在、「ERATO 池谷脳AI融合プロジェクト」の研究総括を務める。主な著書に『記憶力を強くする』『進化しすぎた脳』『単純な脳、複雑な「私」』(ともに講談社ブルーバックス)、『海馬』『脳はこんなに悩ましい』(ともに共著、新潮文庫)、『脳には妙なクセがある』(扶桑社)などがある。


「2021年 『脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか 脳AI融合の最前線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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