- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022620521
作品紹介・あらすじ
アイヌ民族の愛すべき文化と、二風谷を舞台に著者の一族が経験した過酷な歴史……散逸するアイヌの民具蒐集に奔走し、また生涯アイヌの文化伝承に尽くした著者による半自伝的エッセイ。未文庫化の『イヨマンテの花矢 続・アイヌの碑』も収録した待望の復刻。
感想・レビュー・書評
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萱野茂『アイヌの碑』 | (続)さて何処へ行かう風が吹く
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朝日新聞出版 最新刊行物:文庫:完本 アイヌの碑
https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=23004詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アイヌ民族は文字を持たなかった。狩猟民族で土地の風習、神々との神話を持つ暮らしであった。
この程度の知識しかなく、馬鹿にするも何も、自分と同じ人間であり生まれの血筋で容姿の違いがあるのは互いに尊重認め合う事である…そう思っていた。
私の中にはイヌイットの人々にも興味があったし、樺太が戦争の対価となったこと、吉村昭の熊嵐の三毛沢からも、北海道やアイヌ民族にとても惹かれていた。
トに○を付けた発音はできそうで出来ない。
作者が大切に記録した家族との風景に触れて、アイヌの方々の辛かった時代に寄り添う日本になると良いなと思いました。
おばあさんの昔話が終わったら有難うのかわりに言うアイヌの言葉が印象的でした。 -
ウポポイで本書を買いました。
1899年にアイヌの人たちを日本国民に同化させることを目的に制定された北海道旧土人保護法。これが廃止され、アイヌ民族を固有の民族として法的に位置づけた「アイヌ文化振興法」が成立したのが、なんと約100年後の1997年
著者はまさにこの間を生き、アイヌ唯一の国会議員としてこの法律の制定に直接関わる。
ウポポイの成立も、この流れに沿ったものなんだと思います。本書を読んで、アイヌの受けた歴史と「民族共生象徴空間」の言葉が意味するものが理解できた気がします。
読後、著者の故郷である二風谷の資料館へ行きました。
巻末に解説している、萱野志朗氏がいらっしゃいました。ぜひ二風谷への訪問もおすすめしたいです。
「カント オㇿ ワ ヤク サㇰ ノ アランケプ シネプ カ イサㇺ」
(天から役目なしに降ろされたものはひとつもない) -
アイヌ通史などの文献では分からなかったむき身の感情が感じられ、泣けてしまう描写もありました。
自叙伝なので偏りはある、と思いつつ
自叙伝だからこそ身につまされる内容があるのも事実。 -
東2法経図・6F開架:382.1A/Ka98a//K
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北海道の二風谷でアイヌとして生まれ、若い時分はアイヌである事を厭いながらも、民族の言語・文化を後世に残すため活動した萱野茂氏の名著。
同化政策や差別、無理解に対して地道に戦った様子が分かるとともに、語り口の柔らかさが印象的である。
著者プロフィール
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