- 本 ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022620873
作品紹介・あらすじ
“わかりやすさ"の妄信、あるいは猛進が、私たちの社会にどのような影響を及ぼしているのだろうか。「すぐにわかる! 」に頼り続けるメディア、ノウハウを一瞬で伝えたがるビジネス書、「4回泣ける映画」で4回泣く人たち……。「どっち」?との問いに「どっちでもねーよ! 」と答えたくなる機会があまりにも多い日々。私たちはいつだって、どっちでもないはず。納得と共感に溺れる社会で、与えられた選択肢を疑うための一冊。
感想・レビュー・書評
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世の中の物事は複雑で、自分の頭の中も複雑なのだから、その複雑な状態を簡単に手放して、わかりやすく考えてみようと強制してくる動きにからめとられないようにしよう。
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ル・ボン『群衆心理』 2021年9月 (NHK100分de名著)★3詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
わかりやすいは正義なのか?
と言う疑問を最初から最後まで滔々と説明してくれるのをこの文章は何が言いたかったのかを理解するのに何度も読み返しながら時間をかけて読了。
送り手の幅を読み手がそのまま受け取ろうとすると
文庫一冊ぐらいになって当たり前だろう。
要約しない。
出されて来た選択肢を是としない。
常に心掛けようと思います。
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3年半経っての文庫化。確かに当時、本の要約などいろいろ、わかりやすさや簡単に知ることができる、的な発信が多かった気がする。ちょっと前だが筆者の主張を知りたい
#わかりやすさの罪 (文庫)
#武田砂鉄
24/1/10出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
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簡単にわかりやすさを選ばないで、違和感やわかりにくいというところを大事にしよう。というのでこの本も最後に結論という章は無かった。
武田氏の感じるモヤモヤ感は共感できるところも多いが、そもそもが誰かに対しての反論で構成されているような本書、そこがちょっとスッキリしなかった。 -
決して読みやすい本ではないが、大事なことが書かれてあると思う、
分かりやすいを疑うことから始めよう -
普段、仕事は分かりやすく話すように伝えていましたが、この本を読んで、全てを分かりやすく簡潔に伝えることは果たしていいのかと考えさせられました。
自分の立場だけではなく、様々な立場から考えたとき、誰しもが同じ考え方ではないなぁと思いました。 -
朝日新聞出版から出ている雑誌「一冊の本」に二〇一八年から二〇二〇年まで連載されていたコラムをまとめた本。テーマは書名の通りで、連載当時に世の中で流通していたわかりやすい言説に対して著者が疑念なり考察なりをめぐらせていく。二〇二四年の文庫化にあたり各章に「いま思うこと」という付記が加わっている。書かれている対象はさまざまで、池上彰の『わかりやすく<伝える>技術』だったり川口俊和の『コーヒーが冷めないうちに』だったりするのだけれど、どちらも電車内の広告や書店で平積みされているのをチラッと見る程度しか馴染みのない(なんだか嫌だなこういう本は、と感じるだけで、手に取ろうとは全く思わなかった)自分には、まあそういう内容だろうな、仮にああいう本を読んだとしても、という感じだった。読み応えのあったのは、著者が文芸誌の編集者をしていた頃新人賞の応募作をひたすら読み続けていた話から始め、流行りの音楽に話題をすべらせつつ、ベタな共感を目指す創作姿勢に疑問を投げかける13章。一冊の本をページごとに分担して読み発表しあうという、よくある読書会のスタイルに、それって本を読むより、その場にいる人と繋がることを優先してない? と疑念を呈する23章。そもそも未知の新型のウイルスだから、どうしたらいいかわからないのに、それにわかりやすい説明を求め続ける人々と、わかりやすい説明を提供しようとする側の両方とも変なのでは? という「おわりに」。推し活って、とにかく推し続ければいいのだから迷わなくていいし、スッキリしてるし、楽しいんだろうけど、そんなわかりやすく誰かを、何かを、推し続けていいの? という「文庫版によせて」。実務上では、限られた時間の中で会議をしてとりあえずの結論を出して仕事をせざるをえないけれども、いや、でも、自分は、そんな簡単に結論や方針なんか出せないもんね、という気持ちでこれからも生きていきたい。
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細谷功さんの「具体と抽象」で、「分かりやすさってそんなに大事か?」と感じていたので、タイトルが気になって手に取ってみた。
職場の上司とかで「俺にわかるように、短時間で説明しろよ」という人がよくいると思うんだけど、そういう人に対するモヤモヤとかが背景にある。
偉い人は忙しいし、結論だけで良いというニーズも分かるのだけど、内容によっては結論に至った経緯とか微妙なニュアンスとか伝えたい時もあるって話。
【総評】
基本的なスタンスには共感するけど、ちょっと自分には合わなかった。具体的には「分かりやすさに対するアンチテーゼの本だから、この本はわかりにくくても良い!」という開き直りが垣間見えるところとか。ただ、良い意味でキャラは立っていて、そういう人なんだな、というのはよく分かる。
【内容について】
本の要約サービスに対する著者の怒りは理解できる。
でも、自分はYouTubeの要約チャンネルを見ている。見る側の理屈で言うと「読む本を選別する」という観点で有益なのは確か。(タイトル詐欺なども多いので)
自分が今書いているこの感想も、要約行為には変わりないんだよなぁとか考えたりする。
でも読んだ本の中身なんて正直すぐに忘れちゃうから、思い出すのに役立ってるのは確か。
中身をまとめるというより、読んだ時に考えたことや感じたことを書いとくとより良い感じなのかもしれない。
【印象に残った部分】
・こっちが理解できるもんを出してくれという生ぬるい受動性と、こっちはそっちも理解してますから、という身勝手な能動性
・大切なことは、「こんまり化する民主主義と差し出された本をそのまま信じるのではなく、自分の中で民主主義がこんまり化しているかもしれないと考える主導権を持ち、目の前にある偶然を確保する姿勢」もしかしたらそうかもしれない、という偶然を、他社に委ねすぎなのではないか。
・検索できるのは自分の知っていることのみ。そうならないよう、検索未満のうっすらとした記憶や興味を特定の場所(本屋)を徘徊することによってかたちにしたい
著者プロフィール
武田砂鉄の作品





