帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い (朝日文庫)

  • 朝日新聞出版 (2024年6月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784022620989

作品紹介・あらすじ

性奴隷か売春婦か。両者の主張の矛盾を突きつつ、解決への「第三の道」を提案。第27回アジア・太平洋賞特別賞、第15回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞受賞作の文庫化。文庫化に際し、高橋源一郎氏による「記憶の主人になるために」を収録。

みんなの感想まとめ

この作品は、従軍慰安婦問題に対する多角的な視点を提供し、歴史的な背景や当事者の証言を通じて、その複雑さを明らかにしています。著者は、強制連行の有無や、当時の社会状況、さらには慰安婦が抱えた苦悩を丁寧に...

感想・レビュー・書評

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  • 朴裕河『帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い』朝日文庫。

    第27回アジア・太平洋賞特別賞、第15回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞受賞作の文庫化。

    何度、日本政府が謝罪しようと、賠償金を支払おうと、政権が交代する度に国民の人気集めのためか、繰り返し抗議を続ける韓国政府。そもそも従軍慰安婦の強制連行があったのか、従軍慰安婦は職業的な売春婦だったのか、様々な文献や小説、慰安婦からの様々な証言を集め、二国間に根強く残る問題に斬り込む。

    結局のところ、慰安婦からの証言は様々で、慰安婦になる過程も間に業者が入っていたり、軍の募集に対価を得るために応募したりと様々で明確な答えは無いようだ。

    戦争という異常な環境下で、性暴力を始めとする人権侵害が今も続いていることだけは事実なのだろう。

    本体価格980円
    ★★★★

  • 編集長の冒険 » 朴裕河さんの起訴をめぐって | かもがわ出版(2015年11月21日)
    https://www.kamogawa.co.jp/~hensyutyo_bouken/?p=2055

    「帝国の慰安婦」朴裕河氏、安堵の表情「正しい判決が出た」…仏像判決には韓国仏教界から反発も  : 読売新聞(2023/10/27)
    https://www.yomiuri.co.jp/world/20231027-OYT1T50122/

    「帝国の慰安婦」無罪判決を突き放す韓国メディアのロジック 根深い先入観「被害者をおとしめた」<特派員の眼>:東京新聞 TOKYO Web(2023年11月15日)
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/289713

    日韓関係悪化の責任は両国のリベラルにもある | | 朴裕河 | 毎日新聞「政治プレミア」(有料記事2022年8月16日)
    https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20220815/pol/00m/010/004000c

    日韓歴史問題の「解決」より記憶の共有を 尹政権の評価は? 朴裕河・世宗大名誉教授に聞く:東京新聞 TOKYO Web(2023年6月21日)
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/257937

    (インタビュー)日韓、未来に向けて 日本文学研究者・朴裕河さん:朝日新聞デジタル(有料記事2024年2月22日)
    https://www.asahi.com/articles/DA3S15869347.html

    朴 裕河 - Webcat Plus
    https://webcatplus.jp/creator/309698

    朝日新聞出版 最新刊行物:文庫:帝国の慰安婦
    https://publications.asahi.com/product/24839.html
    (単行本)
    https://publications.asahi.com/product/16443.html
    -----------------------------
    (yamanedoさん)本の やまね洞から

  • 読み始めるのは気が重かったが、超面白くて、半端ではない良書だった。
    慰安婦問題については、「戦時中、日本は悪いことしたんだから、いくらでも韓国に謝罪を続ければいいんじゃん」くらいの認識だったが、理解が足りなかった。
    本書では、次のような事実が指摘される。
    日本軍による強制連行は証拠がなく、むしろ韓国人の業者によって貧困女性が騙されたり、自発的に動員されたケースが多かったこと(当時植民地支配されていた韓国は宗主国である日本に積極的に愛国心を示していたが、前後、そのような記憶は抹消された。)、日本や軍は性病予防のための管理をしていたこと、もともとからゆきさん、日本人慰安婦の代替として韓国人慰安婦が募集されたこと、少女というイメージが強いが少数で実際は20代が多かったこと、慰安婦は軍人と同じく戦争遂行のために命を捧げたが、軍人のような補償がされなかったこと、日韓国交正常化の際に日本からの個人への賠償提案を韓国が拒否したこと、そのため日本では形式上基金を通じた実質賠償を試みたが、韓国の支援者は、法的責任を認めていないことを非難し(立法がない以上、法的責任はないし、時代的な制約もあった)、慰安婦当事者を置いてけぼりにして、〈日本社会の変革〉を目指して日本の対応に反対したが、そのような活動は成功していないこと(それでも60人が賠償を受けたこと)、挺対協は挺身隊と慰安婦を勘違いしていたが、それを訂正しないまま利用していること、アメリカを巻き込んで国際的な人権問題に広げたが、それだけに被害の個別性がぼやけて出口が見つからなくなったこと。
    このような拗れ方は、どこかで見たことがある。右翼からも左翼からも本書が攻撃されることがうなずけるようなフェアネスが光る。また、帝国主義や冷戦構造が問題であると指摘するのも正鵠を射ている。
    何よりも著者が本書を慰安婦当事者のため、ひいては日本と韓国の和解のために書いているのが素晴らしい。

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著者プロフィール

1957年ソウル生まれ。韓国・世宗大学国際学部教授。慶應義塾大学文学部卒業、早稲田大学大学院で博士号取得。専門は日本近代文学。ナショナリズムを超えての対話の場「日韓連帯21」に続き「東アジアの和解と平和の声」を立ち上げ、市民対話の場づくりに取り組んでいる。著書に『反日ナショナリズムを超えて―韓国人の反日感情を読み解く』『和解のために』『帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い』『引揚げ文学論序説 新たなポストコロニアルへ』など。夏目漱石、大江健三郎、柄谷行人などの韓国語翻訳も出版している。

「2017年 『日韓メモリー・ウォーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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