人口減少社会という希望――コミュニティ経済の生成と地球倫理 (朝日選書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022630018

作品紹介・あらすじ

C0330【社会科学/社会科学総記】人口減少はこれからの日本にとって希望ある転換点ではないのか。大佛次郎論壇賞ほか数多くの受賞歴をもつ著者が、人類史のなかに人口減少社会を捉え直し、成長・拡大路線から脱し、持続可能な福祉社会に向けてコミュニティ経済を提言する注目の書。

感想・レビュー・書評

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  • 人口減少があたかも悪いことにいわれるが、歴史的にみると今までが異常であったという状況の説明がある。さらに、稲毛の商店街の車での断絶の写真もある。
     教員養成系大学でも今までは、教員を育てるということだけであったが、これからは、育った教員をリカレントではなく休ませて、価値変換を考えることが出来るようにさせる、ということが重要であることを指摘した本である。

  • ふむ

  • やっぱり広井さんは素晴らしいと思う。
    私もできることなら、そのようにありたい。

  • 社会

  • 【由来】
    ・天野祐吉の「成長から成熟へ」のP195で紹介。
    ・「経営戦略全史」の「ワーク・シフト」のamazon関連本で出てきた。

    【期待したもの】


    【要約】


    【ノート】

  • ・江戸時代後半の人口は3000万人強でほぼ安定していたが、明治維新以降、
     急激に人口増加が起こった。

    ・ヨーロッパは、持続可能な福祉国家と呼べるような成熟社会を志向。

    ・現在は、人類史の中での「第3の定常期」への移行

    ・対人サービスは、本来的にローカルであり「地域で循環する」という性格をもつ。

    ・子どもと高齢者は「地域密着人口」と呼べる。今後はこの人口が増える。
     地域、ローカル経済が今後存在感を増す。

    ・神社(8万1千)お寺(8万6千)ローカルコミュニティの中心としての鎮守の森。

    ・祭りが活発な地域には、若者がとどまったり、戻ったりする。

    ・3大政党+緑
     1)保守主義 2)自由主義 3)社会民主主義 4)環境保全

    ・15歳~30歳 後期こども世代への支援が空白。

    ・環境や自然と一体になった健康政策。

    ・ヨーロッパ 歩いてゆっくり過ごせる街から生まれる「コミュニティ感覚」

    ・古事記で描かれた物語、神話の大部分は中国起源のもの。
    ・古事記をめぐる三層構造:縄文的、弥生的、律令的国家

    ・近代科学は、自然支配、要素還元主義によって特徴づけられる。

    ・「地域への着陸」時代たる人口減少社会は、死、老い、病といったものを、
     ゆるやかに地域コミュニティの中に戻していく時代。

    ・二宮尊徳は、神、仏、儒の調和を意識的に追求した。

  • 『人口減少社会という希望――コミュニティ経済の生成と地球倫理』
    著者:広井良典
    ISBN:9784022630018
    定価:1512円(税込)
    発売日:2013年4月10日
    判型:四六変判 並製 280ページ
    シリーズ:選書;899

     私たちが直面しつつある「人口減少」の問題は、一見すると、21世紀の日本社会のあり方に暗い影を落としているように思われる。しかし、人口減少とははたして悲観すべき事態なのだろうか。それはむしろ希望ある転換点、真に豊かで幸せを感じられる社会への格好の入り口ではないのか。
     明治維新以降あるいは第二次世界大戦後の日本人は、経済成長・拡大路線をひたすら走り続けてきた。人類史のなかで第三の定常化社会というサイクルに入りつつある今こそ、社会のあり方も人々の心のあり方も大きな転換を迫られている。せわしない「上昇」からゆったりした「成熟」へ、右肩上がりを求め続ける経済社会から持続可能な福祉社会へ。そのとき必要な、地域でのコミュニティ経済、そして人間を支える地球倫理……。大佛次郎論壇賞ほか数多くの受賞歴をもつ著者が、これからの人口減少社会に必要な政策や価値原理をさぐり、成熟した定常化社会の実現をトータルに提言する注目の書。
    http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=14836


    【目次】
    はじめに/人口減少社会という希望 

    第I部…人口減少社会とコミュニティ経済――ローカルへの着陸 
    1.ポスト成長時代の価値と幸福 
    2.コミュニティ経済の生成と展開 
    3.ローカル化が日本を救う 
    4.情報をコミュニティの進化 
    5.鎮守の森・自然エネルギーコミュニティ構想 
    6.福祉都市または人間の顔をした環境都市 
    7.環境政治の時代――3大政党プラス“緑"へ 
    8.緑の福祉国家あるいはエコソーシャルな資本主義 

    第II部…地球倫理のために――科学・宗教・福祉またはローカル・グローバル・ユニバーサル 
    1.「自己現実」と「世界実現」 
    2.「古事記」と現代生命論――アジア/地球に開かれたアイデンティティに向けて 
    3.「成長のための科学」を超えて 
    4.「もうひとつの科学」とは可能か 
    5.統合医療の意味 
    6.日本の福祉思想――喪失と再構築 
    7.地球倫理の可能性 
    8.自己形成的な自然――地球倫理と宇宙 

  • グローバル定常型社会の読了をうけて、
    広井さんの本2冊目やったなー。
    1冊目の「人口減少社会という希望」はいつ読み終わったっけなー。
    と思ったら読み終わった日を明示してなかったでござる。
    いつやったんかなー。
    たぶん半年くらいまえやなー。

  • 必要なタイミングで自分の前に現れてくれた本。「自己実現」に対しての「世界実現」というキーワードに「おっ!」と視界が広がった感覚を覚えました。もっとも地域の人口減少の問題から始まって宇宙論の人間原理まで取り上げる視点は多岐に渡り、まさにマルチユニバース状態を呈していますがそれこそが魅力でした。どんどん脈絡がないテーマに脈絡が生まれてくるところが、遺伝情報とは違うネットワーク知みたいなもの?本書を手に取った理由もレトリカルな書名にあるのですが、それは奇をてらったものではなくストレートなテーマだったりします。ということでタイトルって大切ですね。まずは興奮のままに。

  • 人口減少社会に対して、定常型社会(成熟社会)化した新たな資本主義モデルが必要であり、その例としてコミュニティ経済実現の必要性を筆者は説く。

    ところまではよく分かったのだが、その後の話が飛躍しすぎて社会学・地域コミュニティ論を大きく飛び出している。着想(神話体系→日本のナショナリティが世界に拓かれたもの)というのは面白かったが、おそらく専門家からは相当批判されそうな気がする。

    色々と考える示唆に富むという点で評価4

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著者プロフィール

広井 良典(ひろい・よしのり):1961年生まれ。京都大学人と社会の未来研究院教授。専攻は公共政策、科学哲学。環境・福祉・経済が調和した「定常型社会=持続可能な福祉社会」を一貫して提唱。社会保障、医療、環境、都市・地域等に関する政策研究から、ケア、死生観、時間、コミュニティ等の主題をめぐる哲学的考察まで、幅広い活動を行っている。著書『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書、2009年)で大佛次郎論壇賞受賞。『日本の社会保障』(岩波新書、1999年)でエコノミスト賞、『人口減少社会のデザイン』(東洋経済新報社、2019年)で不動産協会賞受賞。他に『ケアを問いなおす』(ちくま新書)、『ポスト資本主義』(岩波新書)、『科学と資本主義の未来』(東洋経済新報社)など著書多数。


「2024年 『商店街の復権』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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