東大で文学を学ぶ ドストエフスキーから谷崎潤一郎へ (朝日選書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 64
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022630209

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学評論随筆その他】東大生に人気の授業を単行本化。『罪と罰』は残酷な物語でありながら何故読み継がれているのか。谷崎潤一郎はどのように『源氏物語』をもとに『夢の浮橋』を書いたのか。小説家だからこそ読み解ける小説のつぼ。学生の課題リポートも掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 谷崎潤一郎が好きな私は,この表紙の顔に出会えば買わざるをえない.最後の谷崎潤一郎の「夢の浮橋」論だけ読む.「夢の浮橋」は源氏物語の最後の帖だが,その題に込められた源氏物語との二重構造を読み取る手際はさすがプロ.感心させられた.

  • 小説とは何か、文学とは何かと今までに問われ答えに窮していたが、この本のおかげで少しは答えられるようになったと思う。名作の名作たる所以はそのオリジナリティにあるのではなく、古典から脈々と受け継がれる人間の内面の物語、筋書きのパスティーシュの巧みさにあるのだ。

  • 源氏物語を読んでみたくなった。
    古事記→旧約聖書、源氏物語→新約聖書という著者の解釈が秀逸。

  • プルーストて嫉妬の文学だったんすね。

  • 『東大で文学を学ぶ』
    辻原登

    ……小説の中から何かを教えてもらうとか、教訓を得ようとか、そういうことをしてもほとんど意味がありません。……小説は、われわれの見る夢である。たとえそれが現実と似ていても夢である。……ですから、小説というものは頭で読んでもわからない。背筋で読む。(p78)

     小説に意味を求めない。頭で理解しようとしない。背筋、それはプロットとも考えられる。夢を見る器官と同じところで小説は読むということ。

     ここで、『古事記』を『旧約』に、『源氏』を『新約』になぞらえてみるのも面白い。(p225)

     はっとさせられる。なるほど。

  • 古代中国の「志怪」と言われる伝奇小説群、「遊仙窟」、「古事記」、ドストエフスキーの「罪と罰」、源氏物語、谷崎の「夢の浮橋」を解題。小説が何ゆえ、通俗小説ではなく、文学作品なのか、ルカーチ「小説の理論」、横光利一の小説論「純粋小説論」などからの展開も興味深い。「純文学とは偶然を廃すること!」(横光)とは確かに通俗小説化の印象を避けるためには重要だと思う。「偶然はたちまち感傷に変化してしまう」そして「純文学作家達は真理性とか必然性という概念にしばられ、客観的世界と思いながら実は不具な抽象的世界に這入りこんでいる」(小林秀雄)とは言いえて妙。感傷の何が悪いの!ということか。大賛成。現実に世の中では偶然は多くあり、それが感動を多く招いている。そして文学では父殺しが隠された共通のテーマだという。なんと源氏物語でさえ。それを谷崎「夢の浮橋」を対比させることにより、納得できる。最後に和歌を「五 七五 七七」ではなく、「五七 五七 七」と詠むことで歌の力が出てくるとの言葉。(P242)これからはぜひ試してみよう。

  • どこを読んでもおもしろすぎる。ひさびさに楽しい講義を聴いてる感じだ!感謝!

  • やはり谷崎はすごい。

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著者プロフィール

1945年生まれ。90年「村の名前」で芥川賞を受賞。『飛べ麒麟』で読売文学賞、『遊動亭円木』で谷崎賞、「枯葉の中の青い炎」で川端賞、『許されざる者』で毎日芸術賞受賞。著書多数。

「2016年 『松尾芭蕉 おくのほそ道/与謝蕪村/小林一茶/とくとく歌仙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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