アサーションの心 自分も相手も大切にするコミュニケーション (朝日選書)
- 朝日新聞出版 (2015年4月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022630315
作品紹介・あらすじ
【哲学心理学宗教/心理】自己表現を非主張的、攻撃的、アサーティブに分けて自分を伝えるための技術として考えられがちなアサーションだが、「伝える技術」の先にあるその心とは──アサーションを導入・普及した著者が語る、アサーションという生き方。
感想・レビュー・書評
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daigoさんのYouTubeチャンネルで、アサーションというものを知り、まさに自分に必要な考え方だと思い、読んでみた。
私は、自分の気持ちを言葉で表すことが苦手だ。特に怒ったとき、傷ついたとき。パートナーには、素っ気なくし、一体どうしてほしいのか、わからないような態度を取り、困らせる。そのような態度を取っているとき、自分もすごく疲れてしまう。最後には、泣きながら気持ちをぶつける。
始まりは小さな事だったのに、伝えるまでの時間やエネルギーを無駄に使っている。
この本でいうところの、私は「非主張的スタイル」に当てはまる。
伝えるときの方法が、具体例とともに解説してあり、とても参考になった。本の通りにうまくいかないだろうけど、どういう考え方をもって、対処していくか、頭の片隅にあるだけで、とても心強い。日々日々、試していこうと思う。 -
自分も相手も大切にしたコミュニケーションを日本に広めた著者による、アサーションの「心」を探究していく著書。
「自分だけアサーションを理解していても意味がない」「現実の様々な場面では中々使いづらい」といった声に耳を傾けた著者は、アサーションが、単なるコミュニケーションスキルの一手法に留まっているのではなく、人権などの社会的背景や感情などの心理的背景をつぶさに重ね合って、自分らしい生き方を見つけていくためのものであるということを強調している。
相手に自分の要求を飲ませる方法であったり、相手からの要求にきっぱりとノーを突きつけるための方法がアサーションというわけではない。
自分の感情を誠実に伝えるためのちょっとした工夫によって「自分が変わる」ことにより、相手との関係も少しずつ変えられるかもしれない、という意識をもつことが大切だと思った。 -
日本でアサーション導入の背景なども詳しくかいてあって興味をもった。欧米では「人権」という概念で多様な理解しあえない人々のなかで生きるにあたって自分の身は自分で守るという発想があるが、日本では「私は相手を思い、相手は私を思うことで、お互いがよい人間関係を結べる」という発想から、人権という概念が日本においては攻撃的性質をもつなど興味深かった。
アサーションそのものは「DESCL法」、状況を描写し(describe)、自分・相手の気持ちを表現し(emotion)、方法を提案する(specify)。それに対する相手の選択(choose)を聴く(listen)。ということで、理解ができれば、いたって平易である。
ただ、思ったことというか、改めて気づかされたことは、この方法は相手がアサーティブな人、少なくとも普通の人でないと意味をなさない。ハラスメントを起こすような人に対してはDESCL法はまったく歯が立たない。 -
相手も大切、自分も大切。
では、どうすれば?が具体的な例を挙げて書かれている。
自分は、会話してすり合わせて、お互いに良いところを探ることが出来ていない。
学ぶことが多かった -
攻撃的でも非主張的でもない、生き方としてのアサーションについて書かれた書籍。
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忙しい人は最終章だけでも…
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著者は臨床心理学者であり、日本にアサーションを紹介した第一人者であられる平木典子さん。
他者も自分も尊重したアサーティブなコミュニケーションはとても素晴らしい。
嫌われるかもしれないから言いたいことが言えない、空気を読まなければいけない…という人が多い日本で、もっと広まって欲しいなと思うコミュニケーション術です。
自己表現のスタイルは3つ。
非主張的、攻撃的、アサーティブ。
それぞれ分かりやすく紹介されています。
すぐ日常的に取り入れられるかと言ったら…
相手の態度にもよるでしょうからなかなか難しいとも思いますが、目指したい人との関わり方です。 -
相手を操作しない話し方を調べて。
私は今、相手を操作しない話し方、話の聴き方を調べています。
その参考として、アサーション、アサーティブネスの本を当っています。
この本のタイトルは、大喜利です。
アサーションの心とときまして〜・・・。
アサーティブネスの古典、「第四の生き方」も参考文献に書かれていました。
P76
・アサーティブの発祥
人間性回復運動1960〜1970年代
人種差別、女性差別などによる人権侵害が考えられていた頃にまで遡る。
性差別撤廃・男女同権を促進するためにアサーティブは貢献した。
第四の生き方も読んでみて、この本を理解する上で参考になりました。
ビックリしたのが、「女性のための」と強く書かれている所でした。
やっぱり時代背景も色濃く感じられ、そういう運動の中で生まれた「自分も相手も大事にする」という核心は力強いものを感じました。
P80
・人間性心理学
1960年代から押し寄せた新しい潮流。
新しい心理学をとなえる人たちは、それまでにあった心理学は、精神分析・行動主義心理学を中心として、人間の欠陥や病理をテーマとしていて、否定的な側面や偏りがあると批判した。
人間性心理学は、人間の主体性・創造性・自己実現といった人間の肯定的側面をテーマとして宣言した。
アサーションは、人間性心理学を基礎として実践されてきました。
・タイトルに戻って
アサーションの心
核心は、歴史的な差別撤廃の運動を背景とした時代から始まり、自分も大事にして相手も大事にするにはどの様にコミュニケーションをとればいいんだろう?
という問いからだった。
攻撃的では、自分は良くても相手は傷つく。
非主張的では、相手はいいかもしれないけど、自分を大事にできない。
人間性心理学の畑で、開発・研究されて・・・
両立するためには、相手の話を丁寧に聴き、自分の気持ちも表現して伝えていい。
それがアサーションの心なんだなと解釈しました。
・違いを受け入れて
自分も相手も違いがあります。
違うから比較・競争するのか、違いで共存・協力するのか、それは選べますよね。
違いを認める、受け入れる。
それは小さな違いも大きな違いも受け入れつつ、コミュニケーションをとると言った基本を考えさせられた良い機会になりました。
参考になる一冊でした。
ありがとうございました。