ルポ 希望の人びと ここまできた認知症の当事者発信 (朝日選書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 44
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022630551

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学評論随筆その他】認知症の本人からみると、社会と暮らしの何が見えるのか。認知症の当事者の発言について、世界の先頭を走る豪州、カナダ、日本の数多くの当事者、家族、支援者の嘆きと希望を聞き、その試行錯誤の活動を20年以上取材した朝日新聞記者渾身のルポ。

感想・レビュー・書評

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  • い図。2018/2/19
    ◆引用
    p30…クリスティーンは、出会いの日が快晴だったこと、ポールがリュックからフランスパンとワイン、チーズ、そして青いテーブルクロスを出して、ピクニックしたことも覚えている。「ラブリー·ピクニック!人生で、もっとも大切な、大切な日ですからね。ちゃんと覚えてるわ」横からポールがクリスティーンに言った。「アルツハイマーでも、彼女は美しく、尊厳があってすてきだった。彼女は、自分の命が期限付きだと思ったから、今だからこそと出会いを求めたのではないかな?ラテン 諳に『カルペ·ディエム』(Cape diem)という言葉がある。今日を楽しめ、今日をつかめ、『今を!今を生きよ!』。もっと積極的に生きよ、とね」

  • すでに、当事者ご本人の著作をほぼ読んでいたので、新鮮味はない。しかし、改めて、当事者の声、姿を思い浮かべることで、能力主義に侵されている自分とはなんなのか?と自らに問い掛けながら、何がホシなのかは掴めた気がする。

    一番の驚きは、当事者の方々の衰えぶり、特に太田さんが全介助になっているという事実だった。認知症でなくとも、人間はどこまでも生きることはできない。希望を持たせる、偏見を取り払う流れも大事だが、その上で、ネガティブな部分も丁寧に伝えていく必要を痛感した。今というときのかけがえの無さをどう伝えるかは至難だが。

    ・泣き笑いという言葉がありますが、私は何度も笑い泣きをしました。おかしいことがいっぱいおこるのです。そのときはおかしくて笑うのです。でも、その後泣けるのです。
    ・「元気そうねといわれるのがつらい」「大変そうですね。何か助けることはない?」と声をかけて欲しい。
    ・「笑うのはいいわ。前は病気になって、できなくなって、そのことを笑われる気がした。でも自分たちで(自分を)笑うのはいいわよ」
    ・太田さんは一人で居るとふっと不安になる。デイケアに来るとほっとする。同じ境遇を、きょうを精一杯生きようとする人たちに出会うからだ。
    ・「お世話されるだけの場所ではダメ。私たちはお世話しているとは思っていない。この人に会えてよかったあ!と思ってやっている」
    ・「暴動は声なき人々の言葉である」「コミュニケーション能力が損なわれてしまう私たちにとって、このキング牧師の言葉は大いに共感できます」
    ・人は死を前にして、自分の人生は意味があったのかと苦しむことがある。そのとき、何があっても、話しに耳を傾け、ともにすごし、あなたの人生は意味があったのだ、と伝える。それがスピリチュアルケア。
    ・夢のなかでも一生懸命に考え事をしてしまって、疲れて起きることが一晩に数回ある
    ・大変な人がいるのではなく、大変なときがあるだけ。
    ・社会的入院のむごさは、この「苦労」という人生を奪われること

  • 認知症の当事者発信の歴史をたどる本。

    介護職やSWとして何ができるか考え行動に移していきたいと思います。

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