ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022630582

感想・レビュー・書評

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  • 「ネガティブ・ケイパビリティ」この言葉から、逆境に耐える力のような想像をしていたが、全く違った。
    容易に答えの出ない事態に耐える力、とのこと。答えがあることが前提の教育を受けてきて、答えがない日常に煩悶してしまう日々だが、まさにこの力が欠けているのだろう。
    世間でも、他人への寛容さが失われている様を目にすることが多い。瞬時を求めるネット社会を生きている今、改めて目を向けたい。
    しかし本書には、突然に紫式部、源氏物語が登場して、どうもしっくりこなくなった。すっきりしないと感じるのは、やはりネガティブ・ケイパビリティが足りないからか?

  • 啓蒙書のような本はめったに読まない。この本は人に勧められて読み始めた。書いてあることに違和感はない。聞き慣れないネガティブ・ケイパビリティという言葉も、考え方自体は特異なものではない。要は結論を急がないということ。急ぐ前に相手の意図をよくよく聞き分けるということ。そして共感することを心掛けるということ。結論を押し付けないこと、と付け加えてもよい。

    作家はこの言葉の起源から、自身の生業である精神科におけるこの概念の重要性を簡潔に記してゆく。するすると言葉は読み下される。

    残念なことが二つ。
    小説もものにするという作家の日本語が、微妙に頭の中で音像を結ばない。何度か読み返して音のつながりを理解する必要がある文章に時々出食わす。本全体の構成が完結で読者の興味を引くことに腐心していることも判るので、文章ももう少し平易な日本語で綴るべきだったのではないか。
    もう一つはやたら作家自身の他の著作への言及が多いこと。この作家の熱心な読者であればそれもまた楽しい趣向だが、初めて出会う読者にとっては自慢話を聞かされているように聞こえてしまう。その寄り道は本当に必要だったのだろうか。

    但し作家が鳴らす警鐘はとても切実なもの。昨今の不寛容な世相を鑑みれば、そろそろ僕らは立ち止まって一体何がいけなかったのかを考えてみてもいい筈だ。多様性の重要さが声高に叫ばれるご時世に必要なのは、相手を説き伏せることができる秀逸なアイデアでもそれを効果的に伝えるプレゼンテーションでもなく、確かにネガティブ・ケイパビリティなのかも知れない。

  • 結論を急がず、混沌をそのまま受け入れる
    ネガティブケイパビリティ、
    大切な能力だと思う。

    ただ、紫式部やシェイクスピアと
    議論が深まるより横滑りしていった印象。

  • 別記

  • 学会での講演で紹介のあった本で読んでみました。
    講演会の内容はこの本からの引用が多く、すっと入っていきました。
    宙ぶらりんのどうしようもない状態を耐え抜いて苦悩を抱えて持ちこたえる力。
    カタカナ語でなくて日本語だともっと定着するのでは。
    研究会に参加してみたい。

  • 2017.12.9市立図書館

  • 私にとっては、難しい内容が多かったですが、著者が人生が変わると言われるように、私もそんな感じがしています。
    勉強よりも大事なことがありますね。

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プロフィール

1947年、福岡県生まれ。東大仏文卒後、TBS勤務。その後、九大医学部を卒業し、現在は精神科医。93年「三たびの海峡」で吉川英治文学新人賞、95年「閉鎖病棟」で山本周五郎賞、97年「逃亡で」柴田連三郎賞、10年「水神」で新田次郎賞、12年「蠅の帝国」「蛍の航跡」で日本医療小説大賞、13年「日御子」で歴史時代作家クラブ章作品賞をそれぞれ受賞した。

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