邪宗門〈下〉 (朝日文芸文庫)

著者 :
  • 朝日新聞
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本棚登録 : 91
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (585ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022640055

感想・レビュー・書評

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  • 著名人がこぞって大絶賛する大著。プライベートでも酒場で中森明夫氏が、熱っぽく語ってるのを聞いた覚えがある。
    ゴールデンウイークを丸々費やして読了。10年前くらいに宮台真司と北田暁大の対談本に出てきて興味を持ち、朝日文庫の方を古本で見つけて買ったんだよなぁ。何度か挫折した覚えがあるが、今回は第1部の終わりあたりから一気読みだった。

    宗教弾圧をモチーフにして、戦前から戦後までを描く群像劇だが、テーマ、文体、構成どれも見事で読んでいて何度も背筋と目頭にきた。
    漢語や思想の難しさはあるとはいえ、ライトノベルや漫画か思えるほどキャラ造形がよくできていて、珍しく映像化、マンガ化されたものも読みたいと思った。阿礼なんて完全にツンデレだしなぁ。個人的には堀江民代、有坂卑美子の2人が印象的だった。シーンだと第1部の終わりから第2部の最初、文磨が炭鉱で働き始めたあたり、ポナペ島に飛ばされた有坂、敗戦後の満州あたりか。

    読み終わったあと、余りのすごさに唖然として当分、他の小説を読むときのハードルが100倍くらい上がるなと感じた。こんなに圧倒的な小説は読んだことがないし、実際これを超えるよな読書体験ができる作品は死ぬまでにあと数冊くらいだろうと思う。

  •  以前、途中で挫折したものと思っていましたが、再読に当たると思います。著者の、圧倒的なかつ粘り強い描写力に、ただただ驚きを覚えています。宗教的というよりも、社会的思想の具現化と思想実験の試みでした。丸ごと昭和史の底部を描き切っています。昭和を懐かしむ風潮がある昨今、その生々しい息吹を感じ、身近に思い起こすよすがに、その基礎資料として推薦したい気持ちです。今でも、大本教には関心を持っていますが、社会に対して一人立ち上がり、時代の全てに対して一度戦いを挑む、そんな宗教的人物にも十分目配りがされているのにも驚きです。

  • (間借りです)
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    「邪宗門(下)」高橋和巳著、講談社文庫、1972.05.15
    p605 ¥280 (1979.07.29読了)(1975.11.03購入)
    *本の表紙より*
    〝世直し〟の思想をもった集団が天皇制国家の下に出現したとき、国家の壁との衝突は必然となる―理想の社会を求めて一度は滅び、再び立ち上がる革命の夢想を、日本の現代精神史を踏まえつつ、強靭な思索力と独特の文体で、著者のすべてを注ぎこんで描き切った壮大な叙事詩。

    ☆高橋和巳さんの本(既読)
    「我が心は石にあらず」高橋和巳著、新潮文庫、1971.06.21
    「邪宗門(上)」高橋和巳著、講談社文庫、1972.04.15
    「黄昏の橋」高橋和巳著、新潮文庫、1975.10.30

  • 太平洋戦争によって、新興宗教「ひのもと救霊会」もばらばらになっていく。
    後半の絶望に向かって走っていく「ひのもと救霊会」が、痛々しく不憫でたまらなかった。すべて戦争さえなかったらと思わずにいられない。

    どこかに書かれていたこの本の書評で、邪宗門は萌えると書いてあったが、上巻は確かにその要素があったが、下巻は新興宗教の教祖の娘姉妹である行徳阿礼、そして妹の阿貴が、とても不憫で悲しい結末でした。

  • 5/22読了

  • \105

  • 読んだのは高橋和巳全小説の6だったのですがレビューを書くところが無いのでここに書いておきます。私にはまだまだ知らないことが多すぎる。さて次は何を読もうかな。

  • 怖いです。読むのが。どろどろと崩壊していきます。きっと考えるべき問題は沢山詰まっているのだろうけれど、ここまでの崩壊っぷりに、自分のような頭の悪い奴は、ほとんど、思考を挟む余地がなくなってしまいます。でも、凄い。凄すぎる。

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著者プロフィール

1931年生まれ。1971年に39歳で早逝。短期間に膨大な名作を遺した天才的小説家。中国文学者。『悲の器』で第1回文藝賞受賞。著書に『憂鬱なる党派』『邪宗門』『日本の悪霊』『わが解体』ほか多数。

「2017年 『我が心は石にあらず』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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