緋色のヴェネツィア―聖(サン)マルコ殺人事件 (朝日文芸文庫)

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著者 : 塩野七生
  • 朝日新聞 (1993年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022640086

緋色のヴェネツィア―聖(サン)マルコ殺人事件 (朝日文芸文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ルネッサンス時代のヴェネチアとトルコを舞台にした、壮大な歴史物語。文章が流れるように美しく、華やかなりし当時に思いを馳せてうっとりした。
    ヴェネチアの貴族に生まれたマルコという青年と、幼馴染で私生児のアルゼッティという青年を中心に描かれたドラマである。作者あとがきによると、本書はフィクションではあるが登場人物以外は史実に基づき、宗教や政治が絡んでくるので非常に興味深い。登場人物は美しすぎる。
    この本を読むとヴェネチアやイスタンブールに行きたくなる。素晴らしい本だ。

  • 第二部に続くんだけど、これだけでも十分おもしろい!七生ちゃんいいよ七生ちゃん!ストーリーもいいけど、うんちくにならない程度にちりばめられた歴史的背景、都市のしくみ、階級制度、人々の気質の地域差などの描写が素晴らしい。『ローマ人の物語』よりも感情移入しやすいので、わくわく度が高いですよ。

  • 主人公のマルコ・ダンドロは、中世の名門貴族に生まれ、ヴェネツィア公国の独立を守るため、誇り高い職務を全うする日々。そんな中突如、学生時代の親友アルヴィーゼ・グリッティが「恥じ入る乞食(ポーヴェロ・ヴェルゴニョーソ)に扮し現れ…。

    周囲を魅了してやまないアルヴィーゼには、秘密があった。
    再会し、マルコの「女友達」に会いに行ったり、学生時代に戻ったかのような楽しい時間を過ごすも、親友の顔はどこか晴れない。マルコがC・D・Xの極秘任務に就いてから、少しずつ親友の行動がわかり始め…。

    時代小説、それも、2人の主人公以外はほぼ実在の人物で、時代背景、暗号通信など、作中で描かれている背景は史実になるのだそうです。
    この時代独特の、貴族の誇りの高さ、宗教や国家の絶対性、嫡出子でない事による、帰属国家のなさ・貴族になれない事への葛藤、結婚の足かせなど、他国に占領される危険性の高い中での情報収集や潜入、交渉など、それぞれの人物が守りたいもののために真剣だった事が伺えます。

    この時代だったからこそ、アルヴィーゼは誰も成し遂げなかった高い理想を追い求め、有能にも関らず、少しずつ不運が重なり、志半ばで農民達に殺されるというあっけない最期を辿り、プリウリの奥方も、キリスト教徒だから大丈夫だろうとマルコが安心していたのに、アルヴィーゼの後を追うように身を投げてしまいました。高い目標を持たなければ、正式な結婚をせずとも、家族としてちいさな幸せをかみしめて生きられたかもせれません。
    最後、マルコは2人の子供である、娘のリヴィアとの結婚を決意しますが、その後2人は幸せになれたのか気になります。

  • ヴェネツィアへ向かう飛行機の中で読みました。

    小説と言う形式ということもあり当時のヴェネツィアの様子が臨場感を持って伝わってきます。
    舞台はアンドレア·グリッティが元首を勤めていた16世紀前半のヴェネツィア。
    西にスペイン王カルロス五世、東にトルコのスレイマンが座する状況において、ヴェネツィアがどの様に諜報活動を行い、政治を展開したかが伝わってきます。

  • マルコの裕福なお金持ちっぷりが、読んでいるとこちらまで鷹揚な感じになってきて良かった。何代も続くお金持ちで生活に困らないひとが主人公の小説は安定感があって好きだなあ。

  • 2014/9/8読了。

    「ローマ人の物語」は2冊目で挫折した私だけれど、「主人公」が設定されたこの本は、面白く読めた。
    イタリア好きを自認しながらも、歴史については不勉強な私に私にも、16世紀前半のヴェネツィアの処世術をわかりやすく描いてくれたので、少し頭が良くなったような気もする(笑)

    ただ、塩野七生さんの日本語は、一旦イタリア語で考えた後、日本語にしているのでは?と思ってしまうほど、ところところ関係代名詞が何を指しているのかな?と考えてしまうような箇所が幾つかあるので、多少、読みづらさもある。
    誰にでも分かりやすく、というのを考えられたためか、ストーリーにもやや深みが感じられないので、星を減らした。
    4つにしたけれど、少し甘めかな?(笑)

    それにしても「歴史」とはいろいろな人間の思惑と、偶然に左右されながら、作られてきたものなのだと、改めて思わせられた。
    次の「銀色のフィレンツェ」も楽しみにしている。

  • ルネサンスの終わり、ヴェネツィアの衰退期を描く。スペイン、フランス、オスマントルコという強国に囲まれたヴェネツィア共和国が、独立を守ろうと奮闘する話。

  • ほぼ史実を基に描かれた小説。ベネチアはじめとする小国家がどうして地中海に覇を唱えられたのか不思議でしょうがなかったが、その外交・経済活動その他が生き生きと小説に描き出されており、非常に面白く勉強になった。

  • 緋色のヴェネツィア・銀色のフィレンツェ・金色のローマで構成される3部作の初巻。

    海の都そして交易都市としてのヴェネツィアは、国を開いて初めて存在できる。

    本作品は、東にトルコ帝国、西にスペインを始めとした強国の間で微妙な政治バランスをとりながら存続する国家を縦軸にそして登場する人物を横軸に細かく景色を織り込んで書かれており、正に彼女の真骨頂の作品と思う。

  • (1995.08.20読了)(1993.07.03購入)
    (「BOOK」データベースより)
    16世紀前半、海の都ヴェネツィアはトルコ、スペイン、神聖ローマ帝国の3強大国に挾撃され国家存亡の危機に瀕していた。国難にあたる若きヴェネツィア貴族と謎のローマの遊女、貴婦人との秘めた愛を胸に野望を抱く元首の庶子…。権謀術数が渦巻く地中海世界を描いた、ルネサンス歴史絵巻第1部。

    ☆塩野七生さんの本(既読)
    「サロメの乳母の話」塩野七生著、中公文庫、1986.01.10
    「海の都の物語(上)」塩野七生著、中公文庫、1989.08.10
    「海の都の物語(下)」塩野七生著、中公文庫、1989.08.10
    「コンスタンティノープルの陥落」塩野七生著、新潮文庫、1991.04.25
    「ロードス島攻防記」塩野七生著、新潮文庫、1991.05.25
    「レパントの海戦」塩野七生著、新潮文庫、1991.06.25
    「男の肖像」塩野七生著、文春文庫、1992.06.10
    「男たちへ」塩野七生著、文春文庫、1993.02.10

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