奇蹟 (朝日文芸文庫)

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  • 朝日新聞
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  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022640284

感想・レビュー・書評

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  • 中上健次の路地ものには、ざっくり分けるとしたら秋幸とその周辺の人物のシリーズと、千年の愉楽を頂点としたオリュウノオバと中本の男のシリーズの二つがあると思うのですが、この『奇蹟』は、もともと多少は混じり合っていた双方の登場人物ががっつり登場して、集大成というかオールスターズというか、そういった趣きがありました。

    アル中で精神病院に入院しているトモノオジと、彼の前に現れたオリュウノオバの亡霊(幻覚?)が、中本の最後の男ともいえる「タイチ」の死を聞かされるところから物語は始まります。そこから紡ぎだされる回想としてのタイチの半生。

    彼の同輩であったイクオは秋幸の異父兄として「枯木灘」その他の作品にも登場しますが、彼の視点で描写されたことはなかったと思うのですけども、こちらでは彼のために1章を割いて自殺に至るまでの心理を追っていて、そのへんの経緯は今まで描かれなかっただけに感慨がありました。

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著者プロフィール

1946年和歌山県生まれ。74年『十九歳の地図』でデビュー。76年『岬』で芥川賞、77年『枯木灘』で毎日出版文化賞、芸術選奨新人賞を受賞。他の作品に『千年の愉楽』『地の果て 至上の時』『日輪の翼』等。

「2015年 『中上健次』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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