天国までの百マイル (朝日文庫 あ 28-1)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.82
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感想 : 372
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022642486

作品紹介・あらすじ

バブル崩壊で会社も金も失い、妻子とも別れたろくでなしの中年男城所安男。心臓病を患う母の命を救うため、天才的な心臓外科医がいるというサン・マルコ病院めざし、奇跡を信じて百マイルをひたすらに駆ける-親子の切ない情愛、男女の哀しい恋模様を描く、感動の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 一昔前の義理人情とか自己犠牲精神とかを賛美し、対して現代を嘆くという構造が私はあまり好きではない。 
    この本も、ともすればそういった構図で描かれたのかもしれないが、それが全く気にならない程なめらかで魅力的な物語だった。

    会社はつぶれ妻とは離婚し、絵に書いたように落ちぶれた男が、心臓の弱った母親を100マイル先の病院まで運んでいく。

    車の中でのふたりの会話も、彼らを支える人々の思いも、心の底にしっとり染み込むような優しさや思いやりで満ちていた。読んでいて涙が止まらなかった。

    「私はもう死んでいいと思ってます。けれど、もし私が死んだら息子がこのままダメになってしまう。だからどうか私を助けてください。」

    この言葉に、息子へのの計り知れないほど深い愛情を感じた。素敵な時間を過ごせた1冊だった。


  • 何度も泣いて読む手が止まってしまった。
    愛情が、必死の情熱が、奇跡を起こすこともある。
    がんばれがんばれ、と自分も並走している気持ちになった。
    設定も登場人物たちもドラマティックすぎて、お涙ちょうだい系と言われたらそうかもしれないけど。こういうまっすぐな小説も良いと思った。

  • 私がこの本と出会ったのは閉館する図書館が古い本を無料で配っていた時でした。
    無料配布の開始時間から少し遅れて行くと本棚は殆どカラ状態!残っている本の中に浅田次郎さんの本があったのだ取り敢えず貰ってきました。

    残り物には福があると言ったもので久々の評価5です!

    バスの中と病院で読んでいたのですが涙が止まりません!登場人物に酷いやつらも居ましたが、それ以上に良い奴がいっぱい居ました。

    主人公のヤッサンは名前が同じせいか重松清さんの『とんび』の主人公に被りました。
    同じくヤッサンの恋人マリは西加奈子さんの『漁港の肉子ちゃん』の肉子ちゃんのようでした。
    この他にも藤本医師や借金取りの片山、神様の小林一也など鳴かせてくれるキャラがたくさんいます!


    主人公の城所安男はバブル崩壊で会社を失い妻子とも別れて暮らす事に・・・
    そんなところに心臓病を患う母を救うため母と共に160km離れたサン・マルコ病院を目指すのだか・・・

  • 『愛するってことは、その人の幸福を願うことだと思う』重度狭心症の母親を自己破産&離婚中の安男が100マイル先の病院へ移送する。「生へのプロフェッショナル」は少なくとも3人いた。心臓外科医の曽我、水商売のマリ、そして母親。この3人が安男の100マイルの疾走を決意させ、奇跡を巻き起こす。マリが愛する者のために自傷行為をするが、涙が止まらない、女神でした。また、母親は死ぬまで子どもの事を想う。母親の愛こそ生きる糧となり、活力となる。安男よ!妻と共に金持ちになれ、そして幸福を金で買い、撒き散らしてしまえ!

  • 私はひねくれているのだろう。
    全く泣けなかった。

    ただ、現実で、本書に出てくる医師(心臓外科医だけでなく主治医の内科医も素晴らしい)や歯科医師のような人物に診てもらいたいものだ。

  • バブル崩壊で会社も金も失い,妻子とも別れたろくでなしの中年男が,母の命を守るための奮闘記。
    風船のようなデブ女マリが魅力的だった。下品なモーツァルトに神が宿り天上の音楽を奏でたように,人間くさいマリは献身的に別れを選ぶ。
    「愛されることは幸せじゃないけど,愛することって幸せだよ。」
    この言葉は深い。
    この小説のBGMともいえるピーター・ポール&マリーの「五百マイルも離れて」がずっと頭の中で鳴っていた。

  • 初めて読む作家さん。
    ここまでドラマチックではないが…、3か月前、我が家もこれに近い状況にあり、とても他人事とは思えないストーリーだった。
    同棲相手のマリに癒された。マリはいつか幸せになれるのだろうか。

    • hs19501112さん
      こんばんは♪

      浅田次郎さんは、
      「日輪の遺産」と「天切り松 闇語り」
      が、お薦めです♪

      機会があれば、ペラペラめくってみてく...
      こんばんは♪

      浅田次郎さんは、
      「日輪の遺産」と「天切り松 闇語り」
      が、お薦めです♪

      機会があれば、ペラペラめくってみてください。
      2019/11/24
  • 親孝行したい

  • 大好きな小説。多くの人は浅田次郎の傑作といえば、「蒼穹の昴」「鉄道員」なのだろうが、ちょうど、この小説の発売時期に母親が亡くなったので、非常に強いおもいいれがある。大切なことは何なのか?見栄や外聞にとらわれず、やれる時にやらなければいけない。反省

    • chie0305さん
      kakaneさん、こんばんは。「空の拳」と、前に話に出たこちらの本も、読みたいリストに入れておきますね。お薦めありがとうございます。
      それ...
      kakaneさん、こんばんは。「空の拳」と、前に話に出たこちらの本も、読みたいリストに入れておきますね。お薦めありがとうございます。
      それにしても、めっちゃ夜型ですね!(笑)
      2018/07/13
    • kakaneさん
      コメントありがとうございます。
      chieさんの読書スピードなら、すぐ読んじゃいますね。
      ワールドカップで完全夜型に(TT)
      仕事中眠くって(...
      コメントありがとうございます。
      chieさんの読書スピードなら、すぐ読んじゃいますね。
      ワールドカップで完全夜型に(TT)
      仕事中眠くって(笑)
      2018/07/13
    • chie0305さん
      てっきり朝の遅いお仕事かと思ってました。
      私は何とか「ジュラシックワールド」見終わるまで寝ないつもりです(笑)
      てっきり朝の遅いお仕事かと思ってました。
      私は何とか「ジュラシックワールド」見終わるまで寝ないつもりです(笑)
      2018/07/13
  • こうゆうお話し好きだな。
    読み終わった後ほっこりする感じ。

    会社も金も失い、妻子とも別れた40男が心臓病を患う母のために奔走する物語。

    映画化、ドラマ化された作品も見てみたい!

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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