新編 算私語録 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞社
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本棚登録 : 33
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022642530

感想・レビュー・書評

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  • タイトルが大好きな、安野光雅さんの数学エッセイ。『数学セミナー』連載のエッセイをまとめたもので、シリーズで持ってました。これはその選り抜き版。

    これに載ってるかどうかわからないけど、

    ・可愛らしくて、ちょっと哀しい、冒頭の献辞
    ・「書けない数がなぜ描けるのか」
    ・江國滋さん(準レギュラークラスで頻繁に登場)が、家族のある手紙に右往左往

    など、1トピック数行の箇条書きで、数学とつかず離れずで書かれていて、すっとぼけていて面白かった本です。文庫本だし、その気になればすぐ見つけられるよ…と思っていたところ、ネット古書でものすごい値段(映画2回分くらい)がついていて、仰天!

  • 2週間くらい前でしょうか、
    夜中突然、ガタ、ガタンと大きな音が隣の物置から聞こえました。
    何ということでしょう、本の重さに耐えかねて、本箱の本棚が2枚落ちたのです。
    棚に前後2列にして、ぎっしりと文庫本を詰め込んでいたため、
    木製の棚受けが折れたのです。

    この本箱はスタジオの大道具の方に注文して造ってもらったのですが、
    私の発注の仕方に問題があったようです。
    「どおせ文庫本がほとんどなので板も薄くていいよ」と発注してしまい、
    この様な結末になりました。本ってやはり重いもんですね。

    ずぼらな私はしばらくそのままにしておいたのですがどうもいけません。
    一番下に置いておいたレコードを段ボールに詰め、
    押し入れに入れる計画を立てました。

    さて、これからが整理です。
    「究極の整理は捨てること」という格言のもと、
    これら文庫本等を処分することに決めました。

    しかし、他人にとっては下らない本でも、私にとっては宝物です。
    かつては、これらの本により血湧き肉躍る経験をさせていただきました。
    中には読んでない本もあります。

    どの本を処分するかと改めて、1冊1冊ふるいにかけていたら、
    探していたある本が見つかりました。
    たまには物を整理するということはいいこともあるもんですね。


    「算私語録」(安野光雅 朝日文庫)がそれです。
    安野 光雅氏は画家でありながら、数学など科学にも造詣が深いことでも有名。
    あるいは、NHK・FMの「日曜喫茶室」の常連客としても知られてますね。

    さて、この本の中で
    「マンホ-ル」は何故、円形なのか? というのがあります。
    マンホールの蓋、確かに大型になると圧倒的に円系が多いようです。
    その重さは50kg以上あるそうです。
    また、所によりましては、その地方の名所旧跡などが描かれた楽しいものもあり、
    このマニアも相当数いるとか。

    さて、では蓋は何故円形なのか?
    ・円筒状の穴は掘るのが容易なため。
    ・丸型の蓋は回転させてはめる必要がない。
    ・鋭い角の部分がないため、自動車のタイヤをパンクさせてしまう恐れがない。

    等々諸説ありますが、この本によりますとこうです。

    「一口にいうと正方形の蓋は、誤って穴に落ちるが、円ならば落ちない」
    つまり、数学的法則により円形となっているのだそうです。

    でも、この本には更に、「では、落ちない蓋は円だけか」とからんできます。
    そこで、紹介されるのが「ルーローの三角形」です。

    正三角形の各頂点を中心に
    半径がその正三角形の1辺となる円弧で結んでできる。
    言ってみれば、三角形の肥満児です。
    これだと蓋が穴に落ちないのだそうです。

    さて、この「ルーローの三角形」をもう一度よく見てください。
    何かに似てませんか?
    ピンポーン! そうロータリー・エンジンですね。
    自動車メーカー「マツダ」が精魂傾けて創り上げたエンジンです。

    最後に、マンホールは道路に設けられていますが、それだけでなく、
    鉱山にも事前に設けたらいかがでしょうか?
    そうすれば、南米チリの鉱山での崩落事故のような場合も、
    4か月もかけなくて、33人の方々をすぐに救出できるのに…

  • 世の中や身近な出来事を面白く科学的・数学的に読み解く、短編集というか一言集。
    「脳年齢」「アタマの体操」なんて言葉がもてはやされる前から、考える人は考えていた!
    常に多様な角度で物事を見る筆者の視点に感服。

  • 算私語録の編纂(選り抜き)版。[?〜?]共に絶版であるが、古書で見付けたら集めた方が(話がつながるので)良いかも。数字に纏わる?アレやコレやを洒脱にロジカルに語っている。

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著者プロフィール

安野 光雅(あんの みつまさ)
1926年、島根県津和野町に生まれる。BIB金のリンゴ賞(チェコスロバキア)、国際アンデルセン賞、講談社出版文化賞、菊池寛賞などを受賞。1988年紫綬褒章を受章し、2012年文化功労者に選ばれる。
主な著作に『ふしぎなえ』「『旅の絵本』シリーズ(全8巻)」(福音館書店)、『本を読む』(山川出版社)、『小さな家のローラ』(朝日出版社)などがある。いまなお『旅の絵本Ⅸ』、『いずれの日にか国に帰らん』など新刊を続々刊行。ほかにも多くの書籍の装丁を手がける。
2001年、津和野町に「安野光雅美術館」、2017年、京丹後市の和久傳の森に「森の中の家 安野光雅館」が開館。

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