物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞社
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本棚登録 : 399
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022643001

作品紹介・あらすじ

物語を作るのに特別な才能はいらない。トレーニングを積みさえすれば、誰でもどんどん物語を作れるようになる。カードや方程式を使ったプロットや登場人物の作り方など、具体的な小説練習法を公開。実用的な小説入門書であり、文学はそれでも特別なのかを問う批評的な書物でもある。

感想・レビュー・書評

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  • ライトノベルなどの小説を書くための実用教本です。その一方で著者は、本書で語られる「技術」に解消されるのことのない「文学」の領分にいったい何が残るのかという問題を、真摯に追求しています。

    著者は、物語のプロットが共通の構造を持っていることを分かりやすく解説しています。同時に、そうした構造に則って適切な登場人物を配置することで、とりあえず物語を作れるようになるためのカリキュラムが提示されています。

    メディアミックスがさかんにおこなわれている現在のサブカルチャー業界では、既存の「世界」の中で一回分の物語をいわば「二次創作」する「ブルーカラーの物語作者」が必要とされており、本書で練習を積んでとりあえず物語を作ることができるようになれば、「少なくともジュニアノベルズの世界では食いっぱぐれることがない」と著者は太鼓判を押します。

    その上で著者は、本書がめざすのは、けっして「文学」を権威の座から追い落とすことではないと言います。著者は、あえて本書のような試みをおこなったのは、戦後文学から「「サブ・カルチャー的なもの」を引き算したらそこには「文学」はちゃんと残ってくれるのか」という問題意識に基づいていると語られています。この意味で本書は、「文学」という制度に対する鋭い問題提起の書となっています。

  • 「思想・学問」の分類にしたけど、ちょっと違うかも。

    プロップとグレマスの構造に基づいて小説を書く練習をしましょうという本だけど、ちょっとした文学論にもなっている。日本文学の「私小説」についての考察は面白かった。なるほどねー。新井素子か。確かに著者のとしての「私」と物語の中の「あたし」は完全に分断されている。

    新井素子、なつかしい。中学生の頃大好きで大ハマリしたな。もう一度読みたくなった。

    大塚氏は「文学」に対してはとっても好戦的かつ挑戦的で文学のフィールドでは批判されることが多いらしいけど、彼自身は文学を大切にしている人なんじゃないかなー。

    筒井康隆氏の「唯野教授」を読んだ時も思ったけど、大塚氏のケンカ腰な書き方は彼自身が作家でもあることにも由来するみたいだ。

    この本に書かれていることを実際の大学で講義したらしいけど、3分の2はドロップアウトしたとか。

    そうだろうな。物語全体を貫く抽象的構造を読み取って、それにのっとって自分の小説を書くことを何度も繰り返せばそれなりに物語を完結させる技術は身に付くと思う。でも課題が「村上龍の小説を熟読した上で、構造を抽出して○○頁書く」っていうのは相当大変だと思う。「熟読」の時点で大変(楽しんで読むなら別だけど)。漫画のノベライズもあって面白そうだけど。

    これを一期に6回?もっと?っていうんだから、そーとースパルタ的講義。

    体験した上での理論は頭に入りやすい。通訳翻訳理論の本は私にとって文学論より何倍もすっと入ってくる(まぁ、文学の理論っていうのは多くは哲学・思想だから性質は自ずと違うけど)。

    別に私自身が小説を書きたくて読んだわけじゃないけど、やはり10代の頃から徹底的に読んでる人は蓄積の量が違うなー。

  • 「小説を書きたいけど何を書いたら良いのか…」「小説を書くことに行き詰っている」といった人向けの本。
    作家となるには物語を解体・再構築するための技法、トレーニングが必要だということが分かった。またそのためのトレーニング方法が非常に分かりやすく記載されている。紹介されている方法を一つ一つ試してみたくなった。

  • wikiで貴種流離譚で調べて、その参考資料で紹介されてた

  • 章ごとに勉強しよう

  • 深遠さを気取った言い方、逆説、かいぎゃく、以前と変わらぬ大塚英志。すごく参考になるけどね。教える生徒への愛情の無さと試験管の実験かよ、と思えるのは愛情溢れる五代先生の毒舌と真逆。

  • これを読み終わる直前に佐藤友哉の創作合評の深夜の酒宴の回を思い出した。

  • 小説の書き方であり、物語の解体であり、文学への批評でもある本。もっと思春期くらいに読みたかったような、今だから素直に読めるような。既に出尽くした創作技術や物語の構造を解体して、なお残るのがオリジナリティか。文学とサブカルの境界を見出す事に意義があるのかは個人的に謎だけど。

  • こりゃー興味深い。
    才能のかけらもない俺にはピッタリの一冊。
    これから、6つのレッスンを実践します。

  • 現在、出版されている全ての『物語』にはオリジナルがあり、我々は今、過去の財産をコピーし、つぎはぎした物を消費している。確かエヴァンゲリオンの庵野監督も自分のことをコピー世代と表していたはずだ。村上龍をパクれなど、なかなかセンセーショナルなことが書いてあって、おもしろかった。

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