沙中の回廊 下 (朝日文庫 み 15-3)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022643032

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  • 402264303x 418p 2003・1・30 1刷

  • 再読: 【読了メモ】再読(140708 3:33) 宮城谷昌光『沙中の回廊』(下)/朝日文庫/2003 Jan 30th/物語冒頭は『重耳』『介子推』、途中『華栄の丘』『夏姫春秋』、最後は『晏子』につながるのが素敵。同じ時代だなぁ。

  • 最後の最後まで、士会らしかったです。
    それにしても、合間に挟まれる筆者の見解が面白い。
    真面目に歴史書を紐解きたくなります。

  • 襄公の死による後継者選びのあり方に疑問を持ち、
    秦に亡命するところから、政務を引退するまで。

    晋の文公を支えてきた名臣たちが亡くなり、
    尊敬する名臣に付き従う立場から
    自分のことしか考えない上司に嫌われ疎まれる立場に変わり
    苦しみながらも研鑽を積んで評価されていくのが
    下巻の主な流れで、臣下としてのあり方に悩む
    士会の姿は40代〜50代くらいのサラリーマンに
    一つの答えになるのかもしれない。

    宮城谷昌光が好まれるのはそうした点が理由なのかも。

  • 去年の3月に三国志1~2巻を読んでから、1年以上宮城谷小説から遠ざかってしまいました。
    大好きな宮城谷氏の小説は、しばらく読んでいないと無性に再読したくなるんです。

    「沙中の回廊」は中国春秋時代の晋の宰相士会(しかい)が主人公です。
    (あっ、これ再読ではなくて読むのは三度目でした)

    宮城谷氏の小説はどれを読んでも、何度読んでも心が洗われます。
    人としての素晴らしい生き方が見事に描かれていて、
    常に我が身を振り返って謙虚にならざるを得ません。


    謙虚に努力を重ねよ、努力を惜しむな・・・・
    常に寡欲であれ、
    常に誠実で真摯であれ・・・・・。


    我欲や利益が優先され、少しでも楽な方へと流される今の時代に 、
    生き方の模範であり、教科書でもあります。

    宮城谷氏の小説を読むと、心地よい感動の熱い涙をながす事が出来ます。

    年に一度は宮城谷氏の小説を読んで、自分の心にたまったおりを洗い流すべし!

  • しかいいいよしかい
    秦と晋とか、文公と文公とか霊公と霊公と霊公とかもう訳が解らない!!!
    と当時の日記に書いてありました。

  •  「よく生きる」ことを知ったと思う。自分の限界を知ることなんだと思う。引くときと出るときとをきちんと知ること。<br>
     父祖の生き方が子孫に影響する。だから人は父を大切にし、子を大切にする。「族」をいう概念の小さくなった現代において、こうした考え方は古いのかもしれないけれど、でも、あったかい。<br>
     下巻に入り、弗や筲、杜辛の登場がどんどん減ってしまうのが寂しい。

  • 本書に限らず、宮城谷さんの小説は、中国古代史を題材にして、経営やら、マネージメントを考える教材として見立てて読むことはできそうです。
    本書では、やたら年功序列でがんじがらめの社会の中で、アホな上司にあっさり見切りをつけてトラバーユという出世コースも結構あったんだ。。。という印象が残りました。<BR>
    それにしても、宮城谷さんの春秋戦国時代ものは、これで6作目を読んだことになります。しかしこの時代の人や国の名前が、似たようなものもたくさんあって、まるでこんがらがってしまっており、せっかく読んでもその内容を、とても他人様に説明できるほどに消化しきれていません。<BR>
    この時代の歴史をもうちょっと頭の中で整理させてから読むことが出来るとよいのですが。。。(何か良い参考書はないかしらん?)
    <BR>(2004/11/25)

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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