椿山課長の七日間 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞社
3.83
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本棚登録 : 3850
レビュー : 547
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022643520

作品紹介・あらすじ

働き盛りの46歳で突然死した椿山和昭は、家族に別れを告げるために、美女の肉体を借りて七日間だけ"現世"に舞い戻った!親子の絆、捧げ尽くす無償の愛、人と人との縁など、「死後の世界」を涙と笑いで描いて、朝日新聞夕刊連載中から大反響を呼んだ感動巨編、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 2013年、初泣かされ本。

    突然の死から、お役所仕事な黄泉の国の判定に納得がいかず、
    現世に全く別の姿で舞い戻ったデパートサラリーマン、任侠者、小学生。
    3人それぞれが抱えた悔やまれる気持ちの為、現世を駆け巡り、絡み合っていく。

    死という哀しいテーマの中、コミカルに温かくも描かれていて、
    笑って、泣いて、また笑って、泣いた。
    親子とは夫婦とは本当の恋とは。
    それぞれの絆や想いに目頭が熱くなる。

    心から分かり合えた人というのは、姿形が全く違ったとしても、
    きっとどこかにその魂を見つけてしまうのだろう。
    自分もそんな気がするし、そんな風に思いたい。

  • 椿山課長のおとうさん、
    とにかく素敵すぎる。
    素直にかっこいいと思えた。
    絶対にまねできっこないけど。

    佐伯知子もすき。
    「人間は『ありがとう』を忘れたら
    生きる資格がないんだよ。」

  • 最近大好きな浅田次郎さんの一冊。
    しばらく前に、ドラマ化されていたような・・・。

    というわけで、西田俊之さんが頭にちらつきつつ、読書スタート。

    はあ・・・・・・。
    自分やっぱり、「ユーモアミステリ」的な小説は苦手なようで。。
    (公私ともに忙しい時期だったからというう点を考慮してもなお)読み始めから読了まで3週間近くかかってしまったという、史上最大に読み進むのが遅くなった作品。

    死後の世界をお役所に例えた設定のコミカルさはいいとして、ステレオタイプな極道どものあれこれについていけず・・・何度、「もういいかな、この本」と投げ出してしまいそうになったことか。




    でもまあ、そこはまあ、最後まで通して読むとなると、やっぱり浅田次郎だぁね。「ほろり」ポイントがいくつかと、「ぽろり」ポイントもしっかり用意されていて。

    ★3つ、7ポイント。
    2019.06.21.新。

    ※なんかいろいろぼろくそ書いてしまったけれど、トータルすると嫌いじゃない話。ドラマ?映画?・・・映像版も観てみたくなった。

    ※ラストシーンが、五郎(人違い殺人を犯したド三下元ヤクザ)の目線だったというのだけは、いまいち納得いかない。

  • 「このまま死ぬわけにはいかない」
    椿山課長の救い難い鈍感さも
    ヤクザの武田さんの男気も
    なんでもわかってるゆういちくんも
    一途な佐伯さんや、おじいちゃんも、
    みんなみんな優しくて愛おしい。

    ホロホロと泣かされました。

  • 前に読んだ事がありますが、再読してみました。浅田次郎のコミカルで泣かせる手法にまんまと今回もはまってしまい泣きました。死んでみて分かる他人の本心。死ぬまで分かってもらえなかった自分の本心。あの世から送られた3人は驚きの展開に、でも最後は泣き顔も晴れる読後感の良い小説です。

  • 働き盛りである椿山課長が突然死する。
    でもどうしても、思い残したことが多く、七日間だけ現世に戻る。
    現世に戻るための相応の事情が認められた3人、椿山・やくざの男・小学生…
    この3人がそれぞれ現世で会いたい家族に会い…
    「死」を扱っているのに、ユーモアに溢れ、コミカルに描かれている場面も多く、ぐいぐい引き込まれていく。
    見たくない秘密を知り、気付かなかった相手の思いを知り、怒り、困惑、感謝…いろんな感情が溢れ…
    涙なしでは読めません。
    生きている間に家族を愛し、大切にしなければ。
    と改めて思った。

  • タイトルと解説でありがちな話なんだろうなって思い込んで読み始めたけど面白かった。椿山課長だけじゃなくて3人のエピソードが色々絡み合って、生まれてきた事の意味だとか生きていく事の辛さとか心構えとか色々考えさせられたしもっと人生を大切に生きなきゃいけないと思った。
    ただ椿山課長のお父さんは大変立派でそんな風に生きていけるなんて素晴らしいとは思ったけど、赤の他人を幸せにする為に一番身近な家族は私人だから後回しってちょっと違うんじゃないかと思った。
    確かに自分を犠牲にして他人を幸せにするのは大変立派な事で尊敬できると思うけどその為の犠牲なんかあっちゃいけないと思う。そうしなければ他人を幸せ出来ないのなら家族なんか持たないで天涯孤独で一人で生きるべきなんじゃないかな?
    ちょっと意味は違うかもしれないけど自分の頭の上のハエも追い払えないのなら他人の面倒なんか見てる場合じゃないと思います。

  • 再読。
    前回読んだのは10年近く前かも。

    浅田次郎さんの本は本書を含めて3冊くらいしか読んでないけど、人情劇がうまい人なんだなぁと思う。

    そもそもの設定や登場人物達の関係性など、完全なるフィクション(悪く言えばご都合主義?)なんだけど、出てくる一人一人がすごくリアル。
    「いい人」ばかりがでてくる不自然なお話ではなくて、みんな罪があり、後悔があり、だけど誰かの救いになっている。

    自分がこの世からいなくなるとしたら、最後にしておきたいことは何だろう。主人公やその他の2人のように、縁あった人達に感謝の気持ちを伝えることじゃないのかな。
    読み終わったあと、大切な人にありがとうと言いたくなった。
    生きている今なら言えるから。

    色々な登場人物に感情移入できる小説だったけど、個人的には、蓮ちゃんのありがとうが心に沁みて、泣けた。

  • 涙がこぼれ過ぎて、通勤時の読書には向きません。とてもいい本でした。

  • 知らぬが仏。己の理解をはるか越えたところで沢山の恩恵を受けている。知らないところで日々それに包まれて生活を送っている。そんなことを思い知らされた。生い立ちを嘆いている暇はない。人生は人間が考えているほど長くはない。泣いたり悩んだり憎んだりするくらいなら、一歩でも自分を前に進めなければならない。立ち止まって振り返り逡巡すればするほど幸福は零れ落ちていくと覚悟した。生かされていることに感謝。合掌。

  • [2013.02.04]

  • この一つ前に読んだ「神はサイコロを振らない
    http://booklog.jp/item/1/4122046238)」も、
    ある意味、黄泉がえりの話でしたが、
    こちらは完全に黄泉がえりの話。

    黄泉がえりの話というと、ホラーやファンタジー、
    感動モノといろいろ考えられますが、
    この作品は、コミカルな感動モノと言えば良いでしょうか?
    浅田節満載です。
    いやぁ、笑えて、感動しました。

  • 風邪で早退したときに一気に再読。
    前回読んだときも、朝5時まで読んでしまったことを思い出した・・・。
    現世に戻った3人のキャラがとてもよく、全員が微妙にリンクする過程もおもしろかった。「親分!」には涙が。まったく違う姿の人間のなかに、その人の魂を感じることができるほど、相手を慕えるなんて、生まれ変わりをしんじてしまうじゃないか。
    佐伯女史の深い深い愛にも胸を打たれました。

  • 突然死によって残した悔いを解消するために、別人として"よみがえり"をする物語。

    生きるって素敵なこと。死んで悲しまれるって素敵なこと。「死者の自分探し」という斬新な設定で、笑いあり、切なさありのハートフルなストーリーを描けるあたりは、さすが浅田次郎、といったところ。
    死後の世界は健在の人間からすれば想像しがたい世界だが、よみがえりが決定するまでの手続きの過程も、銀行での順番待ちを思わせる雰囲気を醸し出していて、浮世離れしすぎていないファンタジーな世界が繰り広げられているのが面白い。

    実は、現世によみがえりを果たした人々への供養として「初七日」があるのかもしれないなぁ。

  • なし

  • 椿山夫妻の子供めっちゃかわいそう。
    知子もめっちゃかわいそう。
    雄太を地獄に落とそうとする役所も最悪。

  • 話の内容自体は荒唐無稽なフィクションだが、純粋に一本の映画を観たあとのようなエンタテインメント性のある内容だった。楽しく最後まで読ませてもらいました。

  • 2019/06/23


    母からかりていた本
    デパートで働いていた椿山課長は突然死してしまうも
    死後の世界(お役所のよう)での直談判で、期間限定で
    現世に戻るチャンスを得る。自分の生前の罪を調べに行く
    というのがストーリー
    ほかにも、ヤクザの男性、事故で亡くなった少年が出てきて
    この三者と現世がつながっていく、不思議な「縁」も見どころ。


    誰にも秘密があるが
    椿山氏の妻と元カノと息子と父親と
    あらゆるところに秘密・・・もとい、嘘があり
    そのいくつかは優しくもある。
    なかでも、ボケたふりをする父親(おじいちゃん)とすべてを知っていながら知らないふりをつきとおした聡明な息子は男としての姿勢がとても美しく
    元カノとの対談でまるっと使われている一章分は
    こたえるものがありました。愛とは、幸せとは。
    好きの行きつく果てはここなのだろうか


    ほかにもエピソードは多くあるけども
    しんみりかと思えば、どちらかというとエンタメ小説。
    死後の役所的なところとか、現世の皮肉めいているところとか。クスリと笑えるところもあり。
    でも「人生」を感じる、不思議な後味の残る本でした。
    ドラマとか映画もあるらしいので、機会があれば見てみたい。

  • 愉快愉快タイムトラベル

  • 泣けた!
    子供が出てきたら、もう駄目ですよ!
    ベタなストーリ展開で、感涙のファンタジーミステリー!
    コミカルな描かれ方が逆に胸に響きました!

    ストーリとしては、働き盛りの46歳で突然死した椿山課長。
    現世と来世の中間のお役所の裁きに納得がいかず、さらに、家族や会社への想いを果たすため、現世に7日間だけ戻る事に。
    しかし、その姿はセクシーな美女。言葉使いも女性の言葉使いに!この辺がコミカル(笑)
    同様に、間違えて殺されてしまったヤクザ組長の武田と交通事故で亡くなった小学生の雄太も現世に戻り、それぞれ姿を変えてやり残したことを果たしていきます。

    実質3日間の現世の中で、それぞれの立場から、やり残した想い、やり残したことを解決していこうとします。

    しかし、その結果、椿山は、さまざまな真相、女友達の本当の気持ちなど、ショッキングな事実を知ってしまう事に!

    そして、それぞれのストーリが一つにつながっていくところがベタなストーリ展開。
    そこで浮き彫りとなる、家族の絆、親子の絆に熱い物が込み上げて来ます。
    子供がらみはとりわけつらい(笑)
    家族を大切にしたいという思いがさらに深まりました。

    通勤電車の中では読んではいけない!

    とっても、お勧め!!

  • 何気なく見ていたネットに、この作品が紹介されており、評価が高かったことから手に取った。

    浅田次郎作品を読むのは初めてであったが、評判に違わず大変面白かった。赤の他人と思っていた登場人物同士が読み進めると、どんどん複雑に絡み合っていく。読み始めたら、ついついページをめくらざるを得なくなり、止めどきが難しかった。

    そんな面白い作品だったが、最後の締めくくりだけが自分にはしっくり来なかった。もう少しハッピーエンドで終わらせてもらえたら良かったのに・・・。ちょっともったいなく感じたが、それは贅沢かも?

  • 46歳、働き盛りの椿山和明は、仕事の接待中に突然死する。いわゆる過労死である。
    中古住宅を買ったばかり、ローンが残っている。
    愛する妻・子は俺が死んだらどうなるのだろう?
    施設に入っている痴呆の父はどうなるのだろう?
    仕事の一番忙しい最中に死んでしまった。
    心残りばかり。
    冥途への道を歩いていると、そこは現世と来世の中間にあたる世界で、「スピリッツ・アライバル・センター」なるお役所があった。なんでも、現世で罪を犯してきた者も、そこで講習を受けた後に「反省ボタン」を押せば誰でも極楽に行けるそうな。おまけに心残りがあって「相応の理由」のある者は、死後7日間のみ現世に戻ることができるという。
    椿山和明は期限付きで現世に戻ってきた。美しい女性の体を借りて…。

    そこから始まる物語。
    愛する妻の裏切りや、痴呆の父のウソ、入社時以来の腐れ縁の女性の本心…。
    仕事に追われ見ようとしてこなかった事実たち。

    同じように現世へ戻ってきたヤクザの親分と、交通事故で死んだ少年が絡み合い、笑えて泣ける。
    こういうお話って好き。

  • 著者:浅田次郎(1951-、中野区、小説家)
    解説:北上次郎(目黒考二)(1946-東京都、エッセイスト)

  • ラビ子姉さんから頂く。有名な本だったが、読んでなかったな。
    浅田次郎氏の本は私にとって合う合わない激しいですが、これは楽しかったな。ノリ的には「プリズンホテル」を思い出す様なドタバタ感。生と死がテーマな分もあるがグッときました。死という悲しさもこの本を読むことで、明るく違う視点も取り入れられ前向きになれそうな一冊。
    主人公は団塊の世代のサラリーマンお父さん、死後の世界を複数の人物の視線を切り替え表現する。

  • 比類なき孤独と、そこから立ち上がろうとする人間の姿が核となっている作品。

    死者蘇生をテーマにした作品は幾多あるけど、これは上述した背景から伝わってくるコアな部分が心に染みて良かった。

    あと、途中に出てきた
    「主張は権利だけど、表現は義務」
    っていう言葉が刺さりました。

  • 2017/02/12

  • ふと気づくと、あなたは見知らぬ場所を歩いている。なぜ、ここにいるのだろう、まったく思い出せない。そのまま歩き続けると、おびただしい数の老人であふれかえるビルにたどり着く。そこで、あなたはあなたの人生が終わったことを知らされ、遣り残したことを清算するため、7日間の現世滞在が許される(現世滞在中は生きていたときとはまったく違った姿となる)。あなたは、この7日間をどのように過ごしますか? 本書は、主人公である椿山課長の、この7日間(実際には3日間)の物語である。 46歳の椿山は、呆けた父親、34歳の妻、7歳の息子を残し、突然、過労死した。その後、前述のビルで知り合ったヤクザ(拳銃で撃たれた)と、子供(交通事故死)とともに、7日間の現世滞在が許される。一家の大黒柱を失って路頭に迷うだろう家族や、遣り残した仕事の整理をつけるため、また、昔の女友達との関係を確かめるため、彼はこの7日を使う。これにより、「実は呆けてなかった父親」、「自分の部下と不倫していた妻」、「息子の父親は、妻の不倫相手」、「女友達は、椿山を今でも愛している」、「高卒ノンキャリがゆえ仕事に不満を持つ椿山は、実は会社ではだれからも愛される存在」などの自分を取り巻く事実が明らかになってゆく。知るべきでないことまで知ってしまった椿山。一方、残してきた子分たちの行く先と自分が殺された理由を追い求めるヤクザ。自分の出生の秘密を知り、最後に実の親へのお別れを言いたい子供。それぞれの人生がオーバーラップする。彼らの心中を思い、私の耳の奥で桑田圭介の「切ない胸に風が吹いていた」がこだました。涙なしでは読み進められない。出張帰りの新幹線の隣の席が珍しく空いていたことがありがたかった。 この複雑な人間模様は、椿山の父親により一本の糸に紡ぎ上げられ、なんとも爽快なエンディングを迎える。その時、ちょうど東京駅に着いた私の頭の中には、「千の風になって」が鳴り響いていた。

  • 浅田次郎のコメディ人情もの、もうテンプレ化してるけどなぜか泣かされる

  • 内容は所々曖昧。小学生の時にこれを読んで、どんな経緯か覚えてないけど校長先生に勧めた。朝登校する時に「あの本すごい面白いね」って言ってもらえたのがとっても嬉しかったのはよく覚えてる。

  • おじいちゃんは勝手にミッキーカーチスと思い込んで読んでいたので、映画は桂小金治、ドラマは津川雅彦が祖父役というのを見て、小説だけで留めておこうと思いました。泣いてしまいました。

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著者プロフィール

浅田 次郎(あさだ じろう)
1951年、東京都出身。
1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木三十五賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を、2010年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、2016年『帰郷』で第43回大佛次郎賞それぞれ受賞。2015年には紫綬褒章も授与されている。
2018年現在、日本ペンクラブ会長、直木賞、柴田錬三郎賞、山本周五郎賞の選考委員を務める。2018年12月15日、『輪違屋糸里』が藤野涼子、溝端淳平、松井玲奈らの出演で映画化。

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