- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022644145
作品紹介・あらすじ
作家・高村薫が、現代日本のさまざまな社会問題を鋭く批評した時事発言集。「説得力ゼロ」の小泉語法、「論理も懐疑もない」安倍…。揺れ動く政局に怒りつつ、日本の未来を憂う。「言葉」と闘い続ける作家が、感情をなくし、言葉をなくした日本人へ、最後の警鐘を鳴らす。
感想・レビュー・書評
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主に新聞に書かれた文章であるだけに
新聞に書いてあるような文章と同じくあっというまに読めて
そこに「作家的」は感じないが
「作家的世評」というものは同時代にしか価値を持ち得ないかもしれない
というより以前に大衆が表明する世論というものはその時々のものでしかなく
明日になり来月になり来年にはもうそこにない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
知人に紹介いただいて読んだ。
この時期は小泉首相の時代でまだ自民党が大敗する前、東日本大震災では無く神戸の地震などが時評として出てくるが、正に歴史は繰り返すという感じがする。
その時に感じたことを自分の言葉で表現することは、非常に大事な事なのだと改めて感じさせられた。 -
高村薫は右翼かと勝手におもっていたのだが、驚くほどに思想信条の似た右目のリベラルでした。小泉政権に対する違和感と消極的支持、安部政権の幼稚さへの忌避感、政権交代への期待と民主党への不信感。全てが混ぜこぜになった中でそれでも思考をやめない、諦めない。言葉を捨てない作家の矜恃を見ました。
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非常に興味深く読ませていただいた。大好きな作家である高村先生の頭の中が垣間見えられた。くりかえす小泉批判。国民よ、選挙に行け!民主主義である以上選挙でなければ何も変わらないし、投票率が50%を切るということは国民の半分が国や町をよくすることを放棄しているというこの現実、いたって不健康。政治家のせいだけなく、国民の責任であることは間違いない。なので、選挙に行け。非常に納得。
しかし、同じ話題(小泉批判、選挙行け)が繰り返されるのは正直しんどい...
政治に関心を持たなくてはいけないことを身につまされた。自分(国民)の考えを変えなければ、国は変わらない。おそまきながら文藝春秋とか読んでみようかな。 -
世界や社会の問題を自分の皮膚感覚でとらえることにこだわり、その言葉にし難い感覚を、慎重に言葉を選び、多量になることに臆することなく積み重ねて解き明かそうというスタイルは、著者の小説作風と変わらない。複雑な事柄は単純な言葉で説明することはできないのだ、という著者の主張は、「わかりやすい政治」や「簡易なコミュニケーションツール」は、それ自体「思考の単純化」でしかないという批評につながっていく。
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元来、彼女の本職であるサスペンスが好きだったのですが
AERAで彼女のコラムに出会って、
視点もさることながら、描写の深さに感銘を受けました。
各年の年表もあり、昔を思いながら、また
其の頃の自分の考えと照らし合わせながら
楽しむことが出来ました。