震度0 (朝日文庫 よ 15-1)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (483ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022644350

作品紹介・あらすじ

阪神大震災の前日、N県警警務課長・不破義仁が姿を消した。県警の内部事情に通じ、人望も厚い不破が、なぜいなくなったのか?本部長をはじめ、キャリア組、準キャリア組、叩き上げ、それぞれの県警幹部たちの思惑が複雑に交差する…。組織と個人の本質を鋭くえぐる本格警察サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 地震そっちのけで、何してんねん!って感じ。
    阪神大震災絡みの内容かと思ってたんやけど、違った…
    対比に阪神大震災は…ちょっと…

    早朝に、グラグラ〜!で、起きたら食器棚の中の食器が崩れて…
    更に便器の中にアヒルが浸かってた〜(本物ではなく、陶器の入れ物)
    でも、京阪電車と近鉄電車は、動いてて、京都駅に着くとJRは完全ストップ!公衆電話も受話器取っただけで「ツー…ツー…」やった。
    うちの辺は、まだ、大丈夫やったけど、三宮とかあっちは…

    そんな阪神大震災が起こってるのに、警察で出世争いか!
    お前らに、国民を守るとかはないんか!
    相変わらずのドロドロ感たっぷりな…
    でも、警察内部の昼間が行方不明になっても、その人の心配せんと立場とかばっかり気にして対処するのは淋しい…
    こんな組織なら、要らんわ!って思ってしまう。
    警察官になった頃を思い出して、初心に帰って、出直して〜!

  • 『震度ゼロ』

    テンポ  ★★★
    犯行動機 ★★★★
    意外性  ★★★★★

    【読み終えて】
    横山秀夫さんの作品は「64」「半落ち」含めて複数冊です。事件発生から解決までいくつか山があること、そう緊迫した流れが病みつきになり、読み続ける作家さんとなりました。

    震度ゼロは、過去読了の作品と比較してテンポはゆったりです。全体の8割を終えて、ようやく事件全体の概要(容疑者、動機)が見えてくるという構成です。
    一方で、この容疑者に意外性があり、かつ動機が筋が通っている構成です。

    横山作品をじっくり読みたい方、また、警察内部の権力関係をテーマにした作品が好きな方はぜひに・・・です。

    【物語】
    阪神淡路大震災が発生した当日、一つの県警本部では事件が発生していました。
    それは、無断欠勤がない課長が行方不明になっているというものです。
    調査を進める中で、課長の自家用車が隣町で発見されました。

    自家用車からは、課長、課長の妻、そして第三者/女性の毛髪が採取されます。
    また、近くのガソリンスタンドでは、女性が運転する車に課長が同席している姿が目撃されれています。

    事件なのか?事故なのか?それとも課長は戻ってくるのか?

    【横山さんらしい作品】
    今回の作品は、課長の失踪事件の解明自体よりも、その解明に務める本部長、部長クラス複数名の関係性がテーマとなっています。

    ずばり、自身がさらに階級を上げるための名誉、実績そして保身です。
    そのために、取得した情報を自身が仕切る部門にのみ集約させる、会議で開示をしないという状況が多発します。
    それが影響し、本部長そして部長クラスが互いに疑心暗鬼になり、事件の真相究明にたどり着かない状況となります。

    しかし、部長クラスのなかに1名だけ「目的」、警察組織で言えば「法律」「正義」を忘却しない人間がいました。
    彼の会議での進言により、事件は真相に向けて動き出します。

    【読者レビューを観察して】
    警察内部の保身、名誉が交錯する作品です。そのことに嫌悪を覚えた感想が拝見できます。

    たしかに作品を通じてその事象を観察できます。
    一方で、横山さんは、最後のページ、ラストシーンで今後の展開を読者にゆだねる「余地」を残します。
    警察という組織が、そのまま法律・正義を放棄し、崩壊の道をたどるのか?
    もしくは、留まり、本来の役割・責務を果たすのか?

    読者泣かせなラストシーンかもしれませんね!

  • キャリアであるN県警椎野本部長と冬木警務部長を中心に準キャリアの堀川警備部長、藤巻刑事部長、倉本生活安全部長、間宮交通部長を含め6人が自分たちの保身を考えながら捜査会議を繰り返す。それぞれが足の引っ張り合いを繰広げる。妻たちは妻たちで愛憎を繰広げる。人間の本能を剥き出しにしている作品だと感じた。

    最優先すべきことを等閑にする描写は腹立たしくもある。比較的まともなのは堀川警備部長のみの印象である。ただ、ここまでダメ男が揃うとコメディの様相を呈する。

    県警の部長と不破課長の失踪やその妻は、政治家と秘書との関係に類似しているように思わされる。
    警察幹部の保身は、課長の失踪と同時に起こった阪神大震災を背景にすることで、ことの重要性との対比でコントラストが効いている。

    題名の震度0の意味するところは、終盤にわかる。
    それは激震だった。

  • 2020(R3]12.28-2021(R4)1.10

    警察署内で突然消息を立った幹部職員への対応をめぐるN県警幹部6人の密室劇。

    『踊る大捜査線』でもそうだが、「キャリア組vs非キャリア組」の対立がステレオタイプ的に描かれているが、本当にそうなのかなあと訝しみながら読み進めた。
    初めはまどろっこしかったが、中盤から伏線が絡み合って一気に読んだ。

    他の書評の中には、「横山秀夫らしからぬ軽薄さ」とあった。姿を消した幹部職員のその理由は、6人のそれぞれの思惑を絡めるための装置としての役割しかない。
    6人それぞれの思惑も深いものばかりでなく、浅いを超えて浅ましいといえるものばかり。
    それらをまとめ上げていく人物の掘り下げもそれほど深くなく、「横山秀夫にしては…。」と思ってしまう自分がいた。
    さらに、この物語は阪神・淡路大震災の発生と同時期に進んでいくのだが、この話に震災を絡める理由が分からなかった。

    などど、ワタシにしては珍しく厳しい感想をたくさん書いたが、それはそれとて面白いことには間違いなかった。
    「横山秀夫=硬派」を求めすぎたかな?
    『ルパンの消息』は、人物の軽さが逆に新鮮で楽しめました。

  • 警察小説。
    署内を舞台に、幹部の失踪が複数の視点で話は進んでいく。
    ややこしくなりがちな警察小説だが、とても読み易く面白かった。

  • 横山秀夫いいなー色んな人の思惑が入り混じって結末に向かっていく感じ最高だった最後のあっさり具合は若干拍子抜けしたけど
    いや地震そっちのけで何してんねん!すぎてにやけた

    罠の戦争もそうやけど政治と警察って切り離せないんやなあ

  • いったいなんなんだ、この「コップの中の戦争」は。
    舞台設定は、阪神大震災直後だというのに、警察署内の部長連中は,皆、震災そっちのけで身内の不祥事隠しに終始。
    誰も彼も、自分の保身しか考えていないのに呆れる。
    その妻たちがこれまたひどい。
    狭い警察署内で、みんないったい何やってんだ!

    でも、それがなんだか面白いんだから不思議だ。
    登場人物の誰にも共感できない小説だけれど、でも、やっぱり横山秀夫は巧いなぁ。

  • ドロドロの人間関係、出世欲、、、

  • 阪神大震災の朝、発覚した警務課長の失踪をめぐり、本部長を含む県警幹部がそれぞれ自分を守るため水面下で行動を起こす。一方、その妻たちもそれぞれの思惑に従い、動き回る。

    みんな失踪した警務課長の心配をせず、自己保身ばかり考えている。唯一同感できたキャラは警備部長だった。
    スピード感があって面白かった。意外な結末。

    警察物を書くことが多い著者だが、いつも裏切らない。

  • 横山秀夫氏の作品にしては、本筋とはあまり関係の無い描写が多く、朝日新聞出版刊ということもあり、もしや新聞小説にありがちなページ数を稼ぐ悪いパターンかと思って調べたが、純然たる書下ろし小説でした。となると、阪神淡路大震災と警察内部の権力争いだけで小説になると見切り発車して書いた小説と思えてしまうほど、イマイチでした。
    「陰の季節」を代表に「出口のない海」「第3の時効」「深追い」「顔」など傑作を連発している作家の仕事ぶりだとは思えないほど、本作品のレベルの低さにガッカリです。
    「ルパンの消息」と本作、手を出してはいけない数少ない例外的な横山作品だと思います。

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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