街道をゆく 3 陸奥のみち、肥薩のみちほか (朝日文庫)

著者 : 司馬遼太郎
  • 朝日新聞出版 (2008年8月7日発売)
3.79
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022644428

街道をゆく 3 陸奥のみち、肥薩のみちほか (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

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  • この人の著作は、小説よりもこういう作品のほうこそ味があって面白い。
    私にとっては紀行文にハマるようになったきっかけでもある。

    本書は同シリーズ三作目。単体としても面白いのだけど、先に一巻・二巻を読んでおいた方がより楽しめるかとも思う。というのも、『街道をゆく』シリーズの原点は一番最初「湖西のみち」での"日本人はどこから来たのだろう?"という問いにあるから。
    「湖西のみち」や「韓のみち」で、現代日本人に繋がるひとつの流れである半島からの古代渡来人についての考察が様々に述べられていたのに対して、本書は明らかにそれらとは異質な民俗的要素を持っていた人々が居たと思われる、南九州や奥州についての考察の旅。
    とくに、言語学的な観点から鹿児島弁の中に非日本語的な子音単独使用の要素を見出だしている「肥薩のみち」は興味深い。
    また、南方の島々等で見られるいくつかの特徴的な風習が、大陸には存在せず、日本にはあるのだとか。
    中央の大和人達とは別種のルーツを持っていたと推測される南方系の系譜を引く人々が、古代のどこかの時点で鹿児島に拠点を置き、次第に日本列島内に散らばっていったのだろうということが想像される。

    鎌倉時代から明治西南戦争の時期まで一貫して、中央の人々の恐怖の対象であったという特異な島津武士団の形成も、そんな南方人的な要素が基礎になっていたのかもしれない。
    700年の伝統を持つ鹿児島士族団の凄まじさを良くも悪くも象徴する西南戦争の田原坂戦を、地元のお年寄りの体験談も交えつつ想起する描写も面白い。
    田原坂戦跡では弾丸と弾丸が空中で衝突したものが多数見つかるのだとか。局地戦としての密度の濃さを示す、世界的にも類を見ないその事実から、本書では読み手の想像を鹿児島士族の人間風景へと結びつけていく。

    「肥薩のみち」で考察される南方系の人々も含めたいくつものルーツの人々が、血も風俗も言語も様々に混ざり合いながら、多少の地域性を備えつつ紆余曲折を経て出来上がったのが今の日本人なんだろうか。そんなことを思う。

  • 陸奥、肥薩、河内の道。

  • その土地土地に歴史あり。
    じっくり読みたい本。

    2013.12.3読了

  •  知らないで借りたのですが、「ほか」にあたる、「河内のみち」が面白かったです。地元なので。

  • 鹿児島・熊本旅行の事前準備としてこの本を読んだ。相変わらず観光ガイドに載っていない地名ばかりであった。地元の友人にお願いして島津氏の難攻不落といわれた竜ヶ城に連れて行ってもらった。案の定、「そげいな場所はどこにあるでごわすか?」(※標準語でした)。城跡に入る所に看板表示はなく彷徨い、不安になりながら細い一本道を山奥へと駆け上がって行った。着いた先は桜が満開で蒲生町が一望できる絶景ポイントだった。いまや地元住民にしか知らない穴場なのだろう。いい場所なのに古いものが忘れられていっているんだなとつくづく思った。

  • 2010/10/30
    52

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