街道をゆく 7 甲賀と伊賀のみち、砂鉄のみちほか (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.26
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本棚登録 : 73
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022644466

作品紹介・あらすじ

直木賞受賞作「梟の城」にゆかりの「甲賀と伊賀のみち」、人気の短編小説「おお、大砲」の舞台ともなった「大和・壷坂みち」を歩く。海に生きる漁業の民をルポした「明石海峡と淡路みち」、さらには「砂鉄のみち」とつづく。島根県、鳥取県、岡山県の山間のタタラ遺跡を著者は訪ねる。日本と朝鮮文化について考え続けていた著者にとって、砂鉄は重要なキーワードだった。

感想・レビュー・書評

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  • (01)
    媒体は週刊朝日,本書収録分は1973年から75年頃に取材され,記述され,掲載されたものである.三重,滋賀,大阪,奈良,兵庫(淡路),島根,岡山などへの旅の記録であるが,筆はもちろん周囲の地域や,海や島,半島や大陸へと及んでいく.
    彼らの旅行は,著者のほかにも,挿画家,編集者などのほかに,ところどころの郷土史家(*02)が伴われ,取材や描写は,経営者をはじめ,道で出会った人,そこで働く人たちまでに及ぶ.
    昭和50年代にかけては,鉄道やバス,旅客船など,ひととおりの公共交通手段も整っていたであろうが,彼らは主に自動車での移動を試みている.
    こうした条件のもとに描かれる風景は,それでもなお懐かしい.著者が歴史作家であるという理由もあるだろうが,古代から中世近世を経て,近現代までの土地土地の風景や,人が住まうにいたった情景をさらりと描いている.
    「街道をゆく」というテーマであるから,土地への執着は深くはない.それは自動車という移動手段にもより,時にはどたばたと強行な移動もしているから,土地と土地のつながり,人がどこから来てどこへ行こうとしているのか,という観点や目線による浅さでもある.
    その浅さは,思考や発想の軽さを容易にし,多くの場面で著者の大風呂敷な文明観が開陳される.砂鉄の話,漁法の話,松や楠の話,戦闘と防御の技術の話などは注目に値する.
    心安く,数々の印象的なエピソードを楽しみながら旅行記として読むのも楽しいだろうが,大風呂敷の歴史的な空想が広げてくれた世界観を楽しむのも本書の読み方のひとつであろう.

    (02)
    宮本常一のテグスをめぐる説,四手井綱英の松枯れについての言及など,歴史的な史料だけでなく,著書が,当時の最新の学説等も漁ったうえで,これらの旅行記を執筆していることは覚えておいてよいだろう.

  • なんとなく、歴史ではいつもどの地域にも大名とか殿様ってのが居て地域を支配していたと思っていたのだけど、ここ最近の読書で自治を維持した集団(主に僧や宗徒)があるのだということを学んでいる。権力も一概ではないな。

    砂鉄のみちの日本が歩んできた鋳鉄の歴史面白かった。日本は森林と水に恵まれたため鉄が安く精製でき、農具としてかなり発展したためそれが生産性に繋がったと。古代、明らかに文化を牽引していた朝鮮は森林枯渇のため儒教的な発展を望まない地になった、という見解はとても面白く読みました。
    また古事記に言及した実際的なスサノオや八岐大蛇の存在など、興味深く読んだ。シバサンの時代を超えて現実を読もうとする姿勢好きです。楽しい。

  • 甲賀と伊賀が峠ひとつ境にしているだけであることを初めて知った。歩き比べてみるのも面白いかもしれない。
    砂鉄のみちで森林資源が豊富だからこそ、鉄を作れたのだというのになるほど。鉄を作るのには大量の木が必要なのだ。タタラ場を中心とした文化に興味が出た。

  • 今年は「街道をゆく」をゆっくりと振り返りながら、読み返す。

  • 旅に出る前には司馬遼太郎を読みたくなる
    自分と違う目線で旅が2度楽しめる本

  • 表題作のほか「大和・壺阪みち」「明石海峡と淡路みち」を収録。砂鉄の~は出雲の旅で、鉄の一般化が農地開拓を容易にし、増大した収穫が農業以外の産業を生み出した。なるほどなぁ。古代における朝鮮民族との交流も興味深い。

  • 403

  • 伊賀へ行くための参考に。上野城の扱いがちいさく残念。でも少しだけ雰囲気はつかめた。
    淡路島は面白かった。

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著者プロフィール

司馬遼太郎は、1923年、大阪市生まれの日本の歴史小説家・エッセイストである。故人。
本名、福田 定一(ふくだ ていいち)。大阪府大阪市生まれ。筆名の由来は「司馬遷に遼(はるか)に及ばざる日本の者(故に太郎)」から来ている。
特に歴史小説の大家として知られ、代表作は「竜馬がゆく」「坂の上の雲」「翔ぶが如く」「燃えよ剣」「新撰組血風録」「菜の花の沖」「花神」「世に棲む日日」「梟の城」「関が原」「功名が辻」「国盗り物語」「街道をゆく」「十一番目の志士」「城をとる話」「風神の門」「二十一世紀に生きる君たちへ」他多数。その多くが大河ドラマ化、テレビドラマ化、映画化、コミック化などの形でマルチメディア展開されている。

司馬遼太郎は産経新聞社記者として在職中の1960年に、『梟の城』で直木賞を受賞。
1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞を受賞したのを始め、数々の賞を受賞。
戦国・幕末・明治を扱った作品が多い。
1996年2月に72歳で逝去。
2001年には、東大阪市の自宅隣に司馬遼太郎記念館が開館。

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