街道をゆく 8 熊野・古座街道・種子島みちほか (朝日文庫) (朝日文庫 し 1-64)
- 朝日新聞出版 (2008年9月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022644473
作品紹介・あらすじ
西南戦争の揺籃となった私学校は南方の習俗としての「若衆組」と同義ではなかったか、という仮説を検証すべく歩いた「熊野・古座街道」「大和丹生川(西吉野)街道」と、薩摩の士族文化の残像を求めて飛んだ「種子島みち」。いずれも大作『翔ぶが如く』の執筆と並行する旅だった。ほかに「天領」日田の豊かさや由布院の新しいまちづくりを実感する「豊後・日田街道」を収載。
感想・レビュー・書評
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種子島道の章から読み始めた。(HPの日記より)
※2008.4.15購入、これより旧版
2008.4.15読書開始
2008.6.1読了
売却済み -
若衆組や種子島の歴史など、興味深い知識が溢れている。
今の年齢になってこそ楽しめる作品だと思います。 -
司馬遼太郎さんの1976年頃の旅の記録。まだ彼方此方にロードサイド店だらけになる前の田舎が残っている中を歩いているので、読んでるとNHKの新日本紀行を今見るのと同じような感覚になります。文章的には司馬さんが目的意識なく歩いている時の方が話が発散して面白いです。
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『街道をゆく』は、言葉の旅でもある。
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今回も四部構成、「熊野・古座街道」、「豊後・日田街道」、「大和丹生川(西吉野)街道」、「種子島みち」からなる。
引き続きシバさんは「翔ぶが如く」を執筆中らしい。九州の道を歩いているときは当然として、熊野・古座や大和といった機内を歩いている時でさえ、思索が薩摩のどこかを浮遊しているような様が端々で感じられる。前巻でも味わった感覚であるが、このあたりが感じられると二倍にも三倍にもおもしろい。
また一見ランダムに見えるこの行程選択の中で、熊野と種子島が相関性をもって書かれている点が興味深かった。
種子島みちの項に関して今回のペアリング選択は、掟破りの同シリーズ、「街道をゆく 南蛮のみち」編、「街道をゆく 砂鉄のみち」を含む七巻、「街道をゆく 紀ノ川流域」三十二巻を選択。この島に漂着したのがなぜポルトガル人だったのか、なぜこの島の支配階級はこの漂流者とコミュニケーションがとれたのか、鉄砲というその後の日本の歴史をかき混ぜる道具がこの島を経由することによってどういう変化を遂げたのか、鉄砲がその後どの経路を経て本州へ広がったのか、雑賀衆と鉄砲の関係とは…といった問いかけに次々と答えてくれる。
おっと、「故郷忘じがたく候」を忘れるところだった。沈壽官氏、何回会っても心地よい。酔った須田さんが浴衣に黒靴でついていく様が楽しくて仕方がない。自分も当然後ろについてゆきたい! -
熊野近辺の知識を得たくて読んでみたが、あっさりしていてやや拍子抜け。
一方、種子島と熊野の関係等、思わぬ知識が得られ、楽しかった。 -
九州は行ったことがないけど、船上から見たことはあります。桜島も見ました。この本を読んで、単に好きであった「焼き物」も歴史をたどると、明と暗の部分があることがわかりました。
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熊野・古座はもっと古代のことを書いて欲しかった。江戸期までの夜這いや若衆はあまり興味がわかなかった。
種子島は中々おもしろかった。南方の小さな島に、住吉神社や熊野神社があるのは紀州など中央と交流があったからというのは面白い。海流のせいなのか。根来衆も種子島に寄っていたのか。
薩摩と対等に近い関係だった。