街道をゆく 10 羽州街道、佐渡のみち (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022644558

作品紹介・あらすじ

「羽州街道」では、家康に挑戦した上杉景勝、参謀の直江兼続ゆかりの米沢などを歩く。筆者は上杉景勝について、「謙信や直江兼続の華やかさよりも好きであるかもしれない」と書いている。「佐渡のみち」では、江戸初期の佐渡でおきた「小比叡事件」の主人公、辻藤左衛門が登場する。歴史的にはそれほど有名ではないが、いじめぬかれ、最期は名誉を賭けて戦った男への深い同情を感じさせる。

感想・レビュー・書評

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  • 誰かの目を通して知る故郷

  • 本著では、山形県の羽州街道と佐渡のみちを著者が歩いている。
    羽州街道の章では、以前に大河ドラマ「天地人」の主人公ともなった直江兼続や、上杉鷹山の人物に触れられているほか、今では山形名物となっている大鍋の芋煮も紹介されている。
    佐渡のみちの章では、江戸時代初期の町奉行・辻藤左衛門に重点が置かれて著されている。
    米沢藩も佐渡も、「田舎」と呼べる地域がある。この日本人が持つ「田舎観」について著者は言及している。他国と異なり、「田舎」にはどこか蔑視の感があるというのである。確かに、「田舎者」、「お上りさん」といった言葉が定着している社会を見ると、著者の指摘は的を射ていると思える。また、豊臣秀吉が上杉家を越後から米沢・会津に転封したこと、佐渡が流刑地となっていたことなどの歴史的事実も、その裏付けとなるかも知れない。
    確かに田舎は不便な点が多い。交通の便が悪いため、モノと情報が入ってこない。佐渡では明治維新後も1ヶ月半にわたって徳川家の直轄領と認識していたようである。この便の悪さは、自然と閉鎖的な社会を生むと同時に、独自の文化を築く。本著でも紹介されていた、大量の芋を短期間で消費するために生み出されたという山形の芋煮はその一例であろう。
    現在、田舎回帰の傾向もある。都会の方が素晴らしいという妄言から、今後解き放たれていくのかも知れない。

  • 羽州は今の山形秋田。佐渡はもちろん佐渡島。謙信のあと羽州米沢に移され窮乏した上杉家や、金鉱で沸いた一時期を除き中央から顧みられなかった佐渡の話など。いずれも歴史的に華やかではないが、このシリーズはそういうトコほど面白い。

  • 『佐渡のみち』の中の、孫悟空と佐渡、の話が良かった。面白くて、何回も繰り返し読みました。よくこんな話を思いつくな、と感心します。
    西遊記なんて子供用の物語だと思ってましたが、そうでもないようです。今度一回読んで見ます。

  • 米沢旅行のお供におススメ。
    『天地人』よりもコンパクトにまとまっていてかつ非常に面白い。
    司馬遼太郎は華やかな兼続よりも寡黙で沈思黙考型の景勝さんが好きだったようで主従関係がとても好ましく思えました。

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プロフィール

司馬遼太郎は、1923年、大阪市生まれの日本の歴史小説家・エッセイストである。故人。
本名、福田 定一(ふくだ ていいち)。大阪府大阪市生まれ。筆名の由来は「司馬遷に遼(はるか)に及ばざる日本の者(故に太郎)」から来ている。
特に歴史小説の大家として知られ、代表作は「竜馬がゆく」「坂の上の雲」「翔ぶが如く」「燃えよ剣」「新撰組血風録」「菜の花の沖」「花神」「世に棲む日日」「梟の城」「関が原」「功名が辻」「国盗り物語」「街道をゆく」「十一番目の志士」「城をとる話」「風神の門」「二十一世紀に生きる君たちへ」他多数。その多くが大河ドラマ化、テレビドラマ化、映画化、コミック化などの形でマルチメディア展開されている。

司馬遼太郎は産経新聞社記者として在職中の1960年に、『梟の城』で直木賞を受賞。
1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞を受賞したのを始め、数々の賞を受賞。
戦国・幕末・明治を扱った作品が多い。
1996年2月に72歳で逝去。
2001年には、東大阪市の自宅隣に司馬遼太郎記念館が開館。

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