街道をゆく 15 北海道の諸道 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 78
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022644619

作品紹介・あらすじ

道南の函館では『菜の花の沖』の高田屋嘉兵衛、この町で布教したロシア正教のニコライ神父の生涯を考える。江差港には、幕府海軍の主力艦で、沈没に榎本武揚が戦意を失った開陽丸が眠る。旅のクライマックスは道東の陸別。『胡蝶の夢』の主人公のひとり、関寛斎の終焉の地でもある。晩年に極寒の地を開拓、深く慕われつつ劇的に生涯を閉じた。今は妻と眠る寛斎への筆者の思いは深い。

感想・レビュー・書評

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  • 函館近辺、札幌、新十津川、陸別への紀行文。
    関連する人物は、高田屋嘉兵衛、榎本武揚や関寛斎。
    また、開陽丸、屯田兵、十津川村の開拓者等の話が語られる。

  • 北海道を旅行する前に読みました。
    歴史のマニアックなところがわかるので好きなシリーズ。これを読んでからいくと、旅先がもっと感慨深くなる。今回の旅とは関係ないが、関寛斎がきになる!

  • 14/11/9読了

  • 明治前後の開拓に話の中心があり、それはそれで面白かったが、あまり触れられていないアイヌの歴史に興味がわいた。

  • 同シリーズの十津川街道ともあわせて読みたい。どんな「辺境の」場所にも人は住んでいて、どうしてもっと住みよいところへ移住しないのだろうかという疑問がいちいち湧き起ってきた。でもそれは、決して非難めいた疑問ではなくて、肯定的な、それだからこそ、というような感覚で。

  • 前にDVDで『北の零年』を見ていて、ストーリーはともかく移民たちの住居が本州のそれと変わらないので、
    「そんなわけないやろぉ」と見てました。
    特に、役柄は忘れましたが香川照之さんの屋敷は江戸の旗本のようでした。
    この本に、開拓民達が戸板一枚の家に住んで結核と肺炎で溶けるようにして死んで行った、と言ったような事が書いてあって、なるほどと妙に納得してしまいました。

  • 道南の函館、松前、江差から始まり札幌、旭川へと抜けるルートをとっている。日本の歴史を考える時、稲作とは切っても切り離せない関係になる。冷涼な気候のため、北海道はこの稲作による文化の画一化から逃れ、アイヌ文化という非稲作要素を残すことになった。

    著者は、奥羽や北海道にいた和人が冬の寒さをしのぐための建築様式を持たず、本土の南方建築をそのまま移植して合せてきたことにふれ、中央と均一化したがる意識がオンドルのような寒冷地用の家屋を採用することを阻んできたのではないか、と触れている。

    もちろん函館の価値を初めて見出した江戸期の商人、高田屋嘉兵衛も登場する。彼が主に活躍し、拿捕されて囚われの身となっていたロシア船の船長ゴローニンを解放したが、ゴローニンが記した「日本幽囚記」を読んで来日したのが、東京駿河台にニコライ堂を建てたのがロシア正教の大主教ニコライである。

  • そもそもの着眼点が全く私と違う。高田屋についてはたくさん予習ができたので函館は実に楽しかった。一度彼のような視点で観光してみたい。

  • 司馬遼太郎は良くも悪くも日本の政体を語る作家である。特に造詣が深いのは氏の「日本史は、史料の多さからいっても、また人情が通うという点からいっても室町期からほぼ見えやすくなってくる。」という言葉通り、室町から近代大正にかけてあって、日本の政体に明確な形で組み込まれるのが遅かった沖縄や北海道といった土地への造詣は、他のそれと比べていささか薄いのではないか。この書を読むまでそう思っていた。現に、同じシリーズの沖縄編は少なくとも私にとってはシリーズの他の書にくらべて、心躍ることが少なかった。

    しかし、ごめんなさい。
    司馬遼太郎先生。
    私が浅はかでした。

    あえて旅の行程を逆さにしてまで幕末から語り起こし、締めを明治開拓期に持ってくる筆力に脱帽。

    非常に興味深く、一気に読ませていただきました。

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著者プロフィール

司馬遼太郎は、1923年、大阪市生まれの日本の歴史小説家・エッセイストである。故人。
本名、福田 定一(ふくだ ていいち)。大阪府大阪市生まれ。筆名の由来は「司馬遷に遼(はるか)に及ばざる日本の者(故に太郎)」から来ている。
特に歴史小説の大家として知られ、代表作は「竜馬がゆく」「坂の上の雲」「翔ぶが如く」「燃えよ剣」「新撰組血風録」「菜の花の沖」「花神」「世に棲む日日」「梟の城」「関が原」「功名が辻」「国盗り物語」「街道をゆく」「十一番目の志士」「城をとる話」「風神の門」「二十一世紀に生きる君たちへ」他多数。その多くが大河ドラマ化、テレビドラマ化、映画化、コミック化などの形でマルチメディア展開されている。

司馬遼太郎は産経新聞社記者として在職中の1960年に、『梟の城』で直木賞を受賞。
1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞を受賞したのを始め、数々の賞を受賞。
戦国・幕末・明治を扱った作品が多い。
1996年2月に72歳で逝去。
2001年には、東大阪市の自宅隣に司馬遼太郎記念館が開館。

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