街道をゆく 22 南蛮のみちI (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 42
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (437ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022644756

作品紹介・あらすじ

1982年、筆者はフランス、スペイン、ポルトガルの旅に出る。『街道』シリーズ初のヨーロッパ行で、日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザヴィエルの人生をたどってゆく。学んだパリ大学、イエズス会の結盟を誓ったモンマルトルの丘を訪ね、バスクの地へ。生誕地のザヴィエル城では自分を「オバケ」と呼ぶ修道士が現れる。濃厚なバスク人の世界に包まれてゆく。大きな活字で装いも新たに、新装文庫版。

感想・レビュー・書評

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  • なんでこれ今まで読んでなかったんだろ〜。次回ポルトガルに行くまでとっとこう

  • 大人になってから言語を取得し、ひとつひとつの言語を身につけていくたびに、民族となること。そもそも、民族や国家という括りは、マジョリティが押し付けたものに過ぎないということ。最後の数ページが秀逸でした。

  •  最近たまたま仕事上の必要があって、司馬遼太郎の『街道をゆく22 南蛮のみち』(1984 朝日新聞社刊)を読んでいたら、冒頭いきなり「こんなホテル」と吐き捨てる女性が登場して、その名前に、すこしばかりハッとなった。
     司馬や担当編集者らがパリ市内で泊まっている、団体客ご用達のアメリカ式巨大ホテルを「いやだねえ、そばまできて、帰ろうかとおもった」などと流ちょうな日本語で腐すこのフランス人女性は、名をカトリーヌ・カドゥという。司馬は今回の取材コーディネーションをつとめてくれた彼女を、親しみをこめて(?)「カトリーヌ嬢」と呼んでいるが、黒澤明の通訳をつとめたり、永井荷風の仏訳を出したり(『おかめ笹』『腕くらべ』)と、語学力をいかした仕事が多い。

     このカトリーヌ・カドゥの監督した新作ドキュメンタリー映画が、現在開催中のカンヌ国際映画祭の〈カンヌ・クラシック〉部門で上映されたらしい(『Kurosawa, la voie』)。ベルトルッチ、呉宇森、アンゲロプロス、キアロスタミ、宮崎駿、スコセッシら、世界各国11人の映画作家が、黒澤明の映画について語るというもの。クリント・イーストウッドが、「この日本人映画監督が第7芸術にどのような影響を与えたのか説明」しているのだそうだ。その部分だけでも、見てみたい。 

     ちなみに司馬は、この『南蛮のみち』を──つまり、伝道師フランシスコ・ザビエルの故郷であるスペイン北部バスク地方をたずね歩く紀行文を──書くのに、マドリーなどスペイン国内の都市ではなく、パリを旅程の起点としている。このスタートの仕方が、この人らしくて面白い。中世の民の巡礼のみちすじを模倣したのだろうし、ザビエルの留学先カルチェ・ラタンから遡行したかったのだろう。
     途上、フランス・バスクの中心都市であり、ロラン・バルトの育ったところとして知られるバイヨンヌで、聖なる固有名詞だと思っていた「ザビエル(Xabier)」という単語が、この地方ではごくありふれた男子の名前であることを知って、司馬は愕然としてしまう。しかし現代日本では、これは子どもでも知っている事柄だ。シャビ(シャビエル)・アロンソや、シャビエル・プリエトといった有名フットボーラーがバスク人であることなど、少年たちにとっては、ごくごく常識の範疇となっているからだ。

  • ザビエルだけで、一冊終わりました。

  • 安部公房全集より

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著者プロフィール

司馬遼太郎は、1923年、大阪市生まれの日本の歴史小説家・エッセイストである。故人。
本名、福田 定一(ふくだ ていいち)。大阪府大阪市生まれ。筆名の由来は「司馬遷に遼(はるか)に及ばざる日本の者(故に太郎)」から来ている。
特に歴史小説の大家として知られ、代表作は「竜馬がゆく」「坂の上の雲」「翔ぶが如く」「燃えよ剣」「新撰組血風録」「菜の花の沖」「花神」「世に棲む日日」「梟の城」「関が原」「功名が辻」「国盗り物語」「街道をゆく」「十一番目の志士」「城をとる話」「風神の門」「二十一世紀に生きる君たちへ」他多数。その多くが大河ドラマ化、テレビドラマ化、映画化、コミック化などの形でマルチメディア展開されている。

司馬遼太郎は産経新聞社記者として在職中の1960年に、『梟の城』で直木賞を受賞。
1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞を受賞したのを始め、数々の賞を受賞。
戦国・幕末・明治を扱った作品が多い。
1996年2月に72歳で逝去。
2001年には、東大阪市の自宅隣に司馬遼太郎記念館が開館。

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