李嗣源(上) (朝日文庫)

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  • 朝日新聞出版
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022645722

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻あわせての感想です。

    李嗣源がとても地味で黙々と任務を果たすタイプなので、あまり主人公っぽくはありません。上巻は、拾った少女とのロマンスなどがありますが、下巻は結ばれたはずの少女の出番は最後の最後の方までさっぱりありませんし、それどころか50ページ以上、李嗣源自身の出番が無かったりします。

    ですから、李嗣源の小説というより、李嗣源の生きた時代の小説と見たほうが正しいです。場面も周りの十国にポンポンとびますし。既刊に「朱温」というのがでてますが、これが李嗣源より少し前の人なので、おそらく、続けて読めば唐末からの流れが小説で読めそうです。

    残念なところを上げれば
    ・あまり主人公としての活躍が無い。名将って言われてますけど、作品中華々しい勝利のシーンとかの記憶がない。青年期に15年一気に話が進むので、中年を飛ばして、いきなり初老になります。
    ・主語が変わってるのに書いてなかったりする文章があって読みづらい。
    ・場面転換が急だったりする。また、十国の話が色々入ってきます。五代十国という時代をみるにはいいのですが、李嗣源の活躍を増やしたほうが小説的には面白いと思う。例えば、楚と南漢の戦争の描写なんかはほんとにいるのかと思う。

  • この人の作品を初めて読んだ。というのは、私にとっては、至極なつかしい主人公であったからだ。大学生の時の講読で、「通鑑」の彼が登極するまでの件りを読んだからである。それで、逆に判るのだが、「通鑑」の描写、その元になった「五代史」の記事を、著者は援用している。会要も含め、それら史料が一次史料、同時代史料であるのだから、それは当然のこと。しかし、そうすると、「李嗣源」と題した本作から、ストーリーが懸け離れざるを得ない事になってしまう。それが、惜しい。更に苦言を呈するならば、描写の裏付けが欲しい。時代背景を深く論じるまでは行かないにしても、これは、当時のこういった事情のためですよ、という記述を欠いているため、浅薄に感じる所が多い。小説であれ、史伝であれ、そこを押さえて書かないと、読者をひきつける事は困難である。ただ、歴史小説で類書のない、この時代を舞台として、複数の小説をものされているのには、敬意を表したいと思う。

  • 「夕陽の梨―五代英雄伝」とほぼ同時代の別の人物「李嗣源」の生涯を描いた中国歴史物。とにかく登場人物が多くて場面転換めまぐるしく、表題となっている李嗣源もあまり目立たずストーリーの起伏にも乏しい。読み進めるのが大変でした(笑。ページをめくるごと(’変わるごと’ではない)に人名/地名等の難読漢字にルビが振られているのはありがたいです。レイアウトする人は大変だったでしょうけど(今日日、この程度は自動で出来るのかな?)。

  • 草原で遊牧したころから始まる五代十国の李嗣源の話。途中で影が薄くなったけど。このころの李存勗はかっこいいなあ。

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著者プロフィール

1973年、大阪府生まれ。信州大学人文学部に入学後、北京に留学。2年間を海外で過ごす。2006年『夕陽の梨―五代英雄伝』で「歴史群像大賞」最優秀賞、また同年『僕僕先生』で「日本ファンタジーノベル大賞」大賞を受賞しデビュー。「僕僕先生」「千里伝」「くるすの残光」などのシリーズをはじめ、歴史・警察・伝奇など様々なジャンルを書いている。

「2018年 『飯綱颪 十六夜長屋日月抄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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