春駒日記 吉原花魁の日々 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 138
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022645845

作品紹介・あらすじ

19歳で吉原に売られた光子。絶望し自殺を考えるも、日記を書くことで己を保ち続ける-。「恥しさ、賎しさ、浅ましさの私の生活そのまま」を赤裸々に綴り話題を呼んだ『春駒日記』、約80年ぶりの復刻。婦人雑誌に寄せた手記の他、脱出時の新聞記事なども収録。『吉原花魁日記』第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 吉原に身売りされ、毎日のように客を10人も取らされる日々。そんな中でも自分を失わないように日記をつけ、歌を詠む春駒。白蓮を知ることによって、自分の置かれている場所から逃げるという道を選ぶ。白蓮夫妻が、彼女を吉原に返さず、親身になって社会運動家に彼女を繋いだことに安堵した。ほんの70年ちょっと前、戦前は女性の地位は低く、貧しさを理由に人身売買が行われていたこと、水揚げの4分の3は遊郭の主人が受け取り、女郎はたった4分の1しか受け取れない。そこから借金を返し、医者代や衣裳代、髪結い代などを引かれたら、いくらも手元に戻らず、いつまでも借金は返せない。ひどい仕組みだったということもよくわかった。

  • 正直に言って興味本位だったわけですが、読んでみてそれだけではない感情を持ちました。
    借金をせざるを得ない環境、今ほども教養のない状況、そういったものから虐げられていた人たちを興味のみで見ることはできないな。
    脇道なのかもしれないけど、教育、教養、知識と言ったものの重要性を強く感じる一冊でした。

  • 大正時代、吉原の遊郭を脱出して、白蓮夫人(大正三美人と言われた、大正天皇のいとこ)の家に逃げ込み、助けてもらった花魁の、日記。先日読んだ「光明に芽ぐむ日」と同じ著者。
    生きながら牢屋の様に逃げることができなかった、吉原の遊女。彼女は文学が好きで、日記をつけていた。
    遊郭における遊女同士の人間関係、お客さんの様子が細かく書かれている。病院でリンパ腺の手術を受ける部分は、壮絶である。
    自分を売った母親の死に目に会うことができたものの、葬式に参列することは親戚が世間体を気にして許してくれない。
    政府ぐるみでこの恐ろしい伝統的な売春が行われていたというのは、日本の恥の歴史だ。
    涙なくしてこの本は読めない。
    ただ、遊女が病気になった時みんなが助け合ったり看病しあったりする様子は感動的だ。苦労している女性たちなのでお互いの痛みがよくわかるのだ。
    この著者は、この後結婚した。夫婦でやくざに追われていたようだ。その後のことは誰も知らない。幸せに一生過ごしたのだろうか。

  • 第二弾だけれども内容全てが続編ということではない。書体が日記形式ではないが、ほんの数頁でポロッと書いてるエピソードがその人や出来事を思い出しながらしたためているんだなぁと寧ろリアリティがあった。玉のつけ方、廓内の忙しいスケジュール、貧しい食事、身につける・口にする物全てが遊女の借金になる理不尽なシステム、不衛生な病院内…知るほどに、煌びやかなことなんか上辺だけの世界なんだと痛感。巻末の脱走記、新聞記事が"これは本当にあった出来事なんだよ"と訴えかけてるようだった。

  • 大正初期、吉原には、7000人の娼婦が花魁として死に物狂いで生きていた。吉原病院での悲惨極まる病床生活。そして吉原からの脱出劇。ドキュメンタリーとして、また歴史的資料としても非常に貴重な読み物だと思う。後半部分は凄く重いが、前半部分のダメ男話はかなり笑えるものがある。一読の価値あり!

  • 『吉原花魁日記』と同じ著者による本です。
    前作の補完のような形で、著者が遊郭にいた時のエピソードが複数描かれています。
    著者が脱出した後の遊郭の様子や、著者の親友であり同じく花魁であった千代駒の脱出の様子など興味深い内容となっていました。
    前作と今作は過去に出版された物の復刊のような形ですが、著者である森光子さんの晩年が不明ということで著作権継承者も判明していないそうです。
    遊郭の中から、遊女の視点から描かれた前作と今作はとても貴重なものであり、多くの人に読んで欲しいと思いました。

  • 吉原花魁鎮魂の書。

  • やっぱりこの手のものはもう読んでくださいとしか言えないです。

  • 昔の遊女の方の日記といので、
    すごく悲惨な感じを想像していたけど、意外と淡々と毎日の出来事が綴ってあり驚きました。…劇的でないだけに、ほんの少し昔、これが日常だった日本の女性がいたと思うと、何とも言えない気持ちになってしまいました。

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