- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022646361
感想・レビュー・書評
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宇宙は無限だが、
その無限が2倍にも3倍にも広がる方法がある。
・・・と、あえて、うさんくさい言葉を用いてみたくなった。
でも、それが
「他人と話す事」
(出来れば、気の合う人か、話の分かる人なら、尚いいのだが。)
と、すれば多少の同意は得られるだろうか?
谷川俊太郎さん(詩人)の宇宙。
高田宏さん(文筆家)の宇宙。
吉本ばななさん(小説家)の宇宙。
が、混合して、
おおっ、なんと3倍どころか、無限の3乗まで広がりつつあるような対談集。
言葉が秘める可能性へのわくわくで、
胸がいっぱいのお三方には、まだまだ話し足り無かった様な、消化不良だった様な、そんな雰囲気も。
小さな文庫本の中で語るには窮屈すぎたのかも知れませんね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こんな巨匠方と気後れせずに鼎談できるばななさんは凄いなぁと、どういう目線なのかよく分からない感想を初っぱなから抱きつつ、頁を繰りながら、自分はどうであったか、自分はどうであるか、を省みてみたくなる(実際、した)、そんな一冊でした。
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タイトル買い。あんまり印象深いエピソードはない。
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二大好きな作家の競演。しかし別々の方が好きかな。
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昔ゼミで「吉本ばななの小説はもはや漫画である」って聞いたことがあって、心のどこかでそれが引っ掛かっていたのだけど、ここでもそれに出会えてちょっと感動した。
文章の軽い、重いの話が好き。例えば田辺聖子の文章は、軽いけど命が宿っている軽さ、だと思う。
高田さんの、お酒を飲んでいたら頭の回転が速くなったように感じられるって話、私もそうなんじゃないかと思っていたからうれし。
ばななさんの、机に向かうまでが長くって、、の話も「そうなんですよねっ」って言いたくなる。あと、理想の恋愛観も。「自然にしつつも努力している」
あと中沢新一の話が出ていてびっくり。ちょうど並行して読んでいたから。つながるものなんだなーと。
谷川さんってあまりにも有名なひとだから、作品がひとり歩きしちゃってる感じも受けていて、、でもこれを読んでなんだ、素敵なおじさまじゃないかと思った。吉本隆明さんにちょっと存在が似ていると思った。 -
ことばを生み出す鼎談集。生活に対する普通の世間話から始まって自然に鼎談は宇宙の深遠へと通じていく。往々にして言葉をあやつる三人は「生活」「仕事」「死」を三角宇宙としてとらえていて、かつユーモアを交えながら生きているんだなあと思わざるにはいられない。三人がそれぞれ「死」を朗らかに受け止めているのが心に留まる。
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私が谷川さん大好きすぎるからか、谷川さんの言葉だけが輝いて見えて、高田さんは利口ぶって見えて、対談はあんまりかみ合っていないという印象でしたが・・・
文章の重い・軽い・乾いた・湿った、といったことと、著者の現実認識との関係とか、
女のことば・男のことば、のくだりが面白かった。
ただ重く見える言葉が重いわけではなく、
漢字だらけの文章が高級なわけでもない。
軽さにも羽毛のような軽さと小鳥のような軽さがあるんだそうです。
自分にとって快適なことばについて改めて考えられてたのしかったです。