f植物園の巣穴 (朝日文庫)

著者 : 梨木香歩

• 朝日新聞出版 (2012年6月7日発売)

感想・レビュー・書評

[斐さんの感想 · 2012年12月16日]

蛙小僧が出てくるまでが長かった。それからは全体が見えてきて一気に読んでしまった。感涙。雰囲気は家守綺譚に近い。

[いけみんさんの感想 · 2012年12月9日]

うまく言えないけれど、
自分がこの世に生まれてきて、今ここにいることが、
心にストンと落ちる。

読み終わったあと、世界が優しく見える本。

[nezinejiさんの感想 · 2012年11月30日]

家守綺譚のようなものを期待して読んだので、序盤はちょっと期待はずれかなぁ～というように感じました。しかし、カエル小僧？が出てきたあたりからの終盤の展開で一気に引き込まれまれてしまいました。ちょっと泣けます。

[quabuchiさんの感想 · 2012年11月21日]

夢と現が交錯してこんがらがった話の筋が
主人公の記憶がよみがえるにつれ紐解かれていく様は
離れ離れだった島々が引き潮によってひとつに
繋がっていくようだった。

[charlie-irukaさんの感想 · 2012年11月21日]

不思議な話。喪失がテーマかな。ラストがとてもよい。

[たさんの感想 · 2012年11月21日]

夢みたいな非現実的な所謂梨木ワールド全開な作品。

歯医者での場面がとても良い。
この歯医者がまたいい加減でいい加減で良い。

[todo23さんの感想 · 2012年10月31日]

『家守奇譚』系列の作品ということで、久しぶりに梨木さんの本に手を出しました。
確かに幻想譚です。幻想が幻想を呼び、更に次の幻想へと繋がってゆく。
幻想は幻想として楽しめば良いのだと分かっていますが、話がどこに進もうとしているのか不安になります。
『家守奇譚』は短編集なので、話が変わる度にリセットされる感じがありますが、この本は長編なので幻想の連鎖に止めどなく巻き込まれてしまいます。もっとも最後は強引な位スッと正常世界に戻るのですが。
端正で古めかしい文体と特異な雰囲気、本当に独自の世界を作るのが上手い作家さんです。読み応えは充分ありました。

[mkさんの感想 · 2012年10月30日]

夢かうつつか。こういう本は頭が混乱して疲れる。だが自分の内にもこういう感覚はあって、全く異世界とも思えない。いずれ夢かうつつか、過去か現在か訳がわからない穴ぼこに落ちる時が来そうだ。

[maedayasさんの感想 · 2012年10月25日]

夢オチ？
途中までは、佐田さん、果たして生きているのか、死んだのか、気が気でなかったが、最後はホッとする、暖かい結末で良かったと思う。

[r1010039さんの感想 · 2012年9月29日]

今ここが、夢なのか現なのか。それが分からなくなる世界に足を踏み入れ、それに慣れていく。前世が犬であった歯科医師だとか、突如現れ口をきく福助の在る世界に。
そして、いきなり視界が開ける瞬間がおとずれる。まさに、「鳥肌」。
これがあるから本の穴に迷いこむのはやめられない、と思える一冊。

著者プロフィール

1959年生まれ。小説作品に『西の魔女が死んだ　梨木香歩作品集』『丹生都比売　梨木香歩作品集』『裏庭』『沼地のある森を抜けて』『家守綺譚』『冬虫夏草』『ピスタチオ』『海うそ』『ｆ植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』など。他に『岸辺のヤービ』『ヤービの深い秋』がある。

「2020年 『風と双眼鏡、膝掛け毛布』 で使われていた紹介文から引用しています。」