あなたと共に逝きましょう (朝日文庫)

著者 : 村田喜代子
  • 朝日新聞出版 (2012年6月7日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022646682

作品紹介

老い方の下手な団塊世代夫婦を突然襲った、夫の動脈瘤破裂の危機。妻はどのように受け止め、そして暮らしたのか。食事療法を行い、湯治のために硫黄噴く北の岩盤浴の地へ向かう。人間の体と心の奥深い謎に潜り、病が変える人間関係をみつめた長編小説。

あなたと共に逝きましょう (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 破裂寸前の胸部大静脈瘤が発見された64歳の男の2歳年下の妻を主人公にした夫婦の物語。<br />
    一刻も早い手術を勧める医者。仕事を理由に、実は恐怖から引き延ばしを図る夫。それを献身的態度で支える妻。<br />
    私自身心臓を患った経験もあり、年齢も近いことから妙に親近感を感じてしまいます(私は引き延ばしは図りませんでしたが)。<br />
    深刻な状況の中、献身的でありながらどこか醒めた目で夫を見、理性的に対処しながらも夢の中では妙に官能的になる。その2極が絶妙にバランスしていて、その狭間に奇妙なユーモアが漂う。<br />
    読んでいて思わずニヤリとしてしまう。巧いなあ。

  • 60代、共働き夫婦。
    夫に「いつ破裂するかわからない爆弾」大動脈瘤が見つかる。
    検査予約、入院、民間療法、手術予約、そして手術。
    夫の感情の変化も、妻の心の中での「悪態、」「子を思うように夫を思う気持ち」「死なばもろとも」と思う気持ち・・・手術後の、鬱に近い状態。
    「これってノンフィクションなの?」と思える細やかさで描いてます。

    病院や湯治、食療法につきあいながら、主人公の妻は夢の中で「遊女」になった夢を見るようになるんですが、「うまいなあ」と思いました。
    死に近い肉親といると、自分も深くて暗い沼にズブズブと片足突っ込んでしまい、どうしようもなくなっちゃうことがありますが、その感じがよく出てました。

    この前に読んだのが「キャベツ炒めに捧ぐ」。
    思いがけず、60代が主人公の本が続きました。
    もう少し先のことですが、ああ私にもくるんだなあ・・・。
    と、少し、しみじみしました。

  • 還暦を過ぎても元気だった夫が体の不調を訴え、動脈瘤の診断を受ける。
    助かるためには手術しかないと診断され、妻は夫のために食事療法を行い、湯治にも付き添う。
    そしてふたりは手術の日を迎える。

    あらすじとしては感動的な夫婦の絆の物語に思えるが、実際妻は夫を疎ましく思う気持ちを、夫を動脈瘤で死なせないために献身的に尽くすという相反する行動で昇華させる。

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