極北ラプソディ (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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レビュー : 81
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022647191

感想・レビュー・書評

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  • 「北極クライマー」の続編。
    地域医療のあり方を問い、地方財政の破綻が医療にまで影響を及ぼしていくようすが描かれている。
    地域による医療格差の問題はすぐ近くに医療施設が整っている環境にいるとなかなか実感できない。
    財政破綻した極北市の市民病院で非難されながらも最善の策と信じる道をいく世良。
    救急医療の現場で命を救い続けようとする速水。
    医師としての姿勢・考え方の相違がわかりやすく描かれていた。
    市民はより多くのものを望む。
    けれど、その代価は出来るだけ少ないほうがいい。
    病院という命を扱う現場で医師たちが疲弊していく中、当たり前のようにさまざまな要求を通そうとする患者たち。
    現実はきっとこの物語に書かれているものよりも厳しいのでは?とも感じた。

    福島県のある産婦人科医が逮捕され裁判にかけられたため、産婦人科医を希望する医師が激減したといわれている。
    解剖医の数が少ないために事件が事故と判断されてしまったり、ドクターヘリがあっても使いこなせずにいたりと医療の現場は予想以上に問題を抱えている。
    海堂さんの作品にはそのあたりを織り交ぜながら物語が進んでいく。
    いろいろと考えさせられる点を含んでいる物語だった。

  • 財政破綻した極北市の市民病院。再建を図る新院長・世良は、人員削減や救急診療の委託を断行、非常勤医の今中に“将軍”速水が仕切る雪見市の救命救急センターへの出向を指示する。崩壊寸前の地域医療はドクターヘリで救えるか?

  • 「極北クレイマー」の続き。

    再読、と思ったら読んでなかった。

    前作より希望がある感じで面白かった。

    速水先生のぶれない感じは凄いなって思う。
    職人って感じ。人としてはどうかと思うけど。
    「ジェネラル~」は大好きなんだけどなぁ。
    読み方が違うと人の印象って変わるんだな、面白い。

    世良先生の気持ちが溢れる後半は良かったけれど
    私の中では、どうも若い頃の世良先生とは繋がらない。
    「スリジエ」読んでないからかなぁ。
    何があったんだ!!

    極北の2作通じての今中先生は、
    クセがなさ過ぎて、
    なんだかなぁという印象に引っ張られてしまった。

    個性的な面々のなか、彼のような存在は、
    いい緩衝材なのかもしれないけれど。

  • 「極北ラブソディ」
    極北篇第2編。


    ☆あらすじ☆
    極北市が財政再建団体に指定された中、今中良夫が赴任する極北市民病院では、赤字を立て直すため病院再建請負人・世良雅志が同院長に就任する。就任当初から世良は人員削減、薬剤費抑制、救急患者の受け入れ拒否の姿勢を打ち出し、メディアや市役所を相手取りながら改革断行に乗り出していく。だが、あまりに合理的に物事を進める世良の姿勢に、今中は疑念を拭いきれずにいた。そして極北市民病院が診察拒否した患者が死亡する事件が発生する。


    著者は「極北クレイマー」「極北ラブソディ」は極北篇と称し、この2作で終幕とある。バチスタシリーズのイメージが強く、てっきり極北篇もそれに繋がるモノだと勝手に考え、まずは積読のバチスタシリーズ作を読了してから手を出そうとしていたが、極北篇とは、”東城医大出身の世良雅志、速水晃一、そして終盤に登場する神威島の医師・久世敦夫を中核に物語が展開され、主人公の今中の視点から極北市民病院の再建に向ける動き、ドクターヘリを用いた救急医療現場の最前線、ドクタージェット構想が起点となって登場人物の物語が収束する”のであり、全く別物だった。


    更に、”クレイマー”ではなく”ラブソディ”から読んでしまったという2重の失策。バチスタシリーズとは別物であるから全シリーズ読破は捨て、極北篇第一部から読むべきであった。。。とはいえ、”ラブソディ”から読むことになったものの、ぐんぐん読んでしまいました。大きな事件は、極北市民病院が診察拒否した患者が死亡する事件と雪見市での表層雪崩の2つですが、病院のあるべき姿、地域医療への取り組み、ドクターヘリの存続等に派生していきます。


    前者2つに関しては、極北市と雪見市の取り組みの違いがどのように医療に影響を与えているのかを、今中は感じていきます。決して雪見市が優れている訳では無いですが、極北市が駄目過ぎて相対的に良く見える有様。その中でぶれない世良の強烈な精神力が目立ちます。ドクターヘリ存続においては、速水を中心とした救急センターが舞台。レンタル移籍中の今中がヘリから置いてけぼりになる、速水と越川との飲み比べ等ユーモラスな側面もありますが、大きなイベントは”救命とドクターヘリの使命のぶつかり合い”です。どちらが正しいかはっきり言いきれない所を盛り込んでいて、考えさせられるシーン。個人的には、私は越川寄りでした。


    特に「速水先生のような人間がトップにいるとその組織は潰れる」というのはその通りと思います(救命病棟でも進藤先生(江口洋介)が同じようなことを言われていたような)。また、このぶつかりのまま物語が進むと重苦しい感じになりそうだった所を飲み比べを組み込んだことで、読みやすくなってました。


    気になったのは、登場人物の個性と心情変化。前者では、速水先生。こんな笑う人でしたっけw?と。恐らくドラマ・映画のイメージが残ってしまっているんだと思います。良く笑うなーと思って読みました。世良も個性という点では速水先生に劣らないですね。癖が凄い。


    後者だと、前半と後半で世良が凄い柔和になったなと。神威島で歩んだ道のりを見つ直したことが大きいとしても、最初の少し傲慢で論理的で合理的な印象からガラッと変わる。もう少しこの面が残っていても良かったんじゃないかなと思いました。恩師に出会ったことで今までの殻が割れたってことなんでしょうか。一気に感情的な面が出て来てます。


    後、花房師長との関係は何とも言えなかった。"クレイマー"で若しかしたら描かれているのかもしれないけど、「だったらもっと早くコンタクト取ればいいのに、花房師長も」と思いました。速水との関係が良くなっているような描写が続いていただけに違和感w


    とはいえ、全体的には良かったです。ちょっと"クレイマー"を読まないといけないですね。

  • ブラックペアンでの渡海、スリジエの天城と、佐伯外科で、いきなり天才たちに翻弄され、打ちひしがれた世良先生のその後が読みたくて探し当てた1冊。

    この前作の極北クレイマーはだいぶ昔に、大好きだった姫宮の活躍を追うために読んだが、姫宮なきあとの極北シリーズは未読だった。

    地域医療の崩壊といった話しは離島住まいの身には生々しくあまり楽しめる内容ではなかったけど、ヘリコプターを手に入れて我が道を行くジェネラル速水を見れたし、何より恋人の花房に何も言わず逃げた世良先生が17年の時を超え再開し再出発するところを読めたのが良かった。何か読者なのに世良がなんとかなって肩の荷が勝手に降りた感じ。

    次は何読もう。
    猫田が気になるのでジェネラルルージュの凱旋あたりかな。

  • 僻地医療について考えさせる一冊。 ブラックペアンで活躍した世良先生、その恋人であった花房看護師が 18年を得て、元の鞘に。いろいろあるが考えさせられる一冊。 コードブルーのもとかな?とも思える。速水がジェネラルルージュと呼ばれ、最終的にここにいたと言うこと。ブラックペアンでは駆け出しであった人たちがいい大人になった時の話で結構良かった。

  • 世良先生、ようやく落とし前つけましたね。
    良かった。こちらも一気に読めました。

  • 「飛ぶ」

    くぅぅ…。
    めちゃめちゃかっこいいよ!

  • 医療と財政破綻という困難を課題としている。おもしろかった

  • 2017/12/27 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。

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