平成猿蟹合戦図 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.52
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本棚登録 : 560
レビュー : 70
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022647382

作品紹介・あらすじ

歌舞伎町のバーテンダー浜本純平は、ある日、ひき逃げ事件を目撃する。だが逮捕されたのは、まったくの別人だった。真犯人への恐喝を目論むうちに、世界的なチェロ奏者のマネージャー園夕子と知り合った純平は、いつの間にか地元東北から国政選挙に出馬することになり…。

感想・レビュー・書評

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  • あらすじを読んでからだったので、その展開はまだかまだかという感じで、若干間延び感はあったが、最後の怒涛の復讐劇?!に突入してからは、かなり引き込まれた。
    ただ、後半あれだけ引き込まれたのも、前半でそれぞれのキャラクターが丁寧に描かれていたから、あれだけみんなのことを応援できたのかな、と思う。
    仇討ストーリーとはなっているけれど、そこまでドロドロしたものはなく、「スカッとする」話だと思う。

  • 復讐劇という題材でも、純平や朋生のような明るい登場人物のお陰で、物語を覆うのは暗さではなく明るさである。そして吉田修一の、人を優しく描くうまさとが混ざり合い、一般的な復讐劇を読んだ後のスカッとさよりも、むしろ、なんとも言えない優しさが私の心の中に広がった。ちなみに、久しぶりに小説を読んで泣いたのはここだけの秘密(笑)

  • 歌舞伎町のバーテンダー浜本純平は、ある日、ひき逃げ事件を目撃する。だが逮捕されたのは、まったくの別人だった。真犯人への恐喝を目論むうちに、世界的なチェロ奏者のマネージャー園夕子と知り合った純平は、いつの間にか地元東北から国政選挙に出馬することになり…。

  • タイトルとか表紙の絵とかなんかグッと来なくて、まったく期待しないで読んだ。
    けっこうな長編だし挫折しないで最後まで読めるかなー?なんて思いながら読み始めたら、、もうめちゃくちゃおもしろかった!!
    登場人物全員のキャラが立ってて、方言混じりの心の声もイイ感じのアクセントになってて楽しく読めた。(個人的には美姫ママが好き。)
    最初はバラバラだったパズルのピースがどんどんはまっていく感じで読んでて気持ち良かったー。
    人生いろいろ、すっごいサクセスストーリーでした。
    サワおばあちゃん、かわいすぎ。


  • 最初は、ホストとホステスとの関係、彼らの心情を感じる作品だと感じたが、ホストから突如市長に立候補する主人公、実はあることがきっかけだったという。タイトルに猿蟹とあるが、物語の展開が猿蟹合戦を彷彿とさせ、今までの市政を変えたい一心で、人の心を突き動かす物を感じさせる。過去に辛いことを体験して、その逆境をものとせず、猿蟹合戦の如く、様々な困難に対しても、自分の長所を生かし、市の未来を少しでも明るくしたい心意気が良かった。辛い状況に置かれている人達を蔑む目で見るのではなく、一人の人間として描写されている印象。

  • BOOK」データベースより)
    新宿で起きた轢き逃げ事件。平凡な暮らしを踏みにじった者たちへの復讐が、すべての始まりだった。長崎から上京した子連れのホステス、事件現場を目撃するバーテン、冴えないホスト、政治家の秘書を志す女、世界的なチェロ奏者、韓国クラブのママ、無実の罪をかぶる元教員の娘、秋田県大館に一人住む老婆…心優しき八人の主人公が、少しの勇気と信じる力で、この国の未来を変える“戦い”に挑んでゆく。希望の見えない現在に一条の光をあてる傑作長編小説。

    勧善懲悪のような話かと思いきや、復讐するような流れでは無く、脇道に逸れて畜生道に落ちそうな面子が、お互いに手を差し伸べあって、陽の当たる道を歩き始める話です。ずばっとすっきりする話って訳ではないけれどもなかなかいい話です。
    吉田修一は群像劇書くの上手いですね。

  • 九州の過疎の島から東京に出てきた若夫婦、歌舞伎町で働くホステスママとバーテンダー、有名なチェロ奏者とそのマネージャー、さらにチェロ奏者の兄家族。何の関係もない彼らがひき逃げ事件をきっかけに協力し合い、東北での国政選挙に挑む。カニがウスやハチ、フンの協力を得て、にくきサルに戦いを挑むようにそれぞれの長所を接点に団結する、これぞ現代の猿蟹合戦。

    人を騙す奴は悪い奴で、騙された者の復讐を受ける。そんなわかりやすい世の中が描かれるユートピア小説。

  • うーん、個人的にはいまいち。
    長かった。

  • 美姫ママ恰好よかった!
    垣内と話をするシーン、高坂が撃たれて病院に運ばれ待合室で待っているときの腹の括り方。

    私自身は平凡な人生・普通に生き方が一番だと思っているのでこんな場面に遭遇するのは絶対ごめんですが、こういう人が上司や先輩だったらなーと思わずにはいられませんでした!他力本願で情けないけど笑
    もうちょっと歳を重ねたらこういう女性になりたいなー。日々の訓練なので、一場面一場面をしっかり考えて行動しよう。

  • 風変わりな〝シンデレラストーリー〟であると同時に、てんでバラバラに人生を送る人びとが思いがけず出会い、つながることで強烈な化学反応を起こし、世界をひっくり返してしまうエネルギッシュな〝復讐譚〟、なにより現代のお伽話。

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著者プロフィール

吉田 修一(よしだ しゅういち)
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業後、スイミングスクールのインストラクターのアルバイトなどを経験。
1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞しデビュー。同作は第117回芥川龍之介賞候補にもなった。
2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞を同年「パーク・ライフ」で第127回芥川龍之介賞、2007年『悪人』で第61回毎日出版文化賞及び第34回大佛次郎賞、2010年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞。2016年には芥川龍之介賞選考委員に就任している。
その他の代表作に、2014年刊行、本屋大賞ノミネート作の『怒り』。2016年に映画化され、数々の映画賞を受賞。体当たりの演技を披露した広瀬すず出世作としても名を残すことになる。

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