平成猿蟹合戦図 (朝日文庫)

著者 : 吉田修一
  • 朝日新聞出版 (2014年3月7日発売)
3.53
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022647382

作品紹介

歌舞伎町のバーテンダー浜本純平は、ある日、ひき逃げ事件を目撃する。だが逮捕されたのは、まったくの別人だった。真犯人への恐喝を目論むうちに、世界的なチェロ奏者のマネージャー園夕子と知り合った純平は、いつの間にか地元東北から国政選挙に出馬することになり…。

平成猿蟹合戦図 (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

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  • あらすじを読んでからだったので、その展開はまだかまだかという感じで、若干間延び感はあったが、最後の怒涛の復讐劇?!に突入してからは、かなり引き込まれた。
    ただ、後半あれだけ引き込まれたのも、前半でそれぞれのキャラクターが丁寧に描かれていたから、あれだけみんなのことを応援できたのかな、と思う。
    仇討ストーリーとはなっているけれど、そこまでドロドロしたものはなく、「スカッとする」話だと思う。

  • タイトルとか表紙の絵とかなんかグッと来なくて、まったく期待しないで読んだ。
    けっこうな長編だし挫折しないで最後まで読めるかなー?なんて思いながら読み始めたら、、もうめちゃくちゃおもしろかった!!
    登場人物全員のキャラが立ってて、方言混じりの心の声もイイ感じのアクセントになってて楽しく読めた。(個人的には美姫ママが好き。)
    最初はバラバラだったパズルのピースがどんどんはまっていく感じで読んでて気持ち良かったー。
    人生いろいろ、すっごいサクセスストーリーでした。
    サワおばあちゃん、かわいすぎ。


  • 最初は、ホストとホステスとの関係、彼らの心情を感じる作品だと感じたが、ホストから突如市長に立候補する主人公、実はあることがきっかけだったという。タイトルに猿蟹とあるが、物語の展開が猿蟹合戦を彷彿とさせ、今までの市政を変えたい一心で、人の心を突き動かす物を感じさせる。過去に辛いことを体験して、その逆境をものとせず、猿蟹合戦の如く、様々な困難に対しても、自分の長所を生かし、市の未来を少しでも明るくしたい心意気が良かった。辛い状況に置かれている人達を蔑む目で見るのではなく、一人の人間として描写されている印象。

  • BOOK」データベースより)
    新宿で起きた轢き逃げ事件。平凡な暮らしを踏みにじった者たちへの復讐が、すべての始まりだった。長崎から上京した子連れのホステス、事件現場を目撃するバーテン、冴えないホスト、政治家の秘書を志す女、世界的なチェロ奏者、韓国クラブのママ、無実の罪をかぶる元教員の娘、秋田県大館に一人住む老婆…心優しき八人の主人公が、少しの勇気と信じる力で、この国の未来を変える“戦い”に挑んでゆく。希望の見えない現在に一条の光をあてる傑作長編小説。

    勧善懲悪のような話かと思いきや、復讐するような流れでは無く、脇道に逸れて畜生道に落ちそうな面子が、お互いに手を差し伸べあって、陽の当たる道を歩き始める話です。ずばっとすっきりする話って訳ではないけれどもなかなかいい話です。
    吉田修一は群像劇書くの上手いですね。

  • 九州の過疎の島から東京に出てきた若夫婦、歌舞伎町で働くホステスママとバーテンダー、有名なチェロ奏者とそのマネージャー、さらにチェロ奏者の兄家族。何の関係もない彼らがひき逃げ事件をきっかけに協力し合い、東北での国政選挙に挑む。カニがウスやハチ、フンの協力を得て、にくきサルに戦いを挑むようにそれぞれの長所を接点に団結する、これぞ現代の猿蟹合戦。

    人を騙す奴は悪い奴で、騙された者の復讐を受ける。そんなわかりやすい世の中が描かれるユートピア小説。

  • うーん、個人的にはいまいち。
    長かった。

  • 美姫ママ恰好よかった!
    垣内と話をするシーン、高坂が撃たれて病院に運ばれ待合室で待っているときの腹の括り方。

    私自身は平凡な人生・普通に生き方が一番だと思っているのでこんな場面に遭遇するのは絶対ごめんですが、こういう人が上司や先輩だったらなーと思わずにはいられませんでした!他力本願で情けないけど笑
    もうちょっと歳を重ねたらこういう女性になりたいなー。日々の訓練なので、一場面一場面をしっかり考えて行動しよう。

  • 風変わりな〝シンデレラストーリー〟であると同時に、てんでバラバラに人生を送る人びとが思いがけず出会い、つながることで強烈な化学反応を起こし、世界をひっくり返してしまうエネルギッシュな〝復讐譚〟、なにより現代のお伽話。

  • 不思議なタイトルだなあ、と思いながら、読み始めました。
    猿蟹合戦といえば、日本の昔話。でも、どんな内容だったっけ?あんまり思い出せないなあ、、、猿と蟹が合戦するんよね、とりあえず。なんで合戦せな、あかんかったんかなあ?わからんなあ。まあいいや。で、それの舞台が、平成の時代。ということは、現代ものだよなあ、、、?どんな話やろ?

    ってな感じで読み進め、読み進め、終わってみれば、ああ、なるほど。読み終えてから、ネットで「さるかに合戦」の本家の昔話の内容も調べて、なおさら納得、みたいな。そんな読書体験でしたね。

    とりあえず、読んでいる最中は、ずっとずっと、

    なんだか、吉田修一さんの作品にしては、ホノボノしてるなあ。歌舞伎町が舞台なのに。怖そうなキャラもちょいちょい登場するのに。なんか、ホワッとしてるなあ。いやでも、あの「悪人」の「ランドマーク」の「パレード」の、吉田修一やで。絶対どっかで、とんでもねえヘヴィーなヤバい展開になるんちゃうん?怖い、怖いなあ、、、ドキドキするなあ、、、でもなあ、全然なんかこう、平和よね?なんだろうねえ?これは。この感じは。

    とか思いながら、いきなりとんでもねえ悲劇が待ち受けてるんちゃうん?と、ドキドキしながら読み進めたのですが、結局最後まで、なんだか、ホワッと幸せな感じで、終わりましたね。ある意味、拍子抜けしちゃった、と言ったら失礼で申し訳ないのですが、、、

    とりあえず、この話は、吉田修一さんにとっては、昔話を題材にした、現代のおとぎ話なのだろうなあ、吉田さんの、「世の中がこうあることは、現実には大変に難しいだろうが、それでも、こうあってほしい」という祈り、願いのようなものを込めた物語なのだろうなあ、というね、気がしました。だって、あの「悪人」の、吉田修一ですよ。現実の本当のホンマの抜き差しならぬ、剥き出しの現実の、あの圧倒的な「ああ、、、あかん、、、どうにもならん、、、」感を、完璧なまでに表現した(と自分には感じられた)吉田修一ですよ。その吉田さんが、これほどまでに、ホワッとした(ように自分には感じられた)、ある意味ご都合主義の小説を書くなんて。これは、もう、あれだ。「願い」でしかない。そうだ、そうに違いない。そんな事を、思った次第なのですよね。

    だってもう、勧善懲悪だし。主人公側の人、って変な表現だけど、そんな彼らは、基本的にみんな良い人だし。ああ、おとぎ話だなあ。「こうあって欲しい」の話だなあ、そんな事をね、思ったのですよね。

    正直、自分には、物足りませんでした。ありていに言いますと。うん、物足りなかったです。

    でも、それはそれで、それは自分の勝手な感想であり、吉田さんは、なんらかの祈りを込めて、この、現代のおとぎ話ともいうべき、この作品を創造した。それはなんだか、ちょっと、素敵だなあ、とね、思うんですよね。

    あ、あれだ。登場人物が、自分の内面の思い、独白を、語る文章がありますよね。地の文ではなくて、会話文でもなくて、登場人物の一人語りの文章。その文章だけを、基本的にはみんな方言なのですが、地の文とは、文字・文体を変えて、「」(かぎかっこ)も付けずに、いきなり、文章の中に放り込む、という手法は、この小説で初めて見ました読みました。自分は。すっごい好きですね。小説で、こういう表現方法があるんだなあ~とね、グッときたんですよね。吉田さん、他の作品でも、この表現手法を使っているのですかね?気になります。すごいこう、独特だなあ、と。ある意味、発明だなあ、と。好きですね、こういうの。

  • 復讐劇でこの読後の爽快感。フシギ。

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