嘆きの美女 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.79
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本棚登録 : 2474
感想 : 198
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022647443

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】ほぼ引きこもり、外見だけでなく性格も「ブス」、ネットに悪口ばかり書き連ねる耶居子。あるとき美人ばかりがブログを公開している「嘆きの美女」というHPに出合い、ある出来事をきっかけに彼女たちと同居するハメに。全女性に贈る成長小説。

感想・レビュー・書評

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  • 美人は得だとか優遇されるとかモテるとか、現実世界でも聞く話ですが……
    本作に出てくる美女たちは、美しいが故に嫌な思いもそれなりにしています。
    確かに生まれてくる時、顔の作りは自分では選べません。
    主人公のヤイコは、最初そんな美女たちをネット上で攻撃しますが、彼女たちを知っていくうちに心境に変化が生まれます。
    ヤイコの気持ちも分かるような気がしますが、ネット上に罵詈雑言(といっても核心をつくことも言っている)を並べて相手を不快にするやり方には、正直気持ちのいいものではなかったです。

    でも、読み終わって、結局美人って得だよね……と感じてしまって、なんとも言えない気分(笑)

  • 柚木先生の著書でも群を抜いて好きな作品。女の喜びも悲しみも妬みも怒りも絶望も全部が描かれていて、そして読者の心にも女にまつわる感情が沸いてきて、なんて深くて面白いんだろうと感じた。
    ストーカーくんのようなドロドロした感情も、美人が顔を歪めて悪口を言うことになんだか安心する気持ちもとても分かる。こういう感情は大なり小なりみんな持っているし、自分の人生が一番大変に思えて「なんだみんな、うまく生きやがって」とムカムカすることはあるけど、誰であろうと人生は難しい。想像力をもって人と接しようと心から思えた。

    ちなみに、終盤であの人が出ます。名前をみた瞬間の声が出てしまうほどの嬉しさ。

  • 読書備忘録734号。
    ★★。

    GWのように長期休暇で神戸に戻る場合、予約待ちされている本は返却期限までに東京に戻っていないリスクがあるのでやばい。
    なので、予約している方がいらっしゃらない返却期限延長が可能な本を借りて留守宅に帰る。笑

    その中の一冊。アッコちゃんで好きな作者の本が目に飛び込んできたので何も考えずに借りました。

    ちょっと読むのがしんどかったです。裏表紙に書かれているように全女性に送る小説なんでしょう。
    “私のような”男は読んだらアカンかったということでしょう。笑
    “私のような”男が★評価したらダメな作品ということでしょう。笑

    備忘も感想もないです。涙
    唯一、大井町線沿線が舞台だったのに親近感あり。

    • shintak5555さん
      ZZIの個人的感想です。笑笑
      女性読者の評価はめちゃくちゃ高いです。
      ご都合主義すぎるって感じです。笑笑
      ZZIの個人的感想です。笑笑
      女性読者の評価はめちゃくちゃ高いです。
      ご都合主義すぎるって感じです。笑笑
      2023/05/09
    • ほくほくあーちゃんさん
      いやー、改めて読書って面白いですね。
      同じ本なのに、こんなに感想が分かれるなんて!!
      ブクログやってなかったら、気づきませんでしたー。
      いやー、改めて読書って面白いですね。
      同じ本なのに、こんなに感想が分かれるなんて!!
      ブクログやってなかったら、気づきませんでしたー。
      2023/05/09
    • shintak5555さん
      そうでした!
      あーちゃんさんは去年の1月に読まれていたんですね!読むこと決定!とかテキトーなこと言って1年過ぎてました。汗
      確かにジャンクフ...
      そうでした!
      あーちゃんさんは去年の1月に読まれていたんですね!読むこと決定!とかテキトーなこと言って1年過ぎてました。汗
      確かにジャンクフードが美味そうでたまらなかったです!
      2023/05/09
  • 前向きな話し。美人も辛いんだなぁ。でもブスも辛いよ。いやー、ブスのほうがつらいよ。でもブスは変えられる。

  • ずっと気になってた柚木麻子さんの小説。
    読みやすく、結果的に後ろ向きな感情は残らなくて、エンタメ性の高い面白い小説だった。

    仕事を辞めた後ほぼ引きこもり、外見だけでなく性格もブスな25歳の耶居子。
    ネットに悪口を書き込むのが趣味の彼女は、あるとき美人ばかりがブログを公開している「嘆きの美女」というサイトに出会い、そこを荒らしのターゲットにする。
    そしてとあるきっかけからその美女たちと出逢うことになった耶居子は、ひょんなことから彼女たちと同居することになってしまう。

    美人は得とは言うけれど、実際は得なことばかりではない。美人というだけで同性から嫌われたり、異性からストーキングされるという憂き目に遭ったりもする。
    …と美人たちは主張するけれど、美人ではない耶居子にはそれは信じがたく、絶対に美人側に問題があると思い込んできた。だけど美人たちと暮らしはじめて彼女たちの真の部分に触れたとき、美人たちの苦労が何となく理解出来るようになってくる。
    私の周りにも美人はいるけれど、美人も人それぞれ、という印象。でも学生時代まで思い返してみると、ちょっと儚げで異性に人気のある美人は大抵同性からは嫌われていたかも。個人的には、実際その美人と話してみると良い子であることが多かったから、同性の嫉妬ってやっぱり怖い。
    ただ人生全体で見るとやっぱり得することの方が多いのかも。同じ失敗をしても美人ならなぜか許されたりもする、というのもまた真理だし。

    耶居子は頭が良いから物事の色んな側面に気づきやすく、それが負の方に向かっていた時はネットで荒らしをやっていたけれど、その頭の良さが違う方向に向いた瞬間にプラスの方向に花開く。
    物事を皮肉的に見る性格の悪さは一貫して変わらないものの(笑)、そういう面があるから気づけることもたくさんある。

    この小説に出てくる美人たちはそれぞれけっこう個性的で、とくに耶居子の同級生だったユリエは自分を解放した途端ステレオタイプの美人から脱却する。その様はとても格好よく、きっと耶居子とユリエは一生毒づき合いながらもずっと友だちでいるのだろうと思った。
    美人と不美人が心から分かち合えることもある。お互いの醜さもさらけ出し合って。どろどろしているようでさっぱりした、不思議な関係性。

    本編の後の「耶居子のごはん日記」も面白かった。恋は思いがけないところに転がっている。

    どんな立場にもそれなりの悩みがあって、そうじゃない立場から見ると理解しがたいことでも、実際触れてみたら分かる苦悩ってたくさんあるのだろう、と改めて思った。

  • 寝る前にちょっとだけ読もうと思ったら

    最後まで読んでしまいました。



    ランチのアッコちゃんのような
    爽快感のある内容で
    読んでると元気になれます


    やいこの変化と
    周りの人たちの変化が
    ワクワクさせてくれます


    そんな上手くいくか!
    と思ったりもしますが
    とりあえずいろんな食べ物に
    挑戦したくなる話

  • ブスでデブでオタクで引きこもりニートの耶居子は、ネットで気に食わないブログやサイトの管理人(※おもにリア充アピール女性)を攻撃、荒らしを趣味にして憂さを晴らしている。美女同志が美女ならではの悩みを相談しあうサイト「嘆きの美女」が目下の彼女のターゲット。彼女らのオフ会を盗撮して曝してやろうと思いつき1年数か月ぶりに電車に乗って出かけるも(その行動力があれば他のことに使いなさいよ・笑)誤解や事故が重なった結果、彼女らと同居するはめになり・・・。

    序盤の耶居子の毒吐きっぷりはなかなか痛快でした。やってることは最低なのだけれど、気持ちとしてはわからなくはないし、そうしてネット上で培った、他人の弱点を見つけて容赦なく攻撃するスキルを思いがけず現実で発揮したら不本意ながらも誰かを庇うことになったり、そしてそれを不本意と思うブレなさがいっそ憎めなくて面白い。好きなタイプが荒俣宏っていうのも渋い(笑)。

    しかし中盤の展開は一種のシンデレラストーリー。確かに造形的に圧倒的な美形というのは少数存在するけれど、世の中の女性の美醜の大半は、生まれもった容姿よりメイクやファッション、髪型、いかに自分を魅力的にみせるかというスキルを知っているか否かによるところのほうが大きいですから、きちんと痩せてメイクや服装に気を使えばそれほど醜いわけではなかった耶居子、意外にも男性ウケも悪くなく、急に美女たちよりモテ始めたりする。

    そこから後半にかけてはちょっとご都合主義展開というか、いろいろ上手くいきすぎなところもあるけれど、予想を裏切らない安心感・爽快感もこういう作品なら有効かなという範囲。ちょっと物事の運びをエピソードの説得力ではなく言葉にして強引に結果に結びつけるきらいがあるのも気になりましたが、ラノベ感覚で読む分にはいいかも。

    外見は性格や人生に確かに影響を与えますが、それがすべてではない。結局外見の美醜に関わらず本人次第、というストレートなテーマは悪くなかったです。

  • 黒沢かずこの解説万歳!
    どう読んでも、主人公耶居子に結びついてしまい、作品から一続きとして素晴らしい後味を演出してくれている。必見。

    引きこもりニートで、ネットに罵詈雑言を載せることが趣味のブス、耶居子は、美人であるが故の悩みを打ち明けるサイト「嘆きの美女」を標的にする。

    彼女たちの素顔を盗撮し、情報を晒してやろうと画策。わざわざその憎悪のためだけに、部屋から出て外に赴くパワーがあるのか!とまずはツッコミたくなる。

    続く美女たちの優雅な生活に対する、耶居子の毒舌モノローグも、ひたすら笑える。
    なのに、決してドロドロと嫌な気分が渦巻かない、不思議な健全さがある。

    それは、耶居子に有吉的真実を感じるからではないかと思う。
    他人を滅茶苦茶に罵っても、そこに一本の筋があり、その筋に共感してしまったが最後、それはただの悪意ではなくなるのが面白い。

    それから、作品中に散りばめられたキーアイテムの充実ぶりにもそそられる。
    柚木麻子は、きっと楽しみながら書いたんだろうなあ……(というか、そうであってくれたら、きっとこの人を好きになるな)と思わせられた。

    タイトルからは想像もつかない、ハチャメチャ感が内側には秘められている。
    非常に、楽しく味わえた!

  • 面白かった!
    お話に出てくるご飯が全部美味しそうだった。
    まーちゃんと犬がイイ!

  • 面白くて、30分だけ読むつもりが全部読んでしまった。美女とかブスとか関係なく、みんな必死にかっこ悪く生きてて、それがどうしようもなくかっこいい。大事なのはさらけ出すこと。
    そして最後、きゅんとした。バレンタイン、どうなったんだろう?想像してにやける。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

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