嘆きの美女 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 1181
レビュー : 120
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022647443

感想・レビュー・書評

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  • ブスでデブでオタクで引きこもりニートの耶居子は、ネットで気に食わないブログやサイトの管理人(※おもにリア充アピール女性)を攻撃、荒らしを趣味にして憂さを晴らしている。美女同志が美女ならではの悩みを相談しあうサイト「嘆きの美女」が目下の彼女のターゲット。彼女らのオフ会を盗撮して曝してやろうと思いつき1年数か月ぶりに電車に乗って出かけるも(その行動力があれば他のことに使いなさいよ・笑)誤解や事故が重なった結果、彼女らと同居するはめになり・・・。

    序盤の耶居子の毒吐きっぷりはなかなか痛快でした。やってることは最低なのだけれど、気持ちとしてはわからなくはないし、そうしてネット上で培った、他人の弱点を見つけて容赦なく攻撃するスキルを思いがけず現実で発揮したら不本意ながらも誰かを庇うことになったり、そしてそれを不本意と思うブレなさがいっそ憎めなくて面白い。好きなタイプが荒俣宏っていうのも渋い(笑)。

    しかし中盤の展開は一種のシンデレラストーリー。確かに造形的に圧倒的な美形というのは少数存在するけれど、世の中の女性の美醜の大半は、生まれもった容姿よりメイクやファッション、髪型、いかに自分を魅力的にみせるかというスキルを知っているか否かによるところのほうが大きいですから、きちんと痩せてメイクや服装に気を使えばそれほど醜いわけではなかった耶居子、意外にも男性ウケも悪くなく、急に美女たちよりモテ始めたりする。

    そこから後半にかけてはちょっとご都合主義展開というか、いろいろ上手くいきすぎなところもあるけれど、予想を裏切らない安心感・爽快感もこういう作品なら有効かなという範囲。ちょっと物事の運びをエピソードの説得力ではなく言葉にして強引に結果に結びつけるきらいがあるのも気になりましたが、ラノベ感覚で読む分にはいいかも。

    外見は性格や人生に確かに影響を与えますが、それがすべてではない。結局外見の美醜に関わらず本人次第、というストレートなテーマは悪くなかったです。

  • *ほぼ引きこもり、外見だけでなく性格も「ブス」、ネットに悪口ばかり書き連ねる耶居子。あるとき美人ばかりがブログを公開している「嘆きの美女」というHPに出会い、ある出来事をきっかけに彼女たちと同居するハメに。全女性に送る成長小説*

    漫画みたいなお話。地味で目立たない女が眼鏡をとったら実は魅力的だった系の(笑)
    そんな突込みどころは満載ですが、「顔も美人、性格も美人って、あー、うざい」のくだりには笑えるし、耶居子の毒舌も小気味いい。一種のファンタジーと思えば楽しく痛快に読めます。

  • 24

    なんか読み進めるのに疲れちゃった作品
    結局美人は得じゃんっていう話かな~
    ブスやら美人やら、疲れてしまった笑
    耶居子みたいなブスは絶対たくさんいるし、ユリエみたいな美人もたくさんいる
    今回はハッピーエンドだけど、現実は難しいんだなと思った
    話自体は面白いんだけど、なんだかね、って思うことがあってこの評価

    自分をどれだけわかっているかで、女の魅力は決まるのかもしれない

    この言葉が好きです

    2019.03.31

  • コンプレックスが人を向上もさせ、下落もさせ。
    どちらに向かうかは自分の受け止め方のみだと思ってたけど、外的要因でもポジティブに変えることができるのかも。

  • 面白かった!笑
    サクサク読めます。
    シンデレラストーリー、爽快です。

    でも個人的には後半から主人公の良さが薄れちゃったように感じました。
    人間的にいろいろな経験や、違った環境に行って丸くなったと考えれば、その通りなんですが、良くも悪くもふつうになっちゃったのかな、と思ってしまいました。難しい。。
    でも嫌な感じでは無いです。面白い。後半がかなりシンデレラストーリーだからなのかな?

    これは私の好みなだけですが、
    綺麗になった主人公を出てきた異性達とすぐに恋愛関係にしないストーリーでよかったです。(少女漫画だとありがちなので...)

    個人的には、性被害者とかに被害者にも落ち度があったんじゃないか?と考えがちな人や、外見で偏見を持ちやすい人に読んでもらいたいなぁと感じました。

  • 引きこもりをしていて、美女たちが集うサイトを荒らすことが生きがいだった主人公が、その美女たちと知り合ってしまって。というお話。

    主人公が、どこか憎めなくてリアル感すら感じてしまうのは柚木先生が色んな女性を描いてきたからだと思います。シンデレラストーリー、と書いてしまえば、キラキラしてしまいますが、自分のテリトリーの外で出向き、戦い、向き合うことは大変で、面倒で、でもその先に何かが待っている。ラスト、綺麗におさまりすぎたかなとも感じましたが、読了後は爽快感がありました!タイトルと中身が反しているので、そのギャップにもやられました。

  • 元気でる系。
    美女とブスの友情物語('・ω・')ブスはもちろんだろうが 美人には美人の悩みがあるのよ。
    どちらも前向きな姿が一番魅力的にみえる。

  • 美人とかブスって実は基準がないから、自分は美人だと思い込んだら勝ち、ブスだと思い込んだら負け、って気がする。
    多くの人はどちらとも言い切れないエリアにいる。だからブスだと言われたら落ち込むし、美人だと言われたら有頂天になる。
    しかし本書の登場人物達のように誰が見ても美人、誰が見てもブスってレベルだと、また話は違ってくるんだろう。
    解説の黒沢さんが、ヤイコの怒りのエネルギーは凄いと述べていたけど、厭なやつに面と向かって啖呵切る所やオタク心満載のフードアレンジなど情熱を感じる。情熱を発揮できる人は、確かにカッコいい。

  • 軽い語り口で非常に読みやすかった。そのぶん、さらさらっと話が流れていってしまったようにも思う。耶衣子のコンプレックスやユリエの精神的な成長など、もっとじっくり読んでみたいように思った。

  • 嘆きの美女というタイトルの主人公は妬み嫉み上等のほぼ引きこもりで容姿も性格も共にブスの25歳 オンナ。毎日の日課は美女が集うHPに罵詈雑言を書き連ねる事。
    かなり序盤での急展開にびっくりしたけど最後まで面白かった。
    仕事で忙しい時期に柚木さんの本はいい。小難しさゼロでスイスイ読める。思考を現実から引き離したい時にもってこいなのよね。

著者プロフィール

柚木麻子(ゆづき あさこ)
1981年、東京都生まれの小説家。立教大学文学部フランス文学科卒業。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞し、2010念二同作を含む初の単行本『終点のあの子』を刊行。2014年に『本屋さんのダイアナ』で第3回静岡書店大賞小説部門受賞。2015年『ナイルパーチの女子会』で第28回山本周五郎賞受賞、直木賞候補に。2017年『BUTTER』で直木賞候補。2019年、『マジカルグランマ』が第161回直木賞候補となる。

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