にぎやかな湾に背負われた船 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.00
  • (2)
  • (1)
  • (1)
  • (1)
  • (2)
  • 本棚登録 :21
  • レビュー :4
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022647733

作品紹介・あらすじ

とある海辺の集落「浦」を舞台に、教師と恋に落ちた少女、奇妙な昔語りにふける四人組の老人などがつむぎ出す、半世紀あまりの脱線につぐ脱線の物語。第15回三島由紀夫賞を受賞した表題作に、第12回朝日新聞文学賞の『水に埋もれる墓』を併録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 三島賞受賞の表題作とデビュー作、2篇収録。どちらも、とある海辺の集落〈浦〉が舞台。表題作の最大の特徴は多様な語りだ。あらすじは、少女の〈私〉を軸に〈浦〉が持つ謎や歴史が徐々に明かされるというもの。〈浦〉の過去を語る〈私〉は、現在を語る〈私〉とは確実に違う乾いた文体を用いており、〈私〉の分裂が生じている。そこに三人称かつゴシック体表記の語りまで加わる。三つの語りが錯綜して、話の筋も脱線を繰り返す。ややこしいが、辛抱して読み進めれば視界が開ける時がふと訪れる。その瞬間の驚きと面白さたるや例えようがない。快作。

  • 性的描写が気持ち悪い。
    老婆が猿と関係を持つところや、お手伝いの主人とある女性が関係をもつところとか、手錠につながれた状態の男子同級生を性的好奇心の対象とする女生徒など、不必要かつ必要以上の気持ちの悪い描写。

    そして、どこにも辿りつかない無意味な群像劇。

    さらには、日本の過去のある国に対する態度を批判もしており、賛否両論あるところかと思われる。

  • 一見よみやすい文章がつらつらと書き連ねてあるが実際は何も明らかにされないし、終わりも見えない。でもその計算されたグダグタ感がわたしにはきもちよかった。意味はわからなかったけど。

  • 何なんだろう、この感じは。どう形容していいのかわからないが、とても良かった。特に併録されている『水に埋もれる墓』は深く印象に残った。

    その人間と不可分な「土地」というものの残酷さと滑稽さ。ことさらに否定するわけでもなく肯定するわけでもなく。悲しさと優しさ。

全4件中 1 - 4件を表示

にぎやかな湾に背負われた船 (朝日文庫)のその他の作品

小野正嗣の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

にぎやかな湾に背負われた船 (朝日文庫)はこんな本です

ツイートする