七夜物語(上) (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.68
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本棚登録 : 362
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022647771

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】小学4年生のさよは、母親と二人暮らし。ある日、図書館で出合った『七夜物語』というふしぎな本にみちびかれ、同級生の仄田くんと夜の世界へ迷いこんでゆく。七つの夜をくぐりぬける二人の冒険の行く先は? 解説・村田沙耶香。

感想・レビュー・書評

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  • 実家でずっと朝日新聞をとっているのだけれど(※父が阪神ファン)数年前帰省したときに母が「今の新聞連載小説おもしろいで、読んでみ」と言うので目を通してみたら、あら川上弘美さん!しかも挿絵が酒井駒子さん!しかし実家にいるのは年間わずか数日なので当然全部読むことはできず、いつか1冊になったら・・・というか、文庫派なのでいつか文庫になったら・・・と思ってはや数年。ようやく文庫化されたのが嬉しくて、買ってすぐ電車の中で読み始めました。

    小学四年生のさよは図書館で偶然みつけた「七夜物語」という本のせいで、クラスメイトの仄田くんと、七つの夜を不思議な世界で体験することになるのだけれど、いわゆる「本を開くたびに本の世界に入ってしまう系」ではなく(仄田くんにいたっては、本を知る前からさよと一緒に別世界へ迷い込んでいるし)、夜の世界へ至る確実なルート(タンスの扉とか)があるわけでもない。一夜めは喋る大きなネズミ「グリクエル」の台所でのお手伝いから始まる童話ちっくな展開だけれど・・・

    物語の時間が現代ではなく昭和50年代というのは個人的に共感しやすいです。さよよりは年下だけれど、自分が小学生だった頃の空気をリアルに思い出します。

  • やっと文庫になったー!嬉しい。

    前回読んだ本の解説が川上弘美さんで、不思議な縁が本を結ぶなあ。
    ファンタジーと現実世界を一番強く噛み合わせるものは、主人公の境遇だと思う。

    さよは、父親のいない子ども。
    仄田くんは、母親のいない子ども。

    社会がそれを受容しても、彼女たちにはまだ受容できないカタチ。それが痛みを伴って、分かる。
    『七夜物語』の世界は、一つの逃場。けれど、その甘やかでスリリングな世界をどう抜け出すかで、さよと仄田くんは成長する。

    中巻、下巻と、ファンタジーと現実世界にどんな変化が起こるのか、楽しみ。

  • 過去に読んだ川上さんの作品の世界感というか、雰囲気があまり得意じゃなかったので、この作品はどうだろうと恐る恐る読み始めた。
    あまりにも風変りな母親の登場に、序盤から「あぁ、やっぱり苦手かも」と思いつつ、読み進めていく。

    上巻を読み終わる頃には、この物語の虜になっている私がいた。
    さよちゃんと仄田くんが、『七夜物語』の世界に入ってから、どんどん面白くなっていくのだ。
    クラスという枠の中から、ちょっと外れ気味の二人が、この先『七夜物語』から与えられる試練を、どうやって乗り越えていくのか。
    この先が、とっても楽しみ!!

  • わくわくするファンタジーながら、大人の心に触れ始めたこどもの心をしっかりととらえています。小学生の頃の気持ちを思い出すような作品です。

  • まだなんともいいがたい。
    雰囲気は○。

  • ネタバレを極力避け、
    雰囲気と文傾向、シナリオ構成についての感想をば。

    絵本であれば「おしいれのぼうけん」
    児童文学であるならば「ナルニア国物語」を感じさせるストーリー展開。
    また、川上さんの作品がそれまでそうだったように、
    登場人物の性格を示す文章は、
    まるで日記を読んでいるかのように想像しやすく、
    読んでいてとても楽しい。

    長編ではあるのだが、
    章によってそれぞれ物語が紐解かれていくので
    少しずつ読み進める方にやさしい構成になっている。

    これから読書を習慣づけたい方にとっては
    入門編としても非常に優秀。

  • 読書部課題図書その29

  • 逃げ道としての本という存在を,生への救いの道として不思議な物語が紡がれる.子供にとっても,かつて子供だった者たちにとっても,自らが望めばいつでもそれは救いになり得る.

  • 自前

  • 大好きな川上弘美さんと大好きな酒井駒子さん!
    ストーリーと絵の世界観がぴったり合っていてよりわくわくして読みました。

    目立たない女の子さよと、ちょっと変わった気弱な男子が物語の中に入って冒険。
    タイトル通り、全部で7つの夜を過ごし、少しずつ、だけど確実に成長していく。
    見守るつもりが一緒に考えさせられる、とても良い本でした。
    大人にも子供にも是非とも手に取ってほしい。

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プロフィール

1958年東京都生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。著書に『蛇を踏む』(芥川賞)、『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)、『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)、『水声』(読売文学賞)等。

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