- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022647801
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学小説】Dのもとへ、ダンピールの男の子を連れた娘が訪れる。彼女の依頼は、男の子の父親である貴族のところまでの護衛だった。しかし、Dは少年の父親を滅ぼす依頼も受けていた。果たして彼らは、ともに旅立てるのか? そして彼方に待つ最凶の敵とは!?
感想・レビュー・書評
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菊地秀行は天才だな、と思うのは、惜しげもなくキャラを使い捨てるのを見る時。Dでは特にそれが顕著だ。
なぜなら、Dは基本的に一作一話で、その回に出て来たD以外のキャラクターが続いて登場する事がない。
滅ぼされる貴族しかり、後に残される人間しかり。
それなのに、その一人一人に重厚なドラマ性が付与されている。非常に魅力的なキャラクターも数覆い。
本巻に登場するエドワードやアリス、ドーライ、あるいはギャラリード公爵やその敵である大老、剣士ゼンダーや女戦闘士スーラ、どの一人をとっても、主人公に据えて物語を紡げるだけのキャラクターだ。
もちろん、他にも似たようなキャラクターは出た、と感じる者がいるのかもしれないが、類似感を全く感じさせないだけのユニークな性格付けが出来ているところが凄い。
しかし、それでいて本当にこの巻だけの登場なのだ。
なんとも贅沢ではないか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2015/06/13 購入。最寄りの書店でなかなか入れてくれなかったけど、今日見たら、なぜか文庫のベストセラー棚の隅っこに1冊だけひっそりと置かれてた。ちょっと腹がたったけど即座に買いました。
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タイトル通り、ひねくれた貴公子が主人公の話。
Dはいつものごとく狂言回し。
とはいっても貴公子がダンピールの時点でDとの係わり合いが強くなるのだろうが。
主従関係が最後ああなるとは思いもしなかった。それがさすが、というべきところだろう。
あと、左手有能すぎ。左手との出会いの話とか見てみたいきもしなくもない。怖くもあるが。 -
ダンピールの子供(エドワード君)が出てきます。
貴族と人間と、双方の特徴を持ち、しかもどちらにも属さないってのはなかなか難しい存在ですね。でもなんだかちょっと面白かったです。作者後書きもいつになく力が入っているようで、このエドワード君という存在を気にいっている様子ですね。 -
今回はいまいちだった