ふくわらい (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 3812
感想 : 330
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022647900

感想・レビュー・書評

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  • 冒険家の父と体の弱い母に育てられた、少し変わった女性編集者の話。幼い頃母を亡くし、小説家の父と海外に冒険に行く。ある部族のお祈りに参加したり人の肉を食べたりした。その事を父が小説に書いたため、周囲から忌み嫌われるが本人は感情の起伏がなく嫌と思っていない。そんな主人公が同じ職場の女性編集者と仲良くなり、プロレスラーの作家さんと出会い、目の見えない人にアプローチされ、感情を少しずつ得ていく。

  • 定さんは天才で本物だなと思いました。
    最後のさいこさんが定さんに気遣ってる場面良かった

  • 河合隼雄物語賞(第1回/2013年)

  • 幼い頃から世界各国で様々な経験をした主人公。  
    そのため、世間一般の他者とあまり関わりなく 
    友情や恋愛を知らなく唯一の趣味が幼い頃からの
    福笑い遊び。しかし、ある人物との出会いで新しく込み上げる感情に気づき自由に駆ける最後のシーンが良かったです

  • 読みながら気持ち悪くなったのは初めての体験で
    今になって思うといい経験だった。
    定さんの個性は「恥じらいを感じないこと」かもしれない。誰のこともフラットでニュートラルな形で受け入れてくれるからこそ、依存することもない。
    この感覚を少しでも持っていたいと思った。

  • 読み始めてから、あ、これ読んだことあった、となった。
    小暮さんが正直でいい。このやろう!って私も言いたい。
    私たちは今、さきっちょで、すべてだ

  • 人になるまで

  • 様々な人との出会いが、自分を世界を人を大きく変えていくのだとこの物語を読んで感じた。
    定は、まっすぐでとてもいい人物だと思った。
    不快になる場面もあったが、読み進めることができた。

  • 文庫版あとがきにも記載があったが、物語としておもしろい作品であると思う。どういうシーンであれ心が意図せずに動かされるのは、快不快どちらであっても読書体験としては良いものと感じた。カフェでの発言であったり、旅先での出来事、血みどろの守口など、ちょっとな…と思いつつ、生きていることを体験できているというか、西さんに体験させられているというか、揺さぶられる物語であった。主人公の定が何事も受容していく姿勢であるのが、読書と同じ目線に見えるのかもしれない。上手いとか下手とかじゃなく圧倒された気がする。守口みたいな人には会ったことないけど、ことばの紡ぎ方に独特の雰囲気が出せることが素晴らしいと思った。

  • 西加奈子さんの書く物語は救われるような気持ちになります。どんな人であろうと多面的に見るのを忘れずにあたたかい面をありのまま書いているような気がして、奇抜で自分の人生からは共感し得ない人でもどこがで繋がっている1本の糸を感じました。各パーツを動かす福笑いと人のありのままを受け入れる定。守口と次郎と小暮との交流によって定は心が揺れ動くというのを理解すると思っていましたが、読み返してみれば彼女にまつわる全てが彼女を少し豊かにしたんだなと思います。
    あの子になれない私、私になれないあの子。その違いこそが私を私、あの子をあの子たらしめているのかなと思います。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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