20の短編小説 (朝日文庫)

制作 : 小説トリッパー編集部 
  • 朝日新聞出版
3.25
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本棚登録 : 335
レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022648020

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】朝井リョウ、阿部和重、伊坂幸太郎、井上荒野、江國香織、円城塔、恩田陸、木皿泉、川上弘美、桐野夏生、白石一文、津村記久子、羽田圭介、原田マハ、樋口毅宏、藤井太洋、宮内悠介、森見登美彦、山内マリコ、山本文緒。人気作家20人が「20」をテーマに短篇を競作!

感想・レビュー・書評

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  • 小説トリッパー20周年ということで、20人の作家が「20」をテーマに原稿用紙20枚で描いたアンソロジー。この20づくしが面白い。好きな作家が多かったので、「20」という数字をそれぞれがどう膨らませてくれるか、楽しみに読んでみた。
    作家のアイウエオ順の収録だから、たまたまだろうが前半は不条理&シュールな作品が多くて、ざらっとした感触が若干不気味だった。「20」という数字のイメージがこんな感じなのか?といってもテーマの料理法は人それぞれで、ほんの一瞬「ここだけ?」というのもあれば、全体的に20をちりばめてきたり。何かを意味する数、年齢、年月、etc…個性が出ていて面白かった。
    背筋が凍る思いをしながらもさすがだなと思ったのは伊坂幸太郎、恩田陸、津村記久子。特に津村さん、いつもの作風と違って、こういう形で海外を描くこともあるのかと新鮮でした。でも怖かったな~、驚いて何度も読み返した。お初の作家さんで印象に残ったのは樋口毅宏。安定の面白さで、心が温まったのは原田マハ、山内マリコ。そして、本作のトリにふさわしいクオリティだった山本文緒。「20」の活かし方も巧く、何とも言えないほろ苦さも彼女ならでは。
    初出の「小説トリッパー」、創刊時はよく購入していたなと懐かしくなった。出版不況の折、20年続くとは素晴らしい!これからもまた面白い企画で唸らせてほしい。久々に本誌も手に取ってみようと思いました。

  • とても豪華なアンソロジー。作家さんもだけどそのジャンルも恋愛、SF、ミステリー、エンタメと多彩。好きな作家さんだらけ。読んだことない作家さんの話も楽しかったのでじっくり読みました。
    伊坂幸太郎さん以外は初見でした。(ジャイロスコープに収録されてますね)
    どれも面白かったんですが個人的には、朝井リョウさん、井上荒野さん、江國香織さん、円城塔さん、川上弘美さん、津村記久子さんが中でも好きでした。
    20人の作家の20にまつわるアンソロジー、本当に最強でした。

  • 20をテーマにした20人の作家による短編アンソロジー。
    短編でも、もしくは短編だから?好き嫌いが結構はっきりしました。
    伊坂幸太郎さんと木皿泉さんのがすき。
    宮内悠介さん、初読み作家さんだったけど結構楽しめた。

    2017.12.19

  • 実はこの本、文庫本ではなく、雑誌で読みました。ブックオフの100円コーナーにあったのでつい……。

    「小説トリッパー」創刊20周年を記念して20人の作家に「20」をモチーフにした短篇を原稿用紙20枚前後で書いてもらうという企画。腕くらべにもってこいですね。小説のどこで「20」を使うのか見もの。
    20編読んだ結果、順位はこうなりました。

    1位 円城塔「十二面体関係」
    2位 江國香織「燕籠を買った日」
    3位 宮内悠介「法則」
    4位 山内マリコ「もう二十代ではないことについて」
    5位 川上弘美「20」
    6位 井上荒野「二十人目ルール」
    7位 伊坂幸太郎「if」
    8位 朝井リョウ「清水課長の二重線」
    9位 津村記久子「ベチュニアフォールを知る二十の名所」
    10位 桐野夏生「マダガスカル・バナナフランペを20本」
    11位 木皿泉「20光年先の神様」
    12位 藤井太洋「ヴァンテアン」
    13位 山本文緒「20×20」
    14位 森見登美彦「廿世紀ホテル」
    15位 樋口毅宏「人生リングアウト」
    16位 原田マハ「ブリオッシュのある静物」
    17位 阿部和重「Across The Border」
    18位 恩田陸「悪い春」
    19位 羽田圭介「ウエノモノ」
    20位 白石一文「いま二十歳の貴女たちへ」

    1~6位は「面白かった!」
    7~12位は「そこそこ面白かった」
    13~19位は「ちょっとものたりないかな……」
    20位は「なんだこりゃ」です。

    一篇ずつ寸評を。

    白石一文「いま二十歳の貴女たちへ」
    不倫はそんな悪いもんでもないというお説教が延々続く。なんだこりゃ。

    羽田圭介「ウエノモノ」
    隣人との騒音トラブル。なんか消化不良。

    恩田陸「悪い春」
    志願的徴兵制が浸透した未来の噂話。薄い。

    阿部和重「Across The Border」
    戦地での危険なゲーム。モヤモヤ。漫画化するなら花沢健吾かな。

    原田マハ「ブリオッシュのある静物」
    モランディの絵と祖母の思い出。ちょっと甘すぎかな~。

    樋口毅宏「人生リングアウト」
    崖っぷちレスラーの試合。もっと暴走してほしい。

    森見登美彦「廿世紀ホテル」
    大正のホテル怪異譚。もうちょっと愛嬌があれば……。

    山本文緒「20×20」
    作家の隣人と死。少し地味。

    藤井太洋「ヴァンテアン」
    よくわからないけどサラダコンピューターという発想が楽しい。

    木皿泉「20光年先の神様」
    ベタな人情話だけどしみじみ。

    桐野夏生「マダガスカル・バナナフランペを20本」
    別れ話に来たバーで下手な歌に白ける恋人たち。微妙な脱力感が楽しい。でも普通コカコーラのことコークって言う?

    津村記久子「ベチュニアフォールを知る二十の名所」
    名所案内のはずが負の歴史を見せられる。面白いけど、語り口はしゃべり言葉じゃなくてガイドブック調の方がよかったかも。

    朝井リョウ「清水課長の二重線」
    会社のちょっといい話。話はベタだけど細部が上手く、現代の物語という感じがする。

    伊坂幸太郎「if」
    ひっかかった!こういう仕掛けだったか。

    井上荒野「二十人目ルール」
    二十人目ルールというのがなんだか妙で面白い。じんわり居心地が悪くなる。

    川上弘美「20」
    小学生が幸せを数値化する。手練れの技!世界を見る目が変る。「なんといっても、カラスの鳴き声ほどちゃんと決まってぴしっとした数字は、この世界には、なかなかみつからない」という結びの一文が美しい。

    山内マリコ「もう二十代ではないことについて」
    不安定な夫婦の引っ越し。どうということのない話なのに、後に残る。まぎれもなく、今の物語だ。

    宮内悠介「法則」
    あ、20ってそうきた?これはやられました。楽しいワンアイデアストーリー。

    江國香織「燕籠を買った日」
    にくたらしいほどうまい。なんでこんなにうまいの。筋立てはよくあるすこしふしぎファンタジーなのに、文章のひとつひとつが新鮮に輝く。くやしいけどこのうまさは認めざるをえない。いや、うまい。

    円城塔「十二面体関係」
    最高!二十人の登場人物の相関関係が、読めば読むほどわからなくなる。このわけのわからなさがいい、いい、すごくいい。小説だからこそ味わえる快楽!

  • いろいろな作家をオムニバス形式にした短編集。
    普段手に取ることのない作家を知るのにいい機会です。

    特に印象に残ったのは、

    伊坂幸太郎「if」
    江國香織「蒸籠を買った日」
    木皿泉「20光年先の神様」
    樋口毅宏「人生リングアウト」
    山本文緒「20×20」

    木皿さんの話はこんなに短い小説なのに、またまたやられたって感じです。
    山本さん、読んだことなかったですが、なんだかどんどん読めちゃいますね。

    ほか、
    阿部和重「Across The Border」
    もちょっと普段読まないタイプなのでいつか読んでみたい。

    井上荒野「二十人目ルール」
    老人の頭の中でいろいろ思いを巡らす不思議な時間。

    白石一文「いま二十歳の貴方たちへ」
    人生に正解はない。は心に刻みたい。

    津村記久子「ペチュニアフォールを知る二十の名所」

    山内マリコ「もう二十代ではないことについて」

    楽しみが増えました−!

  • 津村記久子と宮内悠介おもしろかった
    白石一文 p194
    「貴女はただやさしければ、もうそれで十分なのです」

  • 20人の作家による「20」がテーマのアンソロジー。
    彩りみどりとはこのことか。初読み作家さんもたくさん!
    「20」はどんな風に描かれているのか、探りながら読むのが楽しかった。

    川上弘美「20」、江國香織「蒸籠を買った日」、原田マハ「ブリオッシュのある静物」がお気に入り。

  • 20をテーマにした短編集。SF、怪談、ミステリー、恋愛系等々……多彩。
    20作全部の感想を書くのは大変なので印象に残ったものだけ。

    *「清水課長の二重線」朝井リョウ
    そんな細かいこと!と思うことをちゃんと教えてくださる上司に感謝。

    *「if」伊坂幸太郎
    もしかして無限ループ?と思いきや、偶然か必然かの出来事。

    *「十二面体関係」円城塔
    人間関係図を描きはじめたらすごいことになりそう。文章としての物語は始まっていないのに、既に物語が動き始めている不思議。

    *「20光年先の神様」木皿泉
    最後の赦しの物語。自分もこういう風に言えることがあるのだろうか。

    *「いま二十歳の貴女たちへ」白石一文
    講演形式?奥さんがいる男性を好きになってしまった時に、もう恋なんてしないだとか悪だとか思ってはいけない、それはあなたが抱いた大切な恋なのだからというのが印象深い。

    *「ペチュニアフォールを知る二十の名所」津村記久子
    最初から既にヤバいよ……と思っていたけど、やっぱりヤバいとこだったよ……。

    *「ブリオッシュのある静物」原田マハ
    タマコさんの性格と生き方が好き。学芸員資格をさくっと取っちゃうとか。

    *「法則」宮内悠介
    ヴァンダインの二十則は知っていたので声に出して笑ってしまった。逆手に取った犯人と探偵がおもしろすぎる。

    *「廿世紀ホテル」森見登美彦
    どったんばったん大騒ぎすぎw令嬢が犯人かと思いきや……。最後の紳士の暗示が怖いな。

    *「20×20」山本文緒
    生きてる世界の違いすぎてぎすぎすする感じと暗めの印象。原稿用紙1枚が5000円だと考えると時給800円は……。

  • 異なる作家の短編を20編収録。気に入ったのは羽田圭介の「ウエノモノ」と、原田マハの「ブリオッシュのある静物」かな。
    「ウエノモノ」のように隣人の生活音が気になってイラつくこと、よくある。茶店で本読んでる時、隣の客が口をモゴモゴ動かして何か暗記しようとしてる。本人は声を出していないつもりなんだろうけど、ヘッドフォンから漏れる音の様に耳障りなシャカシャ音が耳につく。こういうの、赤の他人だけにムカつく。

  • 2017年、24冊目は、主に隙間読書用にしていたモノ。「小説トリッバー」創刊20周年、原稿用紙20枚程度、20をキーワードに、比較的メジャーな20作家が競演。

    作品数が多いので、今回は印象に残ったモノをいくつか、簡単に紹介。

    伊坂幸太郎『if』パラレルストーリーか、と思いきやの、オチ。お見事。

    津村記久子『ペチュニアフォールを知る二十の名所』旅行会社の顧客へのプレゼン仕立て。まさかのオチ。

    宮内悠介『法則』ヴァン・ダインの二十則で規定された世界では……。

    以上が、単独作読んでみようかな、と思えた、個人的に★★★★☆作品(収録順に紹介)。

    森見登美彦『廿世紀ホテル』主人公の性格を軸に、廿世紀ホテルの成り立ちと、主人公が見せられた未来の光景の対比。ソレを軽妙なタッチで描くのは巧い。

    山内マリコ『もう二十代ではないことについて』今回、唯一の単独作、既読の作家。この方の、空気感とか、会話回しとかは大好物。

    この辺が、続く感じかな……。

    作家による、テーマの扱い、作風、ジャンルも様々。好き、嫌い。合う、合わない。も読者それぞれにあると思う。もちろん、自分にも……。

    実話怪談系以外では、今年初のアンソロジー。クリーンヒットはあるも、長打コースはなかった感覚。 総合評価は★★★☆☆。

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