ことり (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.80
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本棚登録 : 4340
感想 : 369
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022648037

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】人間の言葉は話せないけれど、小鳥のさえずりをよく理解し、こよなく愛する兄と、兄の言葉を唯一わかる弟。小鳥たちの声だけに耳を澄ます二人は、世の片隅でつつしみ深く一生を生きた。やさしく切ない、著者の会心作。解説・小野正嗣。

感想・レビュー・書評

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  • 何という美しい物語なんでしょう。

    解説に書かれている「取り繕えない人たち」の物語。
    それゆえに純粋さが溢れている。

    「小鳥の小父さん」の生涯。
    お兄さん、薬局の店主、幼稚園の園長、鈴虫の虫箱を持つ老人。
    中でも図書館の司書さんへの想い。
    哀しいけれど、とても美しい。

    地球っこさんが言われるように「人質の朗読会」や「博士の愛した数式」に通じるものを感じました。
    この本も大切に手元に置いて何度も読み返したい、そしてずっと語り続けられてほしい作品でした。

    • 地球っこさん
      いるかさん、こんにちは。

      いるかさんのレビューを読ませていただいて、「ことり」を思い出すとじーんとなりました。
      美しい物語でしたよね...
      いるかさん、こんにちは。

      いるかさんのレビューを読ませていただいて、「ことり」を思い出すとじーんとなりました。
      美しい物語でしたよね。
      哀しいけれど美しい……あぁわかります。
      2020/12/12
    • いるかさん
      地球っこさん

      コメントありがとうございます。
      本当にじんわりといい物語でした。
      宝物にします。
      今、読返していますが、すごくいい...
      地球っこさん

      コメントありがとうございます。
      本当にじんわりといい物語でした。
      宝物にします。
      今、読返していますが、すごくいいですね。
      ありがとうございます。
      2020/12/12
  • 世界の片隅で紡がれた物語。

    この物語を優しいとか愛おしいとか、そんな温もりのある言葉で表現できるほど、読み終えた直後のわたしはまだ吸収しきれていない。
    哀しかった。ただただ哀しかったのだ。

    哀しいと感じたのは、何でだろうと考える。
    彼らのことを哀しいと思ったのではない。
    わたしが哀しかったのだ。
    だって、彼らは決して哀しい存在ではなかったのだから。
    うまく言葉にならなくて、もどかしい。

    それでも、鳥籠のなかは美しい世界だと思った。
    兄と弟と小鳥たちとの小さな世界はとても美しかった。

    “鳥籠は小鳥を閉じ込めるための籠ではありません。小鳥に相応しい小さな自由を与えるための籠です”

    嫌なことはいつも鳥籠の外からやってきた。ほんの少し胸が高鳴る瞬間も、そして迎える突然の終わりも、やっぱり鳥籠の外からやってきた。
    それでも小さな自由のなかで兄と弟はひっそりと生きてきた。
    ふたりだけの静謐な世界。そこには喜びがあった。楽しみもあった。ふたりの幸せがあった。

    わたしは祈る。哀しみを祈りへと昇華させる。
    ふたりの清らかな精神は、愛の歌をうたう小鳥となって空を舞うだろう。
    そうやって彼らは空へと戻っていくのだろう。

    • いるかさん
      地球っこさん。

      いつも素敵なレビューをありがとうございます。
      この本も読みたいと思い、買って机の上にスタンバイしています。

      と...
      地球っこさん。

      いつも素敵なレビューをありがとうございます。
      この本も読みたいと思い、買って机の上にスタンバイしています。

      とても哀しいのですね。
      今読んでいる本が楽しい本なので、その後に読んでみたいと思います。
      楽しみです~
      2020/12/01
    • 地球っこさん
      いるかさん、こんにちは!
      コメントありがとうございます。

      哀しいと感じたのは、何でだろうと今も考えています。
      彼らのことを哀しいと...
      いるかさん、こんにちは!
      コメントありがとうございます。

      哀しいと感じたのは、何でだろうと今も考えています。
      彼らのことを哀しいと思ったのではないのです。
      わたしが哀しかったのです。
      うまく言えません。
      うーん、でもレビューにちょっとつけたそうかな。
      だって、彼らは決して哀しい存在ではなかったのですから。

      彼らの内側の世界は、本当にひそやかで優しく美しいものでした。

      小川さんの「人質の朗読会」や「博士の愛した数式」に通ずるものがあったように思います。
      「ことり」も「人質の朗読会」も、どちらも美しい作品です。
      いるかさんは、どう思われるかな……
      機会がありましたら、ぜひ読んでほしいなと思います。

      ありがとうございました(*^^*)
      2020/12/01
    • いるかさん
      地球っこさん

      お返事ありがとうございます。
      ひそやかで優しく美しい世界。
      しかも「人質の朗読会」や「博士の愛した数式」に通じる小川...
      地球っこさん

      お返事ありがとうございます。
      ひそやかで優しく美しい世界。
      しかも「人質の朗読会」や「博士の愛した数式」に通じる小川洋子さんの世界なら、絶対に読まないといけませんね。

      今 瀬尾まい子さんの「戸村飯店 青春100連発」を読んでいます。
      それが終わったら「ことり」を必ず読みますね。
      とても楽しみです。
      ありがとうございます。。
      2020/12/01
  • 私は鳥が好きなので、ずーっと読みたいと思っていた本です。
    小さい頃は近所の小鳥屋さんにしょっちゅう行っては1時間くらい「ことり」を眺めて過ごすことが好きな子供でした。
    犬猫は飼育禁止の団地に住んでいたので、「ことり」を沢山飼っていました。
    十姉妹、文鳥、キンカチョウ、紅スズメ、セキセイインコがいました。
    だから、十姉妹のさえずりとダンスには個性があり、皆違うんだと実際に見て聞いて知っています。

    小鳥が意味のある会話をしていると感じたのは、シジュウカラが多彩な鳴き声をしているのを知った時です。
    「何の鳥だろう、あの鳴き声は」と正体を突き止めるとシジュウカラだったことが多々あったのです。

    「小鳥の小父さん」や「小鳥の小父さんのお兄さん」のようにポーポー語はわかりませんが、なんとなく気持ちは伝わってきます。
    この本ではメジロがさえずりの練習をする場面がありますが、飼っていた十姉妹のことを思い出しました。
    さえずりを始める最初の頃は下手くそで短かったのが、だんだんと上手になり自分のさえずりに酔いしれて体を膨らませて夢中で踊るようになります。

    「小鳥の小父さん」は図書館で小鳥が登場する本だけを借りて読みます。
    私も鳥の本を定期的に読むので40冊くらいになりました。

    「小鳥の小父さん」ほどではないですが、私も小鳥のことを考えない日はありません。
    なぜなら、中野さとるさんのスズメのインスタグラムを毎日楽しみにして見ているからです。

    全然レビューになっていませんが、最初から最後まで「ことり」の話で小川洋子さんが優しく語ってくれるので心地よかったです。

    • workmaさん
      Kazuさんへ
      はじめまして。

      ことりのことが本当にお好きなのだなぁ!と愛を感じました(*^^*)
      自分は鳥を飼いたいなと思った...
      Kazuさんへ
      はじめまして。

      ことりのことが本当にお好きなのだなぁ!と愛を感じました(*^^*)
      自分は鳥を飼いたいなと思ったことはありますが、ネコを飼うことが多くて、鳥は飼ったことがありません…友だちが鳥(白い文鳥?)を自分の部屋で飼っていて、ときどき鳥籠から出してあげると、鳥は嬉しそうに友だちの肩に留まったり、字を書く友だちのシャーペンの先をくちばしでつついたり…なんとも愛らしかったです。
      Kazuさんの感想を読んでいたら、こどもの頃の懐かしい思い出がよみがえってきました。ありがとうございますm(。-ω-。)m
      2022/12/28
    • Kazuさん
      workmaさん、こんにちは。
      まともなレビューになっていないのに、コメントして頂いてありがとうございます。

      子供の時に飼っていたセ...
      workmaさん、こんにちは。
      まともなレビューになっていないのに、コメントして頂いてありがとうございます。

      子供の時に飼っていたセキセイインコは手乗りで、人の言葉も覚えてくれました。
      うちのインコはあまり肩に乗ったりしなかったですが、部屋の中は鳥かごの中よりずっと広いのに、手乗り文鳥がわざわざ頭や肩に乗って来るのは可愛いですよね。
      「ことり(小鳥)」が可愛いのは、字のとおり小さいからだと思っています。
      今は鳥を飼っていないので、近所のスズメたちを眺めて癒されています。
      いつでも近くにいて姿を見せてくれるスズメが野鳥の中で一番好きかもしれません。

      子供の頃の鳥に関する思い出と言えば、お祭りで手に入れたひよこも一時飼っていたこともありました。
      すぐに死んじゃって悲しかったなぁ。
      2022/12/28
  • 「博士の愛した数式」に近い、独特な内容の小説。主人公の死から始まり、ハッピーエンドが期待できない進行と、世間にハマらない二人の兄弟の破滅を想像させる内容に読み進めるのが苦しかった。
    ポーポー語なる独特な言葉しか喋らない兄とそれを唯一理解できる弟の二人きりの生活。日常生活を送れない兄を支える弟もまた人との距離感がある。「小鳥」に関してのみ興味があるかと思うと、二人とも「恋」らしきものが別々に芽生えるが、当然成就する事もなく、読んでいて辛い。少女への猥褻行為を疑われ、何十年も続けた小鳥小屋の掃除を追われたり、悲しい内容が続く。とにかく、悲しく苦しい小説。

  • 小川洋子さん、初読み。
    あの有名な「博士の愛した数式」すら未読。映画でも観ていない。

    人間の言葉を話せずに鳥の言葉を理解する兄を持ち、長年近所の幼稚園でボランティアとして鳥小屋の手入れをすることから「小鳥のおじさん」と呼ばれるようになった男の物語。

    ただただ静謐。

    自分は根性が悪いので読後に「それで~?」とか「だ~か~ら~?」という言葉が浮かんでしまう。
    同じような言葉を人の話の終わりによく言ってしまうタイプの人にはお勧めできません。
    穏やかで綺麗な物語を楽しめるような立派な大人になりたいものです。

    生のツグミを見たいなぁ。

    • みんみんさん
      おびさん優しいレビューでした笑
      わたくしも毒を以て毒を制する覚悟で
      辛口レビュー頑張ります\(//∇//)

      おびさん優しいレビューでした笑
      わたくしも毒を以て毒を制する覚悟で
      辛口レビュー頑張ります\(//∇//)

      2023/01/16
    • 1Q84O1さん
      みなさん、土瓶師匠の影響で心が汚染されかけていますよw
      みなさん、土瓶師匠の影響で心が汚染されかけていますよw
      2023/01/17
    • おびのりさん
      類友。ルイルイ♪( ´θ`)ノ
      類友。ルイルイ♪( ´θ`)ノ
      2023/01/17
  • 至福の時間の一冊。

    ポーポー語を話す兄と唯一通じ合える弟は小鳥の小父さんと呼ばれ毎日を丁寧に決められたように過ごしていく。

    小川さんはその一瞬を丁寧に掬い取り美の言葉で紡ぎ、ポツンポツンと読み手の心にせつなさの雫を落としこんで行く。
    その雫が柔らかく心を満たしていく至福の時間を味わえた。

    鳥籠のような限られた世界。人はそれを奇異、気の毒と思うかもしれない。

    でも限られた世界だからこそ得られる小さな自由と幸せ、気付きがあると思う。

    そしてどんな些細なことも大切に感じる心が小さな声を言葉をも掬い取れるのかもしれない。

    • いるかさん
      私もこの本 大好きです。

      哀しいけれど美しい物語。
      小川さんの世界に浸っている時間が、なんとも幸せです~
      私もこの本 大好きです。

      哀しいけれど美しい物語。
      小川さんの世界に浸っている時間が、なんとも幸せです~
      2021/06/10
    • くるたんさん
      いるかさん♪こんにちは♪
      コメントありがとうございます!

      哀しい、うん、わかります〜!でも心地良いんですよね〜♫現実にちょっとだけギリギリ...
      いるかさん♪こんにちは♪
      コメントありがとうございます!

      哀しい、うん、わかります〜!でも心地良いんですよね〜♫現実にちょっとだけギリギリの非現実を絡ませるような小川ワールドが特に好きです¨̮♡
      2021/06/10
  • メジロのオスは美しい鳴き声でさえずるそうで、山奥に愛好家が集まり鳴き声を競う「鳴き合わせ会」という大会が開催されてるとか。3分間に700~800回さえづるのが優秀だそうで番付表なるものもあり横綱ともなると数百万円で取引されるため。密猟で乱獲されることもあり鳥獣保護の観点から捕獲も飼育も禁止されてるとか。にもかかわらずひっそりと開催されるとか。そんなニュースからインスピレーションを得て書いたのがこの作品とゆうことで読んでみました。

    イメージできなかったのが小鳥のブローチ
    毎週水曜に棒付きキャンディ(チュパチャップスみたいなものかな?)を1つ買いに行く習慣がありその包装紙も大切に集めていて、いろんな色があるようで、ある程度集まると微妙にズラシて貼りあわせて綺麗なグラデーションの台紙を作ってそれをカッターで切り抜いてブローチに加工してプレゼントするとかなんだけど。どんなのか想像できなかったです。色見本帳を細かく扇子のように開いた感じになるのかな?地層のようにみえるところを切り抜くんだろうか?それって鳥が巣を作る工程とか求愛行動にも似てそうだけど綺麗なのかな。うーん小鳥のブローチってどんなんだろう。表紙絵に描かれてるのは金属プレートみたいで違うような?
    包装紙まで大切に扱うのだから棒はどうしたのかなって思ったりしてました。

    兄弟で行く仮想旅行の記述も滑稽でお兄さんの神経質すぎる指摘ポイントについて丁寧に調べる弟、それをもとにボストンバックいっぱいに持ち物を詰め込む兄とか。しかも3つとか。そんなにいらなくないってツッコミたくなりそうで、案の定荷物重過ぎで旅行行かずに終わっちゃうなんて、その場に誰かいたらどんな反応するのだろうか想像するとこれも鳥の習性をみてるような感じでした。
    両親に先立たれ2人で暮らすようになったのが弟が22歳のとき。兄は7つ年上の29歳無職。
    ポーポー語を話す兄と唯一その言葉を理解できる弟(小父さん)
    兄と2人きりの生活が23年間続いた後、兄は52歳で亡くなり1人になる。変化のない暮らしぶりに溶け込んでる日常に、変化をもたらすアプローチはいつも外側から不意に訪れる。何人かと心触れあう出来事が起こりやがて離れていく、それは波のように繰り返しながら老年を迎える。
    図書館で鳥の記述がある本ばかり読んでいる小父さんにビビってきました。

    メジロの鳥かごを胸に優しく抱え孤独死してた小鳥の小父さん。鳥かごから出されたメジロが旋回して飛び去った光景が美しく残りました。

    繊細な文章から張り巡らされた神経に触れるたびに感性が刺激され、美しくも儚く慎ましやかな小父さんの生涯を体感できました。研ぎ澄まされた文章になると映像だけじゃなく臭いまでもついてくるかぁって表現力の凄さに地味に感動してしまいました。

    それに、小川洋子さんの抜群の想像力に感心しまくりです。
    企業のゲストハウスの管理人なんていかにも小父さんのためにあるような仕事とか、時代の変化に伴って有料にして一般公開とか、果ては売却して結婚式場とかいかにも納得がいく設定に文句のつけようがありませんでした。

    誰一人、固有名詞で呼ばれてないところもボヤけてて関心が他者に支配されず内に篭って広がりを抑えてるところとか、判断の基準が安心と慎重の2つで動いてるところもたいして傷付く事なくストレス抱えないで生きて行けそうな気がしました。

    私もルーティンワークしてるときは安心できるし、挨拶で今日は半音低いとかビブラートがかかってるとか声の調子で相手の状態を判断して、敵意がありそうなら関わらないようにして平穏に暮らしてるのでなにかと共感してしまいました。

  • ことり 小川洋子さん

    1.購読動機
    ブクログの感想をみて、安らかな、閑かな気持ちになれそうだったため。

    2.読みすすめて
    物語が叙事詩、叙景詩的な印象です。
    語り手ならびに主人公たちの気持ちは、こちら側読者に委ねられているように感じます。

    そのためでしょうか?

    章を進める過程のなかで、主人公たちの家族そして周りの環境に対して理解とともに、感情が芽生えていきます。

    読書途中ですが、皆さんのレビューのとおり、読者の心にひとつひとつの文章がしずくのように溢れおち、広がる感じです。

    静かに時間と向き合える小説。
    夕陽をみて感傷的になりそうな小説。

    3.読み終えて
    主人公が歳を重ねるなかで、環境の変化もあり無くしていくものがあります。 

    母親、そして父親。
    兄。
    定年退職。
    日課となっていた幼稚園の鳥の世話。

    これらの出来事を読書で追体験することで考えたことは以下です。
    無くなる結果には、二つの流れ、原因があること。
    ①自らの意志で無くすもの、捨てること。
    ②流れのなかで、無くなってしまうこと。
     自らコントロールできないこと。

    ことり。
    主人公にとっては、大切な兄との繋がりでした。
    そして、現実世界との接点でした。
    晩年に向けて、数少ない大切なものを無くし、彼が最期に手にしたものも ことり でした。

    「人生の最終にむけて、人は心に何を大切なこととして留めるのか?いえ、留めたいのか?」

    ページを閉じおえて考えた内容でした。

    #読書好きな人とつながりたい

  • 「小鳥の小父さん」 なんて優しい響きなんだろう。

    お兄さんの言葉は、弟である小父さんにしかわからない。
    僕たちが忘れてしまった言葉。それは小鳥のさえずり。

    母を病気で亡くし、父親も亡くなり、お兄さんは29歳、小父さんは22歳で、二人で暮らすようになる。
    二人のささやかな満足は、昨日と同じ一日を過ごすこと。

    お兄さんが亡くなってひとりで暮らす小父さんが年月を重ね、物語の冒頭の部分に至るまで、多くを語らずとも、ひとときも目が離せない。
    胸が熱くなるようなことばかり。
    心の片隅にいつまでもそっとしまっておきたいような物語だった。

    • 大野弘紀さん
      そう。目が放せないのです。その息づかいを感じながら固唾を飲んで見守る観客のような、心境で。
      そう。目が放せないのです。その息づかいを感じながら固唾を飲んで見守る観客のような、心境で。
      2019/12/22
    • m.cafeさん
      大野さん、コメントありがとうございます。

      小川さんの描く優しさは格別で、触れるのがもったいないくらいです。
      大野さん、コメントありがとうございます。

      小川さんの描く優しさは格別で、触れるのがもったいないくらいです。
      2019/12/22
  • 何とも不思議な気持ちになるお話だった。これは境界人と言われ、社会的にはなかなか受け容れられにくい兄弟の生涯を語っているのだろうか?私達はついつい他人(社会)に阿って生きているのだなと思ってしまう。小父さんと呼ばれていた主人公は、特殊な能力を持つ兄を理解しその人生に寄り添う。一人になった後も静かで優しい時間が流れる。孤独死は可哀想と言われてしまう世の中だけれど小鳥の声を聴きながら暮らす幸せもある。

    • yhyby940さん
      小川洋子さんの作品には、なんだか不思議な魅力がありますよね。人に対する目線が優しいような。
      小川洋子さんの作品には、なんだか不思議な魅力がありますよね。人に対する目線が優しいような。
      2023/04/28
    • 秋桜さん
      私はまだ2冊目でした。また読んでみたいなと思います。
      私はまだ2冊目でした。また読んでみたいなと思います。
      2023/04/30
    • yhyby940さん
      おはようございます。機会があれば、是非。
      おはようございます。機会があれば、是非。
      2023/04/30
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著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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