黒警 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022648174

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  • 土漠の花でも感じたことだが
    キャラクターが 自己都合で 屈折している。

    波多野は、ヤクザでありながら、
    殴られている女や困っている女に、同情し、
    助けてやりたいと思っている。

    警視庁組織犯罪対策部の沢渡は、
    サラリーマン的刑事で、警察のルールの中に縛られていて、
    女が殴られていようが 無視できるタイプ。
    刑事である アイデンティが かなり不明瞭。

    波多野と沢渡が、どういうわけか、波長が合う。
    うらっかえし だからなのだろうか。
    二人が 入れ替わったら 物語にならないのだろうか。
    ニセモノ ぺんちゃんの犯人を捜す 沢渡。
    波多野と沢渡の間に、割り込んでくる 沈。
    大連の共産党幹部とその息子を殺し、日本に逃げてきた。
    その息子とは 昔なじみだった。
    この共産党幹部は、薄煕来をイメージさせる。
    その沈が ニセモノぺんちゃんの元締めで 義水盟に加わっていた。

    中国マフィアの 天老会が ぺんママを捜し、
    義水盟に加わっているものを陰惨に 殺す。
    その理由が 沈によって 明らかにされる。
    波多野は ぺんママを保護することを、約束するが
    いとも簡単に 殺されてしまう。

    それから、沈と沢渡が タッグを組み 
    その悪さしているものに、戦いを挑む。
    ふーむ。どうも、仮説的な 物語が 組み立てられている。

    沈は 戦略を よく組み立てることができるが、
    策に溺れ、沢渡は、やっと 刑事らしくなるが、
    どこかが、ハミでている。
    こういう 警察小説も ありなのか。
    次作で沢渡が どんな風にがんばるのか、たのしみではある。

  • 月村了衛の警察小説。
    しかし、黒警には機龍は登場しない。
    舞台は、いま現在。そして、いまここ東京。

    現場では、殺人、麻薬、密輸犯罪が横行し、さらにそんな街を無遠慮なマスコミが暴力的に取材する。
    警察上層部は、政府や政治家と癒着し、自らの利益を最大化することに心血を注ぐ。
    そんな街で、ずるずると流され続けていた三流刑事が、ある東洋人と関係を持ったことをきっかけに、黒であることを厭わない警察官となった。

    昔なら、荒唐無稽な物語と片付けられていたようなプロットが、月村了衛の筆によりリアルな現実として再現される。
    いや、現実が月村了衛の描く世界に追いついてしまったのか?
    次作がとても楽しみだ。

  • 他の作品と比べると、一人一人の背景に深みがないように感じる。解決方法も安易で、何かスッキリしないまま物語が終わってしまった。

  • 日本で暗躍する中国黒社会の組織をテーマにした警察小説であるが、ハードな描写もある反面、主人公の沢渡のちゃらんぽらんなキャラクターが全体に緩い雰囲気を与えているようだ。

    過去の腐れ縁で結び付いた警視庁組織犯罪対策部の沢渡と滝本組の幹部・波多野の二人が、ある事件をきっかけに中国黒社会の新興組織・義水盟と関わっていくが…

    ストーリー展開は、やけにあっさりと中心人物が消えたり、あっさりと良い方向に展開したりと、腑に落ちないままに物語が進み、最終的には良い所に着地するという感じで、その点で面白さに欠ける。

  • 『黒涙』に前作があると知って買ったんだけどねー

  • 「好い意味」で予想を裏切りながら、スピーディーに展開する物語だ…タイトルは「こくけい」と読む…“警”の文字が在ることから察せられるように、警察官(=刑事)が登場する物語だ…
    本作は、純粋にエンターテイメントなのだが、それでも「何時の間にか増えている外国人と日本社会」というようなことを考える材料のようなものを提供している感もしないではない側面が在った…更に、個人的には…何か“沢渡警部補”に、妙な共感のようなモノを強く感じた…
    非常に面白く、読み易い分量の小説…お薦めだ!!或いは「その後の沢渡警部補」というのも、読んでみたくなる…

  • 96

  • なかなか痛快だった。この人はシリアス路線だけじゃなかったんだとわかる

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著者プロフィール

1963年生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年「機龍警察」で小説家デビュー。2012年「機龍警察 自爆条項」で第33回日本SF大賞を受賞。2013年「機龍警察 暗黒市場」で第34回吉川英治文学新人賞を受賞。2015年「コルトM1851残月」で第17回大藪春彦賞を受賞。2015年「土漠の花」で第68回日本推理作家協会賞を受賞。

「2018年 『水戸黄門 天下の副編集長』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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